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10月05日-06号

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  1. 高知県議会 2022-10-05
    10月05日-06号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年  9月 定例会(第363回)-----------------------------------        令和4年10月5日(水曜日) 開議第6日-----------------------------------出席議員       1番  濱口涼子君       2番  槇尾絢子君       3番  桑鶴太朗君       4番  上治堂司君       5番  土森正一君       6番  上田貢太郎君       7番  今城誠司君       8番  金岡佳時君       9番  下村勝幸君       10番  田中 徹君       11番  土居 央君       12番  野町雅樹君       13番  横山文人君       14番  西内隆純君       15番  加藤 漠君       16番  西内 健君       17番  弘田兼一君       18番  明神健夫君       19番  桑名龍吾君       20番  森田英二君       21番  三石文隆君       23番  西森雅和君       24番  黒岩正好君       25番  依光美代子君       26番  大石 宗君       27番  武石利彦君       28番  田所裕介君       29番  石井 孝君       30番  橋本敏男君       31番  上田周五君       32番  坂本茂雄君       33番  岡田芳秀君       34番  中根佐知君       35番  吉良富彦君       36番  米田 稔君       37番  塚地佐智君欠席議員       なし-----------------------------------説明のため出席した者  知事         濱田省司君  副知事        井上浩之君  総務部長       徳重 覚君  危機管理部長     中岡誠二君  健康政策部長     家保英隆君  子ども・福祉政策部長 山地 和君  文化生活スポーツ部長 岡村昭一君  産業振興推進部長   沖本健二君  中山間振興・交通部長 中村 剛君  商工労働部長     松岡孝和君  観光振興部長     山脇 深君  農業振興部長     杉村充孝君  林業振興・環境部長  豊永大五君  水産振興部長     松村晃充君  土木部長       荻野宏之君  会計管理者      池上 香君  公営企業局長     笹岡 浩君  教育長        長岡幹泰君  人事委員長      門田純一君  人事委員会事務局長  澤田博睦君  公安委員長      古谷純代君  警察本部長      江口寛章君  代表監査委員     五百藏誠一君  監査委員事務局長   高橋慎一君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長       山本和弘君  事務局次長      横田 聡君  議事課長       吉岡正勝君  政策調査課長     田渕史剛君  議事記録班長     松岡宏尚君  主幹         春井真美君  主査         宮崎由妃君-----------------------------------議事日程(第6号)   令和4年10月5日午前10時開議第1 第1号 令和4年度高知県一般会計補正予算 第2号 令和4年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第3号 令和4年度高知県電気事業会計補正予算 第4号 高知県個人情報の保護に関する法律施行条例議案 第5号 高知県職員の高齢者部分休業に関する条例議案 第6号 高知県四国カルスト県立自然公園公園施設の設置及び管理に関する条例議案 第7号 職員の定年等に関する条例等の一部を改正する条例議案 第8号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 第9号 高知県国民健康保険法施行条例の一部を改正する条例議案 第10号 高知県公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例議案 第11号 高知県旅館業法施行条例の一部を改正する条例議案 第12号 高知県民生委員定数条例の一部を改正する条例議案 第13号 高知県子ども・子育て支援会議設置条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県都市計画法施行条例の一部を改正する条例議案 第15号 高知県が当事者である和解に関する議案 第16号 県有財産(港湾荷役機械)の取得に関する議案 第17号 国道441号防災・安全交付金工事請負契約の締結に関する議案 第18号 県道本川大杉線(上吉野川橋)橋梁修繕工事請負契約の締結に関する議案 第19号 県道須崎仁ノ線防災・安全交付金(仁淀川河口大橋)工事請負契約の締結に関する議案 第20号 春遠ダム(春遠第1ダム)本体建設工事請負契約の締結に関する議案 第21号 令和3年度高知県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案 第22号 令和3年度高知県工業用水道事業会計処分利益剰余金の処分に関する議案 報第1号 令和3年度高知県一般会計歳入歳出決算 報第2号 令和3年度高知県収入証紙等管理特別会計歳入歳出決算 報第3号 令和3年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算 報第4号 令和3年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算 報第5号 令和3年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算 報第6号 令和3年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算 報第7号 令和3年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算 報第8号 令和3年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算 報第9号 令和3年度高知県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算 報第10号 令和3年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算 報第11号 令和3年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算 報第12号 令和3年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第13号 令和3年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算 報第14号 令和3年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第15号 令和3年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算 報第16号 令和3年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第17号 令和3年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第18号 令和3年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算 報第19号 令和3年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算 報第20号 令和3年度高知県流域下水道事業会計決算 報第21号 令和3年度高知県電気事業会計決算 報第22号 令和3年度高知県工業用水道事業会計決算 報第23号 令和3年度高知県病院事業会計決算第2 一般質問(一問一答形式による)第3 決算特別委員会設置の件第4 議発第1号 議員を派遣することについて議会の決定を求める議案-----------------------------------   午前10時開議 ○議長(明神健夫君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(明神健夫君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、第1号「令和4年度高知県一般会計補正予算」から第22号「令和3年度高知県工業用水道事業会計処分利益剰余金の処分に関する議案」まで及び報第1号「令和3年度高知県一般会計歳入歳出決算」から報第23号「令和3年度高知県病院事業会計決算」まで、以上45件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 質疑並びに一般質問は一問一答形式によることとします。 橋本敏男君の持ち時間は40分です。 30番橋本敏男君。 ◆30番(橋本敏男君) おはようございます。県民の会の橋本敏男でございます。今、議長のお許しをいただきましたので、一問一答形式により質問を始めたいと思います。時間の制約がありますので、簡明な答弁を期待しているところでございます。 まずは公共用水域の保全について質問をしてまいります。 日本最後の清流と言われる四万十川や仁淀ブルー、奇跡の清流と呼ばれる仁淀川は、高知を代表する河川として、今なお水量豊かに美しく流れています。その流域には、昔の原風景を感じることのできる風情を残し、流域で生きる人々の暮らしを支え、長い時間をかけ独特の文化や伝統を育んでまいりました。しかしながら、そんな清流域においても、人々の生活様式の変化や社会資本整備など様々な変化に伴い、地域固有の暮らしや流域環境が失われていくことが懸念されます。 県は、厳しい環境下にある清流を守り次世代に引き継ぐことを決意して、平成元年に高知県清流保全条例を制定し、清流の保全を図ってきました。その取組は高知県の公共用水域全てに関わるもので、川などから流れ出る淡水は全て高知県の太平洋側700キロにも及ぶ海岸線の美しい海に注がれ、海洋環境にも大きな影響を与えます。 高知県は水の県とも言われ、昔から水の恩恵によって我々県民の暮らしが支えられてきたと言っても過言ではないと思います。清流の保全を図ることは公共用水域環境を守ることにつながり、高知県民の営み全てに通じるものだと思いますが、知事の所見をまずは求めておきたいというふうに思います。 ◎知事(濱田省司君) 議員からお話がございましたように、本県には四万十川あるいは仁淀川をはじめとしまして数多くの清流が残されております。これらの全国に誇れる清流を将来に引き継いでいくという趣旨で、高知県清流保全条例が制定されております。この条例に基づきまして、清流保全計画の策定、流域内で連携した取組の実施のほか、環境学習でございますとか広報などを通じまして県民意識の醸成に取り組んでおります。 河川などの水質の保全に向けましては、環境基本法に基づきまして、県内の62の水域について176か所の調査箇所により、公共用水域での定期的な水質測定を実施いたしております。その測定の結果は、清流保全条例によります施策にも反映をされております。 この清流の保全は、公共用水域の水環境を守るということにつながります。また、このことは健康的で快適な生活、あるいは事業活動など県民の営み全ての基盤となるということでございますので、大変重要だというふうに認識をいたしております。 ◆30番(橋本敏男君) 知事から所見をいただきました。この清流を保全するということは大変重要な問題だというふうに答弁がございました。 公共用水域における水の汚れの原因としては、工場や農業生産に伴う産業排水のほかに、台所、風呂、洗濯、トイレなど日常生活から出される排水がございます。水の汚れはかつて産業排水が主な原因でしたが、工場などに対する規制が強化され、産業排水対策の進んだ今日では生活排水が汚れの大きな原因となっています。特に公共用水域を汚すのは生活排水で、汚れの原因の半分以上を占めているというふうにも言われています。 したがって、公共用水域保全のキーワードは生活排水をいかに浄化させるかであり、生活排水の処理は公共用水域保全にとって重要だというふうに思いますが、土木部長の見解を求めておきたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 公共用水域の水質保全や生活環境の改善を図るためには、下水道や集落排水、浄化槽施設により生活排水を処理することが非常に重要であると考えてございます。そのため県では、平成9年度に高知県全県域生活排水処理構想を策定しております。 現在、県内の市町村ではこの構想に基づき、下水道集落排水施設等の整備や管理、くみ取りや単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換について補助事業も活用し、推進しているところでございます。 ◆30番(橋本敏男君) 土木部長の見解としても、水質保全を図るにはこの生活排水の処理というのは非常に重要ということが示されたところでございますが、清流保全条例の第16条に県民の責務ということで、何人も生活排水により公共用水域の水質を汚濁しないよう努めなければならないという努力規定がございます。これに基づいて、県民もしっかりと取り組んでいく必要があるんだろうというふうに思います。 生活雑排水の浄化には浄化槽の精度が求められ、そのため国は、昭和60年に浄化槽法を施行し、浄化槽の普及と適正管理に努めてまいりました。それまでは、昭和40年に厚生白書に掲げた一億総水洗化目標達成のため、トイレ水洗化の有力な手段として下水道とともに単独処理浄化槽が一気に普及いたしましたが、し尿のみ処理で、生活雑排水は公共用水域に垂れ流し状態が続きました。同時期、生活雑排水が公共用水域の水質汚濁を招くと社会問題化して注目を集めるようになり、し尿や雑排水の適切な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を目的にした浄化槽法が制定され、資格制度が初めて定められたところでございます。 しかしながら、社会情勢の変化によって浄化槽法も改正に次ぐ改正を余儀なくされ、平成13年の改正では単独浄化槽の新設が原則禁止、平成17年には公共用水域等の水質保全が追記され、浄化槽放流水の水質基準が設けられました。 その後、令和2年の改正では、補修や交換が必要な単独浄化槽について、合併処理浄化槽への転換命令権限が行政に付与されたところでございます。具体的には、放置をすれば生活環境の保全や公衆衛生上重大な支障が生じるおそれの状態と認められる単独槽に対して、知事が撤去や改善の措置を取るよう助言または指導できるようになり、従わない場合は、勧告や命令を発することも可能となりました。 これによって、単独浄化槽の合併処理浄化槽への転換が期待されたところですが、本県における合併浄化槽への転換状況について土木部長に答弁を求めたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 令和3年度までの3か年の平均で、1年当たり212基の単独処理浄化槽が廃止されているところでございます。その内訳といたしましては、下水道などの集合処理への接続によるものが144基、合併処理浄化槽への転換によるものが34基、家屋の解体等に伴う廃止によるものは、残る34基となっているところでございます。 ◆30番(橋本敏男君) 答弁ありがとうございます。 浄化槽における様々な問題を解決するためには、単独浄化槽から合併処理浄化槽への転換を含む浄化槽の設置状況を示す詳細なデータが重要になります。しかしながら、過去に無届けのまま設置された単独浄化槽は依然として数多く存在をしています。下水道への接続により撤去されたが台帳上にデータが残っていたり、空き家になっているのに届出が出されずそのまま台帳に残っているなど、正確な実態をつかむのは困難となっていると想像いたします。 浄化槽法では、浄化槽ごとに浄化槽台帳を作成することが義務づけられていますが、台帳の整備と維持管理については、それぞれの自治体によっても大きな差があると思います。浄化槽の現状を正しく把握しなければ、単独浄化槽から合併処理浄化槽への転換の推進が困難となり、浄化槽法で定められた保守点検や法定検査の効果は期待できません。 そこで、本県の台帳の現状について土木部長に答弁を求めたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 県では、平成18年から独自の浄化槽台帳システムを用いて、浄化槽管理者や保守点検・清掃業者名、法定検査等の情報を活用し、浄化槽管理者への指導や助言、苦情対応などを行っているところでございます。 台帳への登録内容については、保健所に提出された設置・廃止届の情報や、法定検査機関からの情報提供に基づき、定期的に更新を行っているところでございます。しかし、無届けの浄化槽や法定検査を受検していない浄化槽につきましては、台帳が整備できていないといった課題があるところでございます。 ◆30番(橋本敏男君) 土木部長の答弁ありがとうございました。全ての実態はつかめていないということだというふうに理解をいたしました。 県内の浄化槽設置基数10万2,586基のうち、単独浄化槽が4万27基と約4割を占めていることから、合併浄化槽への転換が重要な課題だというふうに思います。さらには、そもそも台帳から消えている浄化槽や、届出もなく使われなくなった浄化槽などがあり、浄化槽台帳に所有者や最新の維持管理情報などがしっかり反映されることが必要となります。 これらの情報は、浄化槽の設置や廃止届を確実に行っていただくことや、浄化槽管理者の義務である保守点検、法定検査を行っていただくことで把握できることになります。 そのためには、市町村や指定検査機関、関係事業者との連携は欠かせませんが、県はどのような連携を図ってきたのか、土木部長の答弁を求めます。 ◎土木部長(荻野宏之君) 台帳に直接関係する連携はなかなか十分にはできていないところでございますが、これまで市町村と連携して広報誌による法定検査の周知や、浄化槽管理者である住民などを対象とした講習会を実施してきたところでございます。 そのほかにも、市町村担当者を対象とした説明会を開催し、浄化槽の設置届や法定検査、浄化槽管理者の義務などの説明を行っているところでございます。また、高知県環境検査センターと連携して、講習会の実施や、法定検査を受けていない管理者への文書指導を実施してきたところでございます。 ◆30番(橋本敏男君) 台帳に載っていない浄化槽の実態は承知していないということで、多分当たり前のことなんですけれども、この高知県の実態というのは土木部長はどう想定をしていますか、答弁いただきたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 先ほども申し上げましたように、台帳の整備がまだまだ途上でございますので、十分に把握できていないということで、今後整備を図っていきたいというふうに考えてございます。 ◆30番(橋本敏男君) それと、多分答弁の中で出てくるかなというふうに想定をしていましたけれども、権限移譲で市町村に事務委任をしている市町村があると思います。6市町村だと思いますが、その状況というのはどうですか。 ◎土木部長(荻野宏之君) 権限移譲している市町村の情報につきましては、移譲しているということで、連携はしておりますけれども、なかなか十分には把握していない、できていない状況でございます。 ◆30番(橋本敏男君) 私が知り得る限りは、高知県の中で6市町村に移譲しています。県が直轄でしっかりと事業展開をしているところの受検率というのは非常に高いです。69.何%ですから、約70%行っています。しかし、非常に厳しいところがあります。それは高知市です。高知市の受検率32%です。これ1つで相当下げているということが分かっております。そのことが多分言われるかなというふうに思ったんですけれども、言ってくれなかったので私のほうから申し上げたいというふうに思います。 遅々として進まない単独浄化槽の転換と浄化槽管理の向上を同時に実現することが必要として、令和2年に浄化槽法の一部が改正されました。背景には、その時点で単独浄化槽が全国で全体の53%、約400万基残存し、いまだに約1,200万人がくみ取り便槽や単独処理浄化槽を使用しており、生活雑排水が未処理の状態で公共用水域に排出されている実態があります。 また、浄化率は合併処理浄化槽で90%、単独処理浄化槽では65%と言われておりますので、圧倒的に合併処理浄化槽の環境負荷率は低くなっています。このことから、環境負荷の低い合併処理浄化槽への転換を促さなければなりません。浄化槽法の一部を改正する法律では、都道府県に対して老朽化の激しい単独浄化槽所有者に、合併処理浄化槽への転換を勧告、命令ができるよう強化され、浄化槽台帳の整備を通じた法定検査受検と管理の指導強化を図るとしています。 本県の現状はさきに述べたとおり、全国と比べれば単独より合併処理浄化槽が多いと言えます。しかしながら、浄化槽設置基数の約40%は、先ほど言いましたように単独処理浄化槽であります。生活雑排水が未浄化で公共用水域に排出される状態です。 浄化槽法の一部が改正されたことを受け、県はどのような取組をしてきたのか、土木部長の答弁を求めたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 令和2年の浄化槽法の改正項目のうち、公衆衛生上、重大な支障が生じるおそれのある単独処理浄化槽への指導や助言につきましては、現在のところ行った事例はございません。 浄化槽台帳の整備につきましては、令和5年度に新しいシステムへ移行し、法改正で示された項目に対応する予定としてございます。これを契機に、台帳の精度の向上に向け関係機関と連携して取り組んでいきたいと考えてございます。
    ◆30番(橋本敏男君) 答弁ありがとうございました。 本県の令和3年の法定検査受検率は7条検査が96%、毎年1回受検しなければならない11条検査が57.6%と全国平均を上回っていますが、この受検率に対する土木部長の見解を求めておきたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 法定検査の受検は浄化槽法で定められた浄化槽管理者の義務であることを考えますと、本県の受検率は高いとは言えないと考えてございます。法定検査の受検率の向上を図るためには、中核市である高知市や権限移譲を行っている5市町の取組も必要であるため、連携して周知や啓発に努めていきたいと考えてございます。 ◆30番(橋本敏男君) 関係市町村と連携して強化を図っていきたいというふうな答弁だったというふうに思います。ぜひお願いしたいと思います。 浄化槽法第12条の2では、都道府県知事は法定検査を受検していない浄化槽管理者に対して、法定検査受検の指導・助言、勧告及び命令ができるとされています。さらに、命令に違反した者は30万円以下の過料に処すとの罰則規定もありますが、法定検査を受けない悪質な者に対して今までに適用した事案はあるのか、土木部長に答弁を求めます。 ◎土木部長(荻野宏之君) 本県におきまして、これまで法定検査を受けていない浄化槽管理者に対して罰則を適用したことはございません。 ◆30番(橋本敏男君) 浄化槽法で必置で、義務ですよね。当然法令遵守、守らなければならないというふうに思います。 私はこれ必置要件だというふうに思っていまして、そこで知事にちょっとお聞きしたいんですが、行政のコンプライアンスについての考え方を答弁いただきたいと思います。 ◎知事(濱田省司君) お話がございましたように、様々な法令におきまして、都道府県あるいは市町村、そして各事業者の皆様、いろんな義務が課せられていることがあろうかと思います。 行政に関しましてのものは、努力義務的なものからより必須度の高いものまで様々な行政執行上の義務が課せられている局面はあろうかと思いますが、その法令の趣旨に沿って、できる限りこの法令の要求に沿った対応を行政として求められるというのは、これは当然のことというふうに考えております。 ◆30番(橋本敏男君) どうもありがとうございます。 水質検査は法律に定められた義務であるとしてきっちりと受検をしている方もいれば、お金がかかるからといって受検しない方もいらっしゃいます。わざと受検しない方は論外ですけれども、検査はがきが送られてこないから受検しない、できないというのは問題で、正直者がばかを見る、そんなことがあってはならないというふうに思います。 担当課から頂いた資料を見てみますと、台帳の上だけで約10万基以上ある浄化槽に対して、第11条の法定検査の案内件数、これ6万4,334件です。約6割にすぎません。逆に言うと、約4割の方には、はがきは送られていないということになっています。案内もせずに放任しているような高知県環境検査センターの対応です。 何のために県は環境検査センターに対して県費を使って浄化槽推進事業委託をしているのか分かりませんが、この実態をどのように考えているのか、土木部長に答弁をいただきたいというふうに思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 検査の案内につきましては、今議員がおっしゃったように、全戸に配布できていないという状況がございますので、そのことにつきましてはセンターのほうへ指導をしていきたいというふうに考えてございます。 ◆30番(橋本敏男君) ぜひ指導いただきたいというふうに思います。 県内に10万基以上浄化槽があるにもかかわらず、4割の方には受検はがきを送っていないということは、法の公平性からいうと非常に大きな問題だというふうに私は思っています。浄化槽法では必置の義務でありますから、過去に何があったのか分かりませんけれども、案内を出していない管理者は受検しないと勝手に決め込んで、自分たちの仕事の合理性だけを追求しているとさえ思ってしまいます。 もしそのような理由であるとすれば、私は言語道断だというふうに思いますが、再度土木部長の認識を確認しておきたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 議員おっしゃるように、十分な対応ができていないという実態がございますので、そのことにつきましてはしっかりと指導してまいりたいと考えてございます。 ◆30番(橋本敏男君) 知事のコンプライアンスに対する考え方が示されたんですけれども、法定検査というのは、やっぱり法で定められた義務でありますから、不公平感があるような行政の対応をしていると公平性が問われることになるんだろうというふうに私は思います。強いて言えば、行政不信を招く結果にもなり得るというふうにも思います。 私は、税と同じだというふうに考えています。真面目にお金を払っている人から見たら、法令上罰則規定まであるにもかかわらず適用しないのはおかしいとの声が上がるのは、私は無理もないことだろうというふうに思ってございます。 一罰百戒、罰を与えなければ徹底されないのであれば罰則規定の行使もやむを得ないと思うんですが、知事の答弁をいただきたいと思います。 ◎知事(濱田省司君) お話がありましたように、浄化槽の点検に関しまして、必ずしも法令が要求をする、あるいは想定をする形での点検が行われていないのではないかということが問題の所在ということだと思います。 私も今回そうした状況につきまして、正直初めて数字的なものに関しましては知った次第でございますので、その点担当します土木部のほうには、これはある意味、全国的な共通したような課題という側面もあるのではないかというふうに拝察をいたしますので、他県の、より法令に適した形での処理を行っている実態の県がないのかと、そういった部分の取組の参考にできる部分はないかというようなところも含めて検討させまして、この状況の改善を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆30番(橋本敏男君) ありがとうございます。知事から非常に前向きな答弁がいただけました。 本県では、法定検査を一般財団法人高知県環境検査センター1事業者に委ねていますけれども、台帳の上だけで約10万基以上ある浄化槽の法定検査に加え、簡易専用水道の法定検査業務、さらには水質の分析測定業務まで担っており、高知県環境検査センターだけの体制で行うのは無理があるのではないかと思いますが、土木部長の見解を求めます。 ◎土木部長(荻野宏之君) 本県を含めました全国の37都道府県において1つの機関で法定検査等の業務を行っている実態がございますので、高知県におきまして高知県環境検査センターのみで検査業務を行っていることが、必ずしも無理があるとは考えていないところでございます。 ◆30番(橋本敏男君) 1事業所で行っている県も多数あります。その県についても、非常に受検率の高い県もございます。そういう県になるように、高知県も頑張ってはいただきたいなというふうに思います。 知事は、浄化槽法第57条第1項の規定により、当該都道府県の区域内において法定検査の業務を行う者を指定することになっています。県土の広い本県において浄化槽管理者の、これ県民なんですけれども、利便性、精度の高い浄化槽台帳の策定など、市町村や地域住民、関係機関との連携を考えれば、複数の指定検査機関を設けることは合理性があると思いますが、土木部長にもう一回答弁をいただきたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 全国におきましては、利便性向上等のために複数の検査機関を指定している県もございます。一方で、1つの検査機関で複数の支部を設置して業務を行っている県もございます。例えば、島根県におきましては指定検査機関は1つでございますが、3つの支部を設置しまして、そのような利便性の向上を行っているという実態を把握してございます。本県におきましても、こうした事例を参考にしつつ、検査機関の在り方について研究してまいりたいと考えてございます。 ◆30番(橋本敏男君) ありがとうございます。ぜひサテライトみたいな形も検討していただければありがたいなというふうに思います。 土木部長のほうからそういう答弁をいただきましたので、知事のほうにも同じような質問をしようと思ったんですけれども、これ割愛をさせていただきます。 岐阜県や岡山県では、本当に受検率が90%を超えているんです。そんなところもあるんです。だから、高知もやってやれないことはないんです。そういう方向性を目指して、ぜひとも頑張っていただきたいというふうにエールを送りまして、この項は全て終了したいというふうに思います。 次に、2・4・5T系の除草剤埋設問題について質問を展開していきます。 まずは、2・4・5T系の除草剤が人体に及ぼす影響について知事の認識を求めておきたいと思います。 ◎知事(濱田省司君) お話がございました2・4・5T系除草剤でございますが、これには製造過程で生じますダイオキシン類がごく微量含まれたというふうにされております。このダイオキシン類は、飛散ですとか吸入などによりまして体内に取り込まれますと、発がんのおそれ、あるいは生殖機能または胎児への悪影響のおそれがあるというふうに指摘をされているところでございます。こうしたことを考えますと、ダイオキシン類を含む2・4・5T系除草剤は、人体にとって有害なものであるというふうに考えなければならないと思っております。 ◆30番(橋本敏男君) 知事の認識をいただきました。2・4・5T系の除草剤にはダイオキシンが入っているんですね。ダイオキシンというのは人類の合成薬品史上最高の猛毒というふうに言われていまして、今世紀最大の劇物であります。そのダイオキシンを含んだ2・4・5T系除草剤が国の指示で高知県の山中に埋設されているということですから、たまったものではございません。 6月定例会の本会議で県民の会の上田代表から猛毒のダイオキシン類を含む2・4・5T系除草剤についての質問があり、本県における実態が明らかになりました。その後、知事は四国森林管理局長に、6月29日付で埋設箇所の保全対策及び関係自治体等への説明、埋設除草剤の早期撤去を要請されました。その回答は、今まで調査した結果を専門家による検討委員会で諮った結果、地域住民の生活などに及ぼす影響はなく、埋設箇所に対する立入り及び土壌の攪乱行為の禁止措置を引き続いて実施していくとの現状が示されているところでございます。 さらに、林野庁では埋設除草剤の撤去を念頭に置いて、令和3年度より四万十町を含む4か所をモデル的に選定し、ダイオキシン類を飛散させず埋設除草剤を掘削処理する手法についての調査が終了、この結果を踏まえて今年度は掘削範囲を決定するためのボーリングによる試料採取などに着手する予定である等、林野庁から現状報告と回答を文書で頂いていますが、この回答について知事の所見を求めます。 ◎知事(濱田省司君) 本年の6月に林野庁に対して、県及び埋設箇所の自治体の切なる願いといたしましてこの2・4・5T系除草剤の撤去などについて要請を行ったところであります。林野庁からの回答といたしましては、順次撤去に向けて取り組むということと併せて、要望があれば埋設箇所周辺の水質調査も実施をするということなどによりまして、関係者の不安軽減に努力をするという回答があったところでございます。 また今後、定期的な点検結果の報告と併せて、埋設されました2・4・5T系除草剤の掘削処理に関する国のモデル事業の結果などにつきまして関係市町にも情報提供をするという内容の回答がございました。そうした点から、この申入れ前に比べますと一定の前進があったものというふうに認識をいたしております。 ◆30番(橋本敏男君) 本当に、林野庁に対して知事のほうからしっかりと対応していただいたということは感謝をしているところでございますが、しかし残念ながら、埋設除草剤の早期撤去について、林野庁からの今回の回答には具体的なタイムスケジュールは示されていません。 県内に埋設されている四万十町以外の埋設箇所、いの町、大豊町、土佐清水市については、モデル箇所での掘削処理の結果を踏まえて取り組む考えですとのことで、掘削処理する、しないかさえはっきりしていません。また、四万十町の掘削処理は、令和5年度以降に着手する予定とのことですから、5年度に着手することが決まっているわけでもございません。さらには、モデル箇所の結果いかんによっては、掘削処理されない場合もあり得ることになります。そう考えると、他の埋設されている3地区の掘削処理はいつになるのか分かったものではございません。 現在も県内の土中には2・4・5T系の除草剤が埋設されている場所は3か所あり、その3か所全てが林野庁の通達と異なる方法や埋設量で埋設されていることが明らかになっています。具体的には、いの町は通達の3倍以上の埋設量となっており、大豊町と同じく上部のみをコンクリートで覆っただけのお粗末なもので、通達とは程遠い方法で埋設をされています。土佐清水市については埋設量が把握できていない状態だということですから、言葉にはなりません。通達どおりに埋設されている場所はもとよりですが、通達とは異なる量、方法で埋設されている場所の近隣で暮らしている人の心配は計り知れないものがあると思います。 したがって、優先順位からいっても通達とは異なる量、方法で埋設されている場所が優先されるべきだと思いますが、林業振興・環境部長の見解を求めたいと思います。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) お話のとおり、通達とは異なる方法などで埋設されている箇所の地元の皆さんの御不安は、より大きいものと思います。私としましては、そういった箇所については、優先順位を上げてもよいのではないかという思いでございます。 一方で、埋設除草剤の撤去は、飛散などへの対応を含め、科学的な知見に基づき安全かつ確実に実施することが重要です。このため、撤去の優先順位につきましては、現在実施されている調査結果も踏まえて検討されるものと考えております。 ◆30番(橋本敏男君) 優先順位については、私と考えを同じくするというふうな答弁だったと思います。ぜひ今後林野庁に対してお願いをする場合は、そういうことも加味したお願いとしての要請をぜひともしていただければありがたいというふうに要請をしておきたいと思います。 それから、この問題は国が起こした言わば国災でございます。県民の命と直結する事柄でありますから、当然国に責任を持って対応していただかなければなりません。林野庁に強く働きかけて、いっときも早く2・4・5T系除草剤の掘削処理タイムスケジュールを示していただき、早期撤去を実現していただきたいというふうに思いますが、知事の決意を求めまして、この項は終わりたいと思います。 ◎知事(濱田省司君) お話がございましたように、林野庁、国のほうでは、全国の4か所をモデル地域といたしまして令和5年度以降掘削除去を行い、その後全国の埋設箇所について掘削除去を念頭に置いて取り組む方針というふうに伺っております。 国には、まずはこのモデル地域におきます調査を着実に進めてもらうということが前提だと思います。議員からも御指摘ありましたように、実情様々であるという可能性があるわけでありますので、まずはモデル地域についてしっかりと実態把握してもらう、それを踏まえまして、早期の撤去に向けて具体的なタイムスケジュールを速やかに示してほしいと、このことは既に林野庁とのやり取りの中で県の考えとして申し述べておりますが、改めてこのことも含めまして、早期の撤去に向けて今後も強く働きかけてまいる所存であります。 ◆30番(橋本敏男君) 相手が国ですので、知事、どうか頑張って国と勝負をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、持続可能な漁業形態構築について質問をしてまいります。沿岸漁業を取り巻く環境は、様々な問題が複合的に絡まり、大変厳しく、衰退の一途をたどっています。その衰退は、私たちの漠然としたイメージよりもはるかに深刻な状態だと言わざるを得ません。特に過疎化が進む漁村では担い手問題は深刻で、若手漁業者が60代、70代というようなところも少なくありません。漁業者の子供たちは既に別の職業に就いており、担い手不足で多くの漁村が縮小再生産どころか、消滅に向かっているようにも見えます。 そのような状況の中、漁業用生産手段を供給する関連産業も撤退、廃業が続き、漁村にあった鉄工所や船大工など漁業者の身近に存在していた業者の廃業も著しくなっています。漁業を後方から支えてきた技術者の不足、メーカーの撤退が今漁業にどのような影響を及ぼすのか、考える機会があまりにも私自身少なかったように思います。 漁村では、担い手の減少や漁業所得減少などによって、潜在的には造船需要が拡大していたのにもかかわらず漁船建造需要は長期にわたり低迷をし続けました。その結果、漁業を下支えしてきた造船所や鉄工所の撤退が相次ぎ、漁船の供給力や修繕力が失われ、残った漁船の老朽化が進み、さらなる負のスパイラルに突入しています。 多くの漁民は、このままでは漁業は続けられないと将来不安を抱えていますが、この問題について県はどう向き合うのか、水産振興部長の答弁を求めます。 ◎水産振興部長(松村晃充君) お話にございました現状を把握するため、本年5月に地域で漁業者が利用しておられます25の造船所や鉄工所の聞き取り調査を行いました。その結果、多くの事業者において経営者の高齢化が進む中、意向が確認できた19事業者のおよそ6割の12事業者で、後継者がいないということが確認できました。 現在、それぞれの事業者に高知県事業承継・引継ぎ支援センターによるサポートの希望について確認を行っておるところで、その結果を踏まえ、関係機関と連携し、適切な支援につなげていきたいと考えております。 ○議長(明神健夫君) 以上をもって、橋本敏男君の質問は終わりました。 ここで10時45分まで休憩といたします。   午前10時41分休憩-----------------------------------   午前10時45分再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 武石利彦君の持ち時間は20分です。 27番武石利彦君。 ◆27番(武石利彦君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、順次質問をさせていただきます。 今、SDGs、地球温暖化防止ということで非常に森林の持つ多面的機能、もう世界が注目をしておる状況でございます。そこで、今回はグリーン化、特に森林環境保全とか、文字どおり緑についてちょっと質問させていただきたいというふうに思います。 本県は平成15年、全国に先駆けて県独自の森林環境税を導入いたしました。森林の有する公益的機能は地球温暖化の防止のみならず、水源涵養など国民のためにも広く貢献をしていただくものでありますことから、国もこの森林整備を促進しようということで、令和元年度より森林環境譲与税を地方自治体に交付することに至っておる次第でございます。これは、本県が全国に先駆けた県独自の森林環境税が国を動かしたという好事例だと言えるものだろうと私は認識をしています。 その県の森林環境税でございますが、本年度で20年の節目を迎えます。よって、本年度で4回目の課税期間が満了をいたすことになっております。よって、さらなる延長についての検討がなされているというふうに承知をしております。 そこで、まずこれまでの県の森林環境税の取組をどのように評価されておられるのか、知事に御所見をお聞きいたします。 ◎知事(濱田省司君) お話がございました本県の森林環境税は、全国に先駆けて平成15年度に創設をされたものでございます。この目的といたしましては、手入れ不足の人工林の水源涵養機能などを回復していくということ、また地方の課題を地方で解決するための独自財源を確保していくということ、この2つの観点からの検討を進めた結果、この導入に至ったものでございます。 議員のお話にもございましたように、県民の皆さんの理解と協力の下、この森林環境の保全を進める取組を展開してまいったものでございます。その後、この取組は全国に広がりまして、現在では37府県と横浜市で同様の税を措置しておりますし、議員からもお話がございましたように、こうした広がりが国の森林環境税、森林環境譲与税の制度の創設につながったというふうに理解をいたしております。 本県の森林環境税におきましては、制度創設以来、県内で実施をされました間伐の15%に当たります約2万5,000ヘクタールの間伐でございますとか、鹿の被害対策を実施してまいりました。こうした取組によりまして、人工林の整備の進展、あるいは苗木等への食害の軽減という成果を得まして、森林環境の保全にしっかりと貢献できているというふうに考えます。 加えまして、森林環境学習、森林保全ボランティア活動など、県民の皆さんの森林への理解と関わりを深め、広げる取組を実施してまいりまして、この制度創設以来、延べ31万人の多数の方に参加をいただいております。これによりまして、子供から大人まで県民の皆さんに、本県の森林率が全国一であるということ、そして森林の公益的機能を高めていくための森林整備の必要性といったことへの認識が進んだものというふうに考えます。また、この税を20年間継続する中で、小中学校で森林環境学習を受けた方、あるいは森林ボランティア活動を経験した方が、林業に興味を持っていただき、その後林業大学校に入校されたというような例もございます。 このように森林環境税は本県の森林環境の保全、あるいはこのための人づくりの進展に非常に大きな役割を果たしてきているというふうに考えております。 ◆27番(武石利彦君) 今御答弁にありましたように、本県の森林環境税は、単に森林の整備をするということだけではなくて非常に多様な使い方をされている、それが全国一の森林県の高知県たるゆえんということであるというふうに、私も高くこの取組を評価したいと思います。 そこで、知事の政策の大きな柱の一つでありますグリーン化を推進するためにも、この県の森林環境税は財源としての重要性が今後ますます高まるんだろうというふうに私は考えております。税の使途として、県民の皆様が植物に親しむ機会を増やし、植生についての理解を深められるような取組をさらに展開する、例えば街路樹など人口の多い都市部の緑化を推進する、また朝ドラ、連続テレビ小説らんまんによる全国的に知名度が高まるであろう牧野植物園の機能をさらに強化し、県民のみならず全国の多くの方々に植生に対する理解を深めていただくような取組を行う、このような意味でのグリーン化、地球温暖化防止に対する理解を深める取組を強化するための財源とも捉えるべきであると考えております。 今後の県の森林環境税について、このような観点による使途を視野に入れた検討をしてはどうかと考えますがいかがでしょうか、林業振興・環境部長に御所見をお聞きいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 来年度以降の県の森林環境税につきましては、納税いただく様々な分野を代表される方や学識経験者から成る、森林環境保全基金運営委員会において御意見を伺いながら検討を進めています。検討を進めるに当たっては、森林環境譲与税の財源となる国の森林環境税の徴収が令和6年度から開始されることを踏まえまして、県民の皆さんに御理解いただけるよう、両税の活用について使途のすみ分けをしていくことが必要だと考えています。 そのため、県の森林環境税では、県として広域的に行う普及啓発や鹿被害対策などの取組に重点を置いて活用する方向で検討しております。中でも森林環境学習など県民の皆さんの森林への理解と関心を高めるための取組を強化してまいりたいと考えています。 一方で、この税で行っていました間伐などは、森林整備を主目的とする譲与税の趣旨に鑑み、市町村にはそれぞれ配分される譲与税を活用していただくようお願いをしてまいりたいと考えています。 議員の御質問にありましたグリーン化や地球温暖化防止に対する理解を深めていく取組は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて大変重要な取組だと考えます。また、樹木を活用した緑化の取組は、緑と人との距離を縮め、県民の皆さんをはじめ多くの方々に森林への理解を深めることにもつながるものと考えております。 こうした取組を含めました使途の拡大につきましては、森林環境税の趣旨と照らし合わせて、県民の皆様に御理解がいただけるものであるかどうかといったことが重要となっております。このため、引き続き基金運営委員会の皆様の御意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと考えています。 ◆27番(武石利彦君) 本年度の県の予算編成方針を見ますと、知事の県政運営方針の3本柱でありますところのデジタル化、グリーン化、グローバル化、この観点に基づいて強化を図る事業につきましては、次世代施策推進枠が設けられております。 そこで、脱炭素社会の実現を目指すことを視野に入れ、居住空間や街路樹など、県土の緑化を推進する事業に対してこの推進枠の活用は考えられないでしょうか、総務部長に御所見をお聞きいたします。 ◎総務部長(徳重覚君) 次世代施策推進枠は、デジタル化、グリーン化、グローバル化の取組に予算を重点配分するため、1年前の令和4年度予算編成で新たに導入した仕組みでございます。具体的には、前年度予算から削減、見直しをした額の3倍までの要求を可能とする仕組みでございまして、各部局の積極的な提案を促すことを目的として導入したものでございます。現在検討中ではございますが、来年度、令和5年度予算の編成方針においても、このような考え方は重要であると考えております。 その上で、お尋ねの県土の緑化はCO2吸収源としての機能を有することに加え、良好な景観や快適な環境づくりの面で観光振興にも資するものだと考えております。そういった意味で、全国一の森林県らしさを感じることにもつながる、意義ある取組だと考えております。 令和5年度の予算編成方針はこれから発出していくことになりますけれども、現在の枠組みが継続すれば、次世代施策推進枠の活用につきまして脱炭素社会推進アクションプランにおいて都市緑化等に資する取組を推進していることから、グリーン化の位置づけでも可能と考えているところでございます。 ◆27番(武石利彦君) ぜひよろしくお願いいたします。 この県の森林環境税、これは私は継続すべきものだというふうに考えております。さらに本県ならではの有効な使途を見いだすことこそが、本県のあるべき姿ではないのかというふうに思っておりますが、この税を延長することについての知事の御所見をお聞きします。 ◎知事(濱田省司君) 先ほども申し上げましたとおりでございますが、これまでこの県の森林環境税は、本県の森林環境の保全、そしてこれに関わる人づくりの進展に大きな役割を果たしてまいったというふうに考えております。中でも、森林への理解と関わりを深め広げる取組は、これを継続していくということで県民の皆さんに根づいてくるものでありまして、この使途としてこうした事業を想定していくということについては、大きな意義を持つというふうに考えております。 これは、平成15年に定めましたこうち山の日の、県民一人一人が森の恵みに感謝をし守り育ててきた先人の努力に敬意を表し豊かな森を次代に引き継ぐ、こういった理念にも合致していると考えます。また、地球温暖化が進む中、2050年カーボンニュートラルの実現に向けましては、森林の持つ役割もさらに重視をされるということは言うまでもないと考えております。 こうしたことから、本県といたしましては、今まで以上に森林環境の保全に取り組んでいく必要があると考えており、そうした意味におきましてこの県の森林環境税の延長は不可欠ではないかというふうに思っているところでございます。 しかし、一方でこの課税を延長するということになりますので、これにつきましては県民の皆様の御理解がぜひとも必要でございます。現在、県民世論調査あるいは企業アンケートなどによりまして御意見をお伺いしているところでございますし、納税をいただく様々な分野を代表する方々あるいは学識経験者から成ります基金運営委員会を開催いたしまして、今後の税の在り方について今大詰めの御審議をいただいているという段階でございます。 議員からお話がございましたこの延長後の森林環境税におきます使途の拡大につきましては、この税の趣旨に照らしながら、しっかりと検討してまいりたいと考えておりまして、具体的な検討の場としては、基金運営委員会でも御審議をいただきたいと思っております。 この森林環境の保全に向けた取組を先導的に進めていくということが、全国一の森林率を誇りまして、全国に先駆けてこの森林環境税を導入した本県のあるべき姿だというふうに考えております。そのためにも、引き続き県民の皆さんの御理解をいただき、税の延長ができるということを心から願っているところでございます。 ◆27番(武石利彦君) 今、県民の皆様や企業にもアンケート調査をしているというふうに認識しておりますが、やはり全国に先駆けて導入したこの本県の森林環境税、これは非常に重要な位置づけだと思いますので、本県としてグリーン化に取り組むというような姿勢を打ち出すためにも、ぜひともしっかりと延長していただきたいというふうに思います。 そしてまた、税の使途につきましては、先ほどから申しますように牧野植物園の機能強化、これも重要な喫緊の課題、取り組むべき課題だというふうに思っております。 そういった観点から、らんまんの放送も近づいてきておりますが、磨き上げ整備事業、これに取り組んでおりますが、知事自らが牧野植物園に足を運んでいただいて、知事の視点で十分しっかりと磨き上げができているのか、課題がどうなのかということを検証していただきたいと思うんですが、知事の御所見をお聞きいたします。 ◎知事(濱田省司君) 私自身も牧野植物園には公務以外でも、年に数回はプライベートで妻と出かけたりということがございまして、その折に園内のいろいろな施設の状況などは確認をさせていただいております。 この牧野植物園の評価ということに関して言いますと、外部委員で構成をする事業評価委員会にこの評価をお願いいたしております。そうした中では、コロナ禍におきます園内散策動画を配信する、あるいは見どころの植物マップを作成する、さらには県内各地におきますフィールドワークを開催するといった、こういった取組につきまして、園の運営、教育普及などにおいて高い評価をいただいているところでございます。また、来園者数につきましても、今回の連続テレビ小説の放送決定などもございまして、回復の基調にあるということでございます。 また、お話がありましたように、現在平成29年度に策定をいたしました磨き上げ整備基本構想に基づく整備を行いまして、機能強化を図っているところでございます。具体的には、これまで新しい園地--こんこん山広場ですとか、ふむふむ広場でございますが--の整備や、展示館のシアターの整備を進めてまいっておりますし、植物園のスタッフがお勧めをする植物、あるいは牧野博士の業績につきまして多言語機能、音声案内機能で学べる、まきのQRガイドを導入いたしております。 さらに、研究機能の強化を図ります新研究棟の建築工事、あるいは駐車場の拡張整備も進めておりまして、今後南園の再整備ですとか長江圃場の高台移転などを進めまして、この構想を完成させていく予定といたしております。また、これ以外にも、博覧会に向けまして来園者の利便性・快適性向上という観点から、園内連絡路のバリアフリー化、駐車場情報の表示板設置なども行うこととしております。 今後、この博覧会のオープニングイベントですとか新研究棟のオープンなどに私自身出席をして、園を訪れる予定もございます。こうした節目節目におきまして、この構想の進捗状況をしっかりと確認してまいる考えであります。 ◆27番(武石利彦君) 今後も朝ドラ効果による一過性で終わらせることなく、牧野富太郎博士の大きな御功績を将来にわたり末永く発展的に維持をすべきだと思います。 そういった意味で、この牧野植物園の存在というのは非常に重要であるというふうに思いますが、牧野植物園の今後果たすべき役割や本県における位置づけについての御所見を最後に知事にお聞きいたします。 ◎知事(濱田省司君) この牧野植物園は、牧野博士を顕彰して開園をいたしまして、これまで植物の収集・保存、植物の研究、植物に関する教育普及活動、さらには憩いの場の提供といった役割を担ってまいりました。磨き上げ整備の基本構想では、こうした役割に県民の誇りの拠点、知の拠点、宝の人材を育成する拠点といった機能を充実させた植物園を目指すということといたしております。 こうした中、今回NHK朝ドラの放映を契機といたしまして博覧会を開催するということになりました。この植物園はメインエリアとしての集客機能を担うということになります。さらに、植物園を訪れた方々が博士にゆかりのある県内各地に足を運んでいただけるように誘導する役割、そうした拠点的な役割を持っていくということが期待されていると考えます。この博覧会後に向けましては、博士の知名度が高まるこの機を捉えまして、ファンを増やしリピーターを獲得する、そして将来にわたり本県の観光を牽引していく、そうした拠点としての役割が非常に大きくなるというふうに考えております。 研究面につきましては、産業振興にもつながるような研究、あるいはただいま議員からお話がありました緑化の取組にノウハウを生かしていけるというような研究の取組、こういったものも深めていくということも考えられると考えます。さらに、教育普及の面におきまして、博士の功績を次世代にしっかりと伝承していく、また学習プログラムの実施などによりまして次代の牧野博士が育っていけるように貢献できればいいと、ありがたいというふうに考えております。 こうした形で牧野植物園は観光をはじめといたしまして様々な面で本県の将来の発展に欠くことができない施設というふうに考えており、引き続き磨き上げ構想の整備などの機能強化に取り組んでまいります。 ◆27番(武石利彦君) ありがとうございました。以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、武石利彦君の質問は終わりました。 ここで11時10分まで休憩といたします。   午前11時5分休憩-----------------------------------   午前11時10分再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 上田貢太郎君の持ち時間は60分です。 6番上田貢太郎君。 ◆6番(上田貢太郎君) 自由民主党の上田貢太郎でございます。それでは、議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。執行部の皆様、よろしくお願いいたします。 最初に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてお伺いする予定でありましたが、さきの田所議員、西森議員の質問と重複するため、後遺症患者さんから直接伺った内容を皆さんにもお伝えし、御提案だけさせていただきます。 まず、高知市在住の看護師さんの事例ですが、全身に襲いくる倦怠感、疲労感により朝起きられない、短時間の家事や作業でも回復に時間がかかるなど、日常最低限の作業行動にも支障が及んでいるそうです。医師に相談しても、精神的なものではと理解されず、心療内科の受診を促されたり、医大からも診察を断られたそうです。現在は休職中ですが、職場からも、ずる休みではと疑われるのがつらいそうです。同様の症状で、洗濯物すら干せない知人の奥様もいます。また、結婚間もない男性は長期の休職が続き、社長の個人的救済で何とか生活を維持しています。後遺症患者さんはあらゆる面で孤立しております。 本県の累計の患者数は10万人を超え、後遺症の症状の重さ、軽さを問わないとなると、かなりの数になると推測されます。先日の朝日新聞の紙面では、後遺症の対応の地域差が問題だということでございましたが、後遺症を抱える方々が安心して生活ができるよう、後遺症の診療体制を強化し、その周知にしっかりと取り組んでいただくよう要請いたします。よろしくお願いいたします。 次に、観光振興についてお伺いいたします。 去る9月14日、WHOのテドロス事務局長が記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大の現状について、世界的な感染拡大を終わらせるのにこれほど有利な状況になったことはない、まだ到達はしていないが、終わりが視野に入ってきたと述べられました。 本県においても8月24日の2,027人をピークに、連日1,000人を超える感染者数が報告されておりましたが、9月に入り落ち着きを取り戻し、政府も10月11日より渡航者の受入れを大きく緩和することを発表いたしました。ようやくウイズコロナからアフターコロナの時代への光が見えてまいりました。 そこで、まずは高知を代表するよさこい祭りの今後の在り方について御質問いたします。よさこい祭りは、ここ10年間で大きく飛躍し、全国津々浦々で開催されるようになりました。その立て役者は、1992年に北海道札幌市で開催されたYOSAKOIソーラン祭り、そして2001年から開催されている原宿表参道元氣祭スーパーよさこいではと考えております。ところが、本家本元の高知のよさこいが様々な問題を抱えているのではという話が各方面から聞こえてきます。 そこで、私は、よさこい祭りの位置づけを市民祭から高知市民・県民祭にすることを、そろそろ考えないといけない時期に来ているのではと感じております。というのも、皆さんも御承知のとおり、よさこい祭りは、昭和25年に開催された南国高知産業大博覧会でよさこい踊りが披露され、昭和29年に高知商工会議所観光部会により第1回よさこい祭りが開催され、以来高知市民祭の位置づけで今年で69回を数えました。 しかし、参加チームの多くが、踊り子の減少でチーム運営が困難になりつつあります。特に、県外からの参加チームは、遠征にかかる旅費、宿泊費など踊り子個人が負担するコストを考えますと、高知で踊りたいが行けないが本音ではないでしょうか。また、追手筋を通過するチーム数を1日170チームに制限しており、例年の参加チームは200チームほどですが、約30チームが追手筋を通れていない。追手筋に入れないということは帯屋町にも入れていないということですが、その多くが県外チームだと聞いており、その不公平感も県外チームから聞かれるようです。 加えて、各競演場を運営する商店街も、組合員の減少で資金や人の問題を抱えております。現在まで、よさこい踊りは高知市とよさこい祭振興会、そして協賛企業の協賛金によって運営されてきましたが、そろそろ県民祭の位置づけで、県外チームに対する補助の拡大、各競演場の運営に対しても助成を行ってはとの声が出始めております。 過去にも一度、第21回大会で県民祭にしてはとの話があったように聞いております。しかし、その当時はまだいろいろと元気な祭りが各所にあって、何でよさこいだけとの反発もあり、足並みがそろわなかったと聞いております。そこから鑑みても、現在の市民祭の位置づけで多額の県費を投じることには他の市町村からの反発も予想されますから、県民祭としての位置づけを根拠に、県と高知市が協力して高知を代表する夏祭りを盛り上げ、発展させる必要があるのではないでしょうか。 そこで、よさこい祭りを県民祭にすると何が可能なのかという点について幾つかお伺いいたします。まず、県外や県下遠隔地からの参加チームの宿泊施設の問題に関しまして、本県の県有施設には、比較的高知市に近いところにも宿泊が可能な施設がございます。また、本来宿泊を目的としていないが、レンタル寝具などを持ち込めば宿泊が不可能ではない、例えば和室の会議室などの施設が複数あると考えます。そうした施設を、運営資金に困窮している県外チームなどに貸し出すことも可能かと考えます。 県民祭となったよさこい祭りのために、優先的にそうした施設を使用することは可能なのかどうか、観光振興部長にお伺いいたします。 ◎観光振興部長(山脇深君) お話がありましたように、比較的高知市に近いところに、例えば青少年センターのような宿泊機能も備えた公的施設が幾つかございます。これらの公的施設では、それぞれ施設を設置した目的に沿った形での利用がされておりまして、地域の方々あるいは県民の方も利用されている状況の中で、よさこいチームの利用を優先するというのはなかなか難しいのではないかとは思います。 ただ、その時期に予約もない状態で、そして施設利用の条件に沿ったような形でよさこいチームが利用するということであれば、宿泊は十分可能ではないかというふうに考えます。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 また、踊り子の移動手段である借り上げバスすら調達できないチームは、県外チームはもとより県内チームにもございます。そこで、高知市内で運行される公共交通機関に、競演場を結ぶシャトルバスの常時運行を要請してはと考えます。同社に対しては赤字補填支援も行っておりますから、祭り期間内での融通は不可能ではないと考えますが、個人的見解で結構です、中山間振興・交通部長の御所見をお聞かせください。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 仮に運行補助、補填をしている交通事業者に踊り子向けの無料シャトルバス、この運行をお願いするとしますと、その分運行経費がかさむ、つまり交通事業者への補填額がさらに増えるということになります。 このため、感覚としてではございますが、協調して支援している市や町の理解はなかなか得られにくいのではないかと考えております。ただ他方、路面電車につきましては、よさこい祭りの期間に合わせて、主に鏡川橋-知寄町間で臨時便を運行しておりますので、よさこいが本格的に再開した場合にこれを拡充することにつきましては、収入増も検討できますことから、検討が可能と考えております。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。 中山間振興・交通部は運輸事業も所管しておりますから、関係団体に働きかけ、よさこい鳴子踊りの特徴である流し踊りを継承するためにも、県外チーム対象の共同使用が可能な貸出地方車を各競演場に配置することも検討していただければと考えております。ただし、貸出地方車の利用には、最低踊り子数が何人など一定のルールも必要と考えますが、よろしくお願いをいたします。 次に、本部競演場の有料桟敷席について、昼の空席問題は過去の議会でも質問があり、執行部からは関係各所に改善を要請してまいりたいと考えている旨の発言があったと記憶していますが、今年も何ら変わっていなかったと思います。 よさこい祭りに深く関わる方にお話を伺いますと、高知の夏は暑いのに、あんな暑いところに観光客が日中何時間も座っておれるかえと言われましたが、全くそのとおりだと思います。 その方いわく、よう考えてみいや、よさこいは夜さ来いやないかと。よさこいも阿波踊りみたいに夜やったらええがよと。その代わり夜4日間の開催、そしたら地元の皆さんも昼は働いて夜見に来れるし、観光客も昼は観光して夜見に来ていただいたらええやんかということですが、そのとおりだと思います。JFLやJリーグも数年後からは選手の健康を考えて、夏の試合を全てナイターになることが決まりました。 よさこいも夕方からの4日間開催を実施すれば、さらに経済効果も高まると考えますが、観光振興部長の御所見をお聞かせください。 ◎観光振興部長(山脇深君) よさこい祭りを夕方から開催するということですと、日中の桟敷席の空席問題を解消するという点では効果があると思います。一方で、本部競演場で踊りを披露できる時間が短くなることから、チームの踊る機会が減少するといった課題も出てまいります。 また、2日間の本祭と前夜祭、全国大会、後夜祭で構成されております今の4日間というこれまでのスキーム、これにさらに本祭の日数を増やしていくということになりますと、演舞場をはじめ運営に関わっておられる多くの関係者はもとより、参加チームなどにもやはり相当な負担も生じさせるのではないかということも懸念をいたします。 ただ、桟敷席の昼間の空席問題につきましては、これは解決しなければならない課題でありまして、桟敷席を運営する高知市観光協会に対してこれまでも改善をお願いしてきたところです。今後、例えば桟敷席への昼の入場については、短時間での入替え制にしてはどうかとか、利用率をできるだけ上げていく具体的な方策について引き続き提案もし、要請を継続していきたいというふうに思います。 ◆6番(上田貢太郎君) 4日間の開催となると、県外チームなど遠征組は宿泊費など経費がかさむという意見も確かにあります。しかし、よさこいは今現在も2日間出ないといけないというルールはなく、銀行も1日ですし、チームの自己判断に任せるというのがよさこいですので、そこはチームの判断でいいと思います。ぜひ関係者の皆さんでそういったことも御検討いただければというふうに思います。 長くなりますので、よさこい祭りの質問はこれを最後にしますが、県市の職員や県民の皆さんは、よさこい祭りの経済波及効果が約100億円であることを認識しているのでしょうか。よさこいは、観光、宿泊、飲食、美容、土産物の生産・販売など関わる業種の裾野が広く、チームの練習が始まれば自動販売機の飲料水も売り切れるなど、経済波及効果は100億円、しかし取組次第ではまだまだ伸びる祭りです。そういうこともあって、県を挙げておもてなしをしていくべきではないかと思います。 来年のよさこい祭りは第70回で、高知市民祭の節目の年であります。その節目をきっかけに、多くの県民が何らかの形で参加できるような、人と人とのつながりが感じられる、そんなよさこい祭りを目指して、高知市を含め関係各所と話し合い、第71回から高知市と県が協働で取り組む高知市民・県民祭にしてリスタートしてはいかがでしょうか。そうしたら、よさこい国際大会も夢ではなくなると考えます。 過去には、多国籍による国際混成チームの参加もありましたが、国際大会と言える参加はまだで、世界に向けての発信とインバウンドとしてのよさこいプロモーションもこれからは必要ではと考えます。 そのためにも、ぜひよさこい祭りの位置づけを高知市民・県民祭にできないものかと知事にお願いしたく、御所見をお聞かせください。 ◎知事(濱田省司君) よさこい祭りは、議員からもお話がございましたように、戦後高知市民の健康と繁栄、商店街振興の促進を目的に始まりまして、多くの関係者の皆様の御努力によって70年近く開催を重ねてまいった歴史を持つものであります。また、祭りの形態はよさこい祭振興会を運営いたします高知商工会議所や、競演場、演舞場を運営する商店街の皆様、そして高知市や高知市観光協会など多くの関係者の御苦労によって成り立ち、現在に至っているということでございます。 県民祭という位置づけを加えてはどうかという御質問でございますが、平成26年頃ある意味こういった趣旨におきまして、この法人化の議論がよさこいに関してもされたというふうに承知をしております。趣旨としては、県も関与をして基盤を強化する、そのための要は受皿として法人をつくっていくということを考えてはどうかという構想もあったようでございますが、お聞きしているところでございますと、現に現場で運営に携わってこられた商店街の方々などが、もう一度やはり地域中心での運営、やり方を継続したいというような御意見があり、この構想の導入は、この時点では見送りになったというような経緯があるというふうにお聞きしております。 こうしたことを考えますと、祭りの仕組みに関しては、改善は加えながらも今の形で継続をしていくということが、現状特に現場で御苦労いただいている方々も含めたコンセンサスがなかなか難しいという中では、望ましいのではないかというふうに考えております。 県といたしましては、このよさこい祭りの継承、発展に向けまして、できる限りバックアップをしていくということ、特に県外、国内外の県外への情報発信ということを強力に進める部分を主として担当していくという形で、必要な役割分担もしながら、一体となって祭りを盛り上げていくという考え方で対応したいと考えております。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。 よさこいは、既に海外34の国や地域で踊られています。例えば、市民、県民から広く踊り子を募り、今回のよさこい8のように、チームの垣根を越えたセミプロのよさこいアンバサダーチームを公設民営で運営し、高知県の顔として、札幌、原宿はもとより、台湾をはじめ海外にも派遣して、国内観光客の誘致やインバウンド戦略に組み込んではいかがでしょうか。そして、我々も議員連盟を立ち上げるなどして、県議会としてもよさこい祭りを盛り上げていきたいと考えておりますので、ぜひ先輩・同僚議員の皆様にも熟考願いたく、お願いをいたします。 それでは次に、高知龍馬空港の国内外旅行者の受入れについてお伺いいたします。皆さんも御存じのように、コロナ収束後に行ってみたい国ランキングでは、日本は堂々の1位で、このところの円安により、さらに日本旅行への注目が高まっております。制限中の現在でも、コロナ以前をほうふつとさせる外国人客の爆買いやグルメ、文化、自然を目的とした観光旅行が過日の情報番組の特集で取り上げられておりました。 本県におきましては、昨年公開の竜とそばかすの姫が本県を舞台として描かれ、何と世界108か国で上映され、コロナが収まれば、そのファンは聖地巡礼の旅で必ず高知にやってきます。また、来年春にはNHK朝の連続ドラマ、らんまんが始まりますし、桂浜公園のリニューアルもらんまんの放送と同時期に完成が予定されております。 さらに、2021年11月に発表された、世界的に人気の旅行ガイド本、ロンリープラネットによりますと、2022年お勧め旅行先地域部門で第6位に四国が選出され、プレスリリースでは、四国について、あまり知られていない日本の宝とまで表現されております。そうしたことからも、国内旅行者の増大、インバウンドともに大きく期待ができるものと考えられます。 そこで、何とかこれを機に高知への人の流れをつくっていかなければなりません。現在、高知-神戸間が1日1往復、高知-成田間が1日1往復となっております。休止が発表された際、関西空港便に関しては、コロナの収束後改めて運航継続ができるかを検討するとの発言もありますし、令和6年春には大阪の梅田に本県のアンテナショップの開業が予定されております。濱田知事が就任以来取り組んできた関西圏との経済連携の強化を図る上で、何としても復活しなければならないのは、関西空港便ではないでしょうか。 安く気軽に高知へ来てもらうためのLCC関西空港便の再誘致が必要ではないかと考えますが、中山間振興・交通部長にお伺いいたします。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 御指摘のとおり、関西空港路線は、関西圏との経済連携を図るため、また大阪・関西万博や大阪IRを契機に関西を訪れた観光客の方を本県に誘客するためにも、重要な路線であると考えております。 また、先月には関西、伊丹、神戸の3空港の体制を官民で議論する関西3空港懇談会というのが開催されましたが、この中で関西空港及び神戸空港の発着回数の上限拡大、並びに神戸空港の国際化についても合意がなされました。こうしたことを踏まえますと、関西空港路線の再開はもとよりでございますが、神戸路線につきましてもさらなる利活用を図る必要があると考えております。 しかしながら、この関西空港路線及び神戸路線につきましては、現在搭乗率の低迷を理由に休止、減便されておりまして、これらの路線の再開あるいは拡充のためには、まず関西圏と高知の間の移動需要をさらに拡大していくことが必要となります。このため、若者やファミリー層に人気のあります自然・体験型の旅行商品の創出、あるいは訪日外国人の誘致に向けたモデルコースづくりなどに取り組むとともに、関西と本県の間の需要拡大の可能性、これを航空会社の方に改めて強く訴え、働きかけを強めることで、路線の拡充、誘致につなげてまいりたいと考えております。 ◆6番(上田貢太郎君) よろしくお願いいたします。 また、一層のインバウンド戦略が必要であることから、高知龍馬空港への国内外旅行者の受入れを進め、国際線のターミナル建設も再開につなげていくべきと考えますが、中山間振興・交通部長にお伺いいたします。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 国際線ターミナル建設の再開に当たりましては、アフターコロナを見据えまして、改めて経済波及効果、あるいは旅客需要の変動リスクなども考慮した上で、ターミナルビルの機能あるいは規模について検討を行う必要があると考えております。 このうち足元の旅客需要でございますが、国内線では高知龍馬空港の8月の旅客数がコロナ前の7割余りまで回復しております。さらなる需要回復を図るため、航空会社と連携した利用促進策を県としても進めており、強化しているところでございます。 また、国際線について申し上げますと、政府が10月1日から準備が整い次第、全ての空港で国際線の受入れを再開するとの方針を発表いたしました。現在、県では、高知龍馬空港の課題となります検疫体制の整備などに向けまして、関係機関との調整を加速しているところでございます。 こうした需要拡大の取組あるいは受入れ体制の整備の取組を進めながら、引き続き国内外の入国制限の緩和に伴う需要回復動向を注視し、また海外の航空会社の御意向もお伺いしながら、加えて必要な整備期間も踏まえた上でタイミングを逸することがないよう、再開に向けた検討を進めたいと考えておりまして、年内をめどに検討会を開催し、ターミナルビルの機能や規模、整備再開の時期などについて改めて議論を進めてまいりたいと考えております。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。よろしくお願いします。 知事の提案説明の中でも、インバウンド観光についてはシンガポールや台湾など各国から既に問合せが来ているということでございますので、こうした流れをぜひ本県にしっかり取り込んで国際線ターミナル建設の再開につなげてまいりたいと思います。 それでは次に、高知市に建設されている新食肉センターについてお伺いいたします。 食肉センターは、川上である畜産農家から加工・流通業者、消費者といった川中、川下までの取組を好循環させ、拡大再生産につなげていく役割を担う重要な施設であります。新食肉センターについては、平成28年に高知県新食肉センター整備検討会を設置し、計7回にわたる会議において議論を重ね、平成30年3月7日に新食肉センター整備の基本方針への意見が取りまとめられ、牛メインの施設として整備が進められております。 県としても、本年度を含め総額約13億円の補助金を投じて、新食肉センターの整備を進めているとのことですが、現在の食肉センター公社の関係者に伺いますと、附帯設備を含めた総予算がいまだに確定しておらず今後も膨れる可能性もあると伺いました。 そこで、まず新食肉センターの施設整備の進捗状況について農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 新食肉センターは、現施設を稼働させながら、現在地の空きスペースに建設中でございます。進捗状況は、まず第1期工事として、汚水処理施設や緊急棟などの関連施設の建設工事を令和2年12月に着手し、本年3月末に完成しております。その後、2期工事として牛の屠畜や加工処理を行う本体棟の建設工事を昨年11月に着手し、これまでに基礎や鉄骨工事が完了し、現在床や屋根、外壁の工事を進めているところでございます。令和5年3月の完成に向けまして工事は順調に進んでいることと認識しております。 ◆6番(上田貢太郎君) 新食肉センターは、県とJAグループ、高知県食肉事業協同組合連合会が出資し設立した高知県食肉センター株式会社が運営を担い、屠畜や競り、部分肉加工、卸売などの幅広い事業を一気通貫で取り組むこととしており、令和5年4月からの操業開始を予定しているとのことですが、しかし新会社と協力関係にある一企業に大きな負担を強いる形での操業計画ではないかと思える節も聞かれます。 新食肉センターの操業開始に向け、しっかりと準備を進めていただきたいと思いますが、現在の取組状況について農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 平成30年度に新食肉センターの経営計画の基になります運営シミュレーションを作成しまして、これまで随時時点修正や見直しなどを行ってまいりました。また、現在は経営コンサルタントや県も参画した経営会議を月1回以上開催し、運営シミュレーションに基づく各種事業の具体的な実行策や、操業開始までに解決しなければならない課題への対応などのアクションプランを作成し、鋭意検討協議を行うなど、来年4月からの操業開始に向けて準備を進めているところでございます。引き続き、県としましても円滑に操業が開始できるよう、経営会議等の協議に参画し、しっかりと支援を行ってまいります。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。多くの県費を投じておりますので、新会社にはしっかりとした経営の安定をお願いしたいと思います。 次に、食肉センターでの豚の取扱いについてお伺いいたします。先ほど申し上げましたとおり、新食肉センターは牛メインの施設として整備が進められています。このため豚については、骨折などにより緊急的に屠畜する必要がある場合のみ緊急棟で屠畜し、それ以外は屠畜を行わないことになっております。さらに、現在の高知県広域食肉センターでは、工事の進捗に伴い豚の屠畜の受入れが縮小されていると聞いており、これまで高知市で豚の屠畜を行っていた農家など、利用者の方々にとっては様々な影響が生じているのではないかと思います。 そこで、まず高知市の現在の食肉センターにおける昨年度の豚の屠畜頭数について農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 昨年度は5,252頭の豚の屠畜を行っております。 ◆6番(上田貢太郎君) では、現在の食肉センターでは、いつから豚の屠畜の受入れが縮小されているのか、農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 現施設に隣接して建設している本体棟の工事に伴いまして、現施設で加工した食肉を出荷する2か所の出口のうち1か所が使用できなくなるため、当初の計画では、施設内の出荷動線を工夫することで出荷することが可能ではないかと判断しておりました。しかし、その後JAや食肉事業協同組合などの関係者が、高知市食肉衛生検査所の助言も得ながら改めて検討した結果、施設内の出荷動線の一部で衛生管理上の問題があることが分かったため、加工を伴う豚の屠畜の受入れを中止することを決定いたしました。 これによりまして、本年4月から受入れを縮小し、昨年度の約9割に当たる豚の屠畜は、現在四万十市の食肉センターなどで行われております。 ◆6番(上田貢太郎君) そうしましたら、現在の食肉センターの廃止によって、高知市で豚の屠畜ができなくなることにより、利用者はほかの食肉センターへ移らなければなりません。 これまで高知市で豚の屠畜を行ってきた利用者は、今後どこで豚の屠畜をすることとなるのか、農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 昨年度に豚の屠畜をしていた9者のうち、5者の方は既に本年4月から四万十市や県外の食肉センターで屠畜をしております。また、1戸の畜産農家の方は、一身上の都合により令和3年に廃業されたと聞いております。 残る3者の方については、現時点では受入先は決まっておりませんが、現施設の利用者の豚を取り扱っているJAが利用者と他の食肉センターとの間に入って、受入れの調整を行っているところでございます。今後、調整が整えば、残り3者の受入先が決まる見込みでございます。 ◆6番(上田貢太郎君) では、その利用者が現在の食肉センターより遠くになる、他の食肉センターへ移るとなれば、輸送距離が伸び、輸送に係る経費の負担が増加するなどの影響が生じることとなります。 そこで、他の食肉センターでの屠畜になることに対し、県はこれまで利用者からどのような声を聞いているのか、農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 県では、高知市の食肉センターで豚の屠畜ができなくなることへの影響を把握するため、昨年8月に畜産試験場と、廃業された畜産農家を除く7者の利用者にアンケート調査を実施しました。このアンケートでは、四万十市の食肉センターへ輸送する場合の方法や頻度、四万十市へ出荷する際に必要な対応策などについてお伺いしました。利用者の声としては、主に輸送費等への支援や1回当たりの屠畜頭数、希望する搬入日など、四万十市の食肉センターを利用するに当たっての条件に関する要望がございました。 ◆6番(上田貢太郎君) では、そうした利用者の声に対し県はこれまでどのような対応をしてきたのか、農業振興部長にお伺いいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) まず、輸送費支援の要望につきましては、県では今年度から家畜輸送支援事業費補助金を設けまして、豚の屠畜を四万十市の食肉センターへ変更することにより増加する輸送コストへの支援を行っております。また、四万十市の食肉センターを利用するに当たっての要望については、これまでJAと連携して、四万十市及び当センターの関係事業者との協議の場を設けるなど、受入れの要請を行ってきました。 しかしながら、四万十市の食肉センターでは、基本的には豚の屠畜を受け入れる考えではございますが、センターの現状としまして、現在でも豚の屠畜数が多く、既に施設の処理能力の限界に近づいているため、新たな豚の受入れには1回当たりの受入れ頭数の平準化や、搬入回数を調整しなければならないといった課題がございます。県としましては、引き続き利用者の意向をお聞きしながら、JAとも連携して対応に努めてまいります。 ◆6番(上田貢太郎君) 新食肉センター計画の発端は、現屠畜施設の老朽化と、土佐あかうしの地産外商の推進から進められたと聞いております。そして、施設に多くの県費を投じる目的には、土佐あかうしのブランド化、生産者の育成や後継者問題、食肉の輸出も見据えた食の安全性の確保などがあったのではと考えます。 新食肉センターが計画の目的に沿った、よりよい施設になることを大いに期待するところでありますが、ただそうした中において、これまで食肉センターを利用していた加工・流通業者の一部業務を、新しい会社である高知県食肉センター株式会社が担うという話を聞きました。そのため、これまで業務を担ってきた業者は、収入の減少と併せて負担の拡大が予想されるとのことで、新センターへの入居の断念や、廃業も視野に入れた事業計画を練らなければならないと聞いております。そうなると、もうそもそも誰のための新食肉センターなのかと考えてしまいます。 現在のセンターの利用者も、これまで高知県の畜産振興を担ってこられた方々です。そういった方々が今後も安心して事業を継続できるよう、県としてのできる限りの支援を行うよう、農業振興部長に強く要請をいたします。よろしくお願いをいたします。 次に、空き家対策など不動産関連についてお伺いいたします。 平成27年2月に施行された空家等対策の推進に関する特別措置法は、空き家などが防災面、衛生面、景観など地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすようになったため施行された法律です。その特措法によって、立入調査や、所有者等の把握のために固定資産税情報の内部利用などが可能になり、特定の空き家に対しては指導や勧告、さらには強制執行が可能になるなど、生活環境の改善には一定の役割を果たすことができるようになりました。 片や、空き家の活用という面ではまだまだ取り組む余地があると考えております。中でも古い空き家の有効活用においての最大の問題が、持ち主にたどり着くことができない、持ち主の今後の意思確認が取れていないことです。 一部自治体においては既に独自の取組があることは承知しておりますが、固定資産税情報の内部利用などが可能になっております今、市町村が所有者等に対して、当該家屋の売却や貸す意思の有無を書面などで確認し、それを必要に応じて民間の協力を得て活用していく、こういった取組を県下で進めていく必要があると私は考えます。 県住宅課の高知県空き家再生・活用促進専門家グループのサイトを見させていただきました。私の感覚では、登録されている30ほどのグループは、空き家情報の収集より、空き家再生・リフォームを主目的にした専門家グループのように見受けられますが、これまでに一定の活動と実績は積み重ねてこられたと考えます。また、県は今年度から住宅課に空き家対策チームを新設し、補助金事業などのハード面だけでなく、空き家相談窓口を開設するなどソフト面も強化していくと聞いています。 そこで、まず県の空き家相談窓口の開設から、これまでの相談件数を教えていただけますでしょうか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 今年7月19日に開設いたしました空き家相談窓口におきましては、9月末までのおよそ2か月半で209件の相談が寄せられているところでございます。月別に見ますと、7月は76件、8月も76件、9月は、速報値ではございますが、57件となっております。相談窓口の開設に当たり、他県の状況などを参考にして事前に想定しておりました相談件数は、年間約200件程度でございましたので、これを大幅に上回るペースとなっているところでございます。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。 空き家問題のサイトには、高知県の空き家率は全国ワースト1位と大きく書かれ、空き家は県内で毎年2,000戸のペースで増加しており、今後もどんどん増えてくることが予想されますとも書かれておりました。公益社団法人高知県宅地建物取引業協会では、協会メンバーや顧問弁護士を含めた延べ二十数名で、毎週無料相談が行われています。そこに寄せられる空き家相談の多くは、売りたい、貸したい、壊したいが大半だそうです。 今の空き家再生・活用促進専門家グループで行う建物リフォーム中心の空き家対策の在り方では、空き家増加に歯止めはかけられないと考えます。県も御承知だと思いますが、南国市では先進的な空き家対策の実施を始めていますし、四万十市も同様の動きを見せ始めていると伺っております。 本県には2つの宅地建物取引業団体がございますが、これら団体と市町村との連携で空き家の情報を活用し、流通を促進する必要があると考えますが、土木部長の御所見をお聞かせください。 ◎土木部長(荻野宏之君) 議員の御指摘のとおり、南国市では、所有者の同意を得られた空き家情報を宅地建物取引業団体に提供する取組が進められてございます。また、今年度四万十市でも同様の取組を始めるに当たり、関係団体などと共に県もその仕組みづくりに関わっているところでございます。 県といたしましては、このような先進的な取組事例を担当者説明会の場などを通じて全市町村に広く情報共有していくことで、空き家流通の促進につなげてまいりたいと考えてございます。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。宅建団体も本腰を入れたいようですから、求められる情報の橋渡しを速やかに実施してあげていただきますよう、よろしくお願いをいたします。 次に、省エネルギー住宅の普及に向けた新規助成金制度の創設について要請させていただきます。2021年のウッドショック、ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー資源不足、新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な半導体の供給不足によって生じた住宅用の設備機器類の納期遅延、急激な円安による輸入コストの上昇など、複合的な要因により、一般的な新築住宅、30坪程度の価格が1棟当たり約300万円から350万円ほど上昇しております。また、生活必需品を含む消費者物価も急激なインフレが進んでおりますが、対して消費者の所得は横ばいで上昇は見込めません。特に、建築資材の値上がりは著しく、今後も高止まりが予想され、今後の新規住宅需要は急速に減少すると予想されます。 皆さんも御承知のとおり、住宅建築には30種を超える関連業種が携わり、国の基幹産業でもある住宅産業を衰退させないために、本県独自の新たな助成金制度を創設してはと提案いたします。具体的には、一定の省エネ性能を有する持家の新築住宅購入者に対して、国のこどもみらい住宅支援事業などとも併用できる、もしくは単独で使える高知県の新規助成金制度、1戸当たり50万円、年間1,000棟分を助成する事業創設です。こどもみらい住宅支援事業には様々な条件があり、特に申請時の年齢制限には不平等感を感じておられる方も少なくありません。しかし、省エネ住宅の普及は、国としても本県としても取り組まなければならない課題です。 若い世代は、こどもみらい住宅支援事業と併用できる、それ以外の省エネ住宅を望まれる全ての県民を対象とした、例えて言うなら、高知県省エネ住宅支援事業です。その事業の創設をぜひ御検討いただきますよう要請をいたします。 この問題は、先頃来高された鈴木財務大臣に、本県宅建協会から申出が行われ、前向きな御意見をいただけたそうでございます。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、使用に対する自由度が高いと聞いております。ぜひそうした財源の利用も視野に入れ、御検討いただければと思います。お願いをいたします。 次に、市街化調整区域における地区計画についてお伺いいたします。東日本大震災の教訓を踏まえ、平成25年に南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法が改正されて以来、津波避難対策緊急事業計画に基づき、命を守るための津波避難タワーの建設は一定進みましたが、津波浸水予測地域において、民間の事業所の移転があまり進んでいないのではないかと感じております。 本県の経済を支える多くの産業の事業所が立地している高知市では、市街化区域の約39%、1,975ヘクタールが津波浸水区域になると予想されております。事業所の移転については潜在的な要望が非常に多いことから、事業者さんにお話を伺ってみますと、移転に関しては資金的な課題もあるが、それ以上に行政の許認可の煩雑さがあり迅速にいかないというお返事でした。 事業者さんとしては、震災時において各種支援を行うため、また早期の事業再開を目指すため、津波浸水区域外への移転を目指しておりますが、移転先の候補地のめどがついたとしても、行政の許可を得るために、長いものでは4年から5年かかり、多くの時間と労力を費やさなければならないとのことです。そして、その移転先としては、当然津波浸水区域外であって、環境や景観、近隣との関係性などから、市街化区域のみならず、農地を含む市街化調整区域にも視野に入れざるを得ない状況とのことです。 市街化調整区域は市街化を抑制する区域ですので、基本的には開発ができない区域となりますが、市街化調整区域であっても、市街化調整区域の性格を変えない範囲であれば、都市計画法における地区計画を市町村が定めることにより開発が可能となります。 この地区計画の手続について土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) お尋ねのありました地区計画の主な手続につきましては、まず事業者が市町村に移転計画の相談を行い、助言を受けながら、県または高知市の基準に沿った地区計画の案の作成をいたします。その後、市町村は、作成した地区計画の案につきまして、住民の意見を聞いた上で都市計画審議会に諮り、県との協議を経た上で地区計画の都市計画決定を行うこととなってございます。 ◆6番(上田貢太郎君) 先ほども申し上げましたが、事業者さんのお話では、移転先の候補地にめどがついたとしても、行政の許可を得るために、長いもので四、五年かかるとのことでした。 この実態についてどのように認識しているのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 市町村への聞き取りによりますと、事業者が地区計画の案を作成する中で、計画区域内の土地の所有者や排水に関する関係機関の同意、農用地区域からの除外等の手続に数年を要していたケースもございます。都市計画法に基づく手続自体は、地区計画の案の作成後約3か月となっておりまして、この期間は妥当であると考えてございます。 ◆6番(上田貢太郎君) 過去には、農用地区域からの除外の手続で、ある自治体では2年分、80件もの書類が留め置かれたこともありました。これ、とんでもないことなんですけれども、県職員が応援に出向いた事例もあったようです。令和4年3月、県から市町村宛てに事務手続などの迅速化を図るための通知がされたとのことですので、県としても速やかな事務処理に御留意願いたいと考えます。 また、9月13日の高知新聞の記事で、高知大学、岡村教授が長年提唱してきた超巨大津波が現実味を帯び、現在の想定を上回るエリアの浸水が予想される今、移転を望まれている事業者さんが迅速に移転できるよう、何らかの対応が必要ではないかと考えますので、県が市町村と連携の上、移転に係る手続の迅速化に取り組んでいただきますようお願いをいたします。 次に、外国人材についてお伺いいたします。 高知県の人口は、ここ5年間だけを見ても、毎年マイナス1.0%から1.1%の減少を見せております。人口は確実に減少しており、とても移住促進だけでは事足りませんが、県内大学の卒業生をとどめるだけでもたくさんの若者が高知で働き、活動することになります。 そこで、今回私は、若い世代として技能実習生や留学生にスポットを当てたいと思いますが、外国人留学生は政府としても我が国の教育・研究分野や外交において重要な存在と位置づけており、平成20年には留学生30万人計画が策定され、去る8月29日には岸田総理が永岡文部科学大臣に対して、年間30万人の外国人留学生の受入れを目指す目標を抜本的に見直し、さらに留学生を増やすための新たな計画を策定するよう指示されました。 高知県における在留外国人数は全国的に見ても低位にとどまっているようですが、以前にも御質問させていただいたとおり、県経済を拡大させていくためには、外国人材の受入れ対策も幅広く強化していく必要があります。 例えば、明徳義塾中学・高等学校では日本語コースを設け、積極的に諸外国や海外の姉妹校からの留学生を受け入れております。また、専門学校では龍馬学園が日本語学科を設け、外国人が日本で就職するためのサポートを行っております。高知大学ではJICA--国際協力機構と連携し、ここ五、六年の間に26のコース、79の国・地域から延べ361名、海外からの研修受講生を集めています。こういった取組を支援し、サポートしていくべきではないでしょうか。 また、高知県内での就職を希望する留学生に対しては、他県の取組などを調査した上で奨学金、貸与でも給付でもいいでしょう、そうした経済面でのサポートを組み込めば、大きなインセンティブとなり、希望者も増えるのではないかと思います。 積極的に外国人や留学生を受け入れる機関に対する支援、そして就学後を見据えた留学生に対しての支援についての見解を文化生活スポーツ部長にお伺いいたします。 ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 外国人留学生を受け入れる高等学校や専門学校などの教育機関に対します当該受入れに着目した支援につきましては、現在のところ国においても制度がない状況であると承知をしております。また、外国人留学生個人に対する支援につきましても、高校生の場合には高等学校等就学支援金といった制度がありますものの、専門学校生などに対する支援制度はない状況であると承知しているところであります。 他方で、議員のお話にもございましたように、県内には積極的に外国人留学生を受け入れている高等学校や専門学校があることなども踏まえまして、他県における支援の取組を調査するなど、今後研究してまいりたいと考えております。 ◆6番(上田貢太郎君) 企業、団体とも連携し、期限就労条件がついた給付型奨学金も有効な手段ではと考えます。ぜひ人口自然減、高齢化が進む高知県において、外国人が参画する社会を抜きにして将来を語ることはできないということを前提に、取組を進めていただきますようお願いいたします。 それでは、最後に次世代自動車についてお伺いいたします。 濱田知事が2020年12月の県議会において宣言された2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、本年3月には高知県脱炭素社会推進アクションプランが策定されました。その重点施策の一つに、県民や事業者への次世代自動車の普及促進に向けた啓発という項目があります。 これは、県民、事業者の皆さんの御協力を得て、高知県内における電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車の保有台数を増やしていこうとするものです。KPIとして、2020年度5万602台であったものを2023年度には6万2,000台に、2030年度には33万1,960台にという指標が明記されております。 2030年度の保有台数の目標達成に向けた林業振興・環境部長の御所見をお伺いいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 直近の本年8月時点の次世代自動車の保有台数は5万7,407台となっています。自動車の販売台数に対する次世代自動車の比率は徐々に高まってきており、2023年度の目標である6万2,000台の達成は可能かと考えています。2030年度の目標は高い目標ではありますが、県民の皆さんの脱炭素への意識が高まれば、決して達成できない目標ではないと思います。 県としましては、国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金、いわゆるCEV補助金などの支援制度の紹介や、次世代自動車のメリットなどの情報発信などを積極的に行い、その達成を目指してまいります。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございます。 次に、環境に優しいクリーンエネルギー自動車への補助金、CEV補助金ですが、高知県のカーボンニュートラル実現に向けて、間違いなく大きな追い風になります。 ところが、補助事業の実務を担う一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認したところ、9月26日時点で予算残高が約87億円、終了見込み時期は10月末めどとなっております。令和4年度の補助金が打ち切られた場合、補正予算の成立を待たなければなりませんが、成立時期によっては補助金がつかない空白期間が生じることになります。 カーボンニュートラルを目指そうとする高知県において、県民の力強い協力が得られる車両の電動化に向けての大きなインセンティブとなるCEV補助金です。 ぜひカーボンニュートラルという大きな目標達成のために、CEV補助金について空白期間が生じることのないよう、継続的な予算措置をお願いしていただきたいと思いますが、林業振興・環境部長に御所見をお伺いいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) CEV補助金の早期終了が見込まれるということは、県民、国民の皆さんの脱炭素の意識の高まりによる次世代自動車への転換ニーズの多さの表れだと考えております。 今後こうした流れを加速させていくためにも重要な支援策でございますので、国に対しましては切れ目なく十分な予算措置がなされるよう働きかけてまいります。また、予算枠の満了から次の予算が活用できるまでに空白の期間が生じたとしても、補助金を利用できなくなるなどの混乱が起きないよう、運用面での配慮なども併せて働きかけてまいります。 ◆6番(上田貢太郎君) ありがとうございました。 以上で全ての質問が終わりましたが、最後に、武漢から始まったこの新型コロナパンデミックの広がりは、もう間もなく3年になります。この3年で世界や本県が被った様々な経済被害は計り知れません。今議会は、アフターコロナ時代に向けて何を行うべきかを問わせていただきました。官民一丸となって一日も早い冷え切った経済の立て直しに全力を尽くしたいと考えております。 以上で、全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、上田貢太郎君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。   午後0時6分休憩-----------------------------------   午後1時10分再開 ○副議長(西内隆純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 金岡佳時君の持ち時間は50分です。 8番金岡佳時君。 ◆8番(金岡佳時君) 議長の指名をいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 来年、早明浦ダムが完成をいたしまして50年を迎えます。ダム建設には必ず多くの問題がありますが、早明浦ダムは、ダム建設に伴って起こる問題全てを抱えたダムと言っても過言ではないと思えるダムであります。そして、その問題の多くは解決されることなく現代に至っております。早明浦ダムの生い立ちや現在も残る問題について風化させないために、そして濱田知事の掲げる共感と前進、SDGsにある誰一人取り残さないという言葉を信じまして、この問題について質問をいたします。 早明浦ダムは昭和13年から調査を始められ、昭和23年から国策プロジェクト、吉野川総合開発計画の検討に入り、昭和35年に四国地方開発促進法制定、同年7月に四国地方開発審議会設置、昭和37年に審議会の中に吉野川総合開発部会が設けられ、検討が重ねられました。昭和41年6月に開かれた第4回部会で最終案を承認し、各県の議会もこれに賛成の意を表明することとなり、吉野川総合開発計画の決定を見ることになりました。 その計画の中核となる早明浦ダムは1年後、水資源開発公団により工事が始められました。四国4県は犠牲となった嶺北地域に思いをはせることなく、いかにこの事業に乗じて、それぞれの県の課題解決をしていくかだけを考えていたのではないかと思われます。徳島に橋を、香川、愛媛に水を、高知には道路をというスローガンを掲げた知事もいたように伝えられておりますが、まさに当時の各県の事情を言い得ているのではないでしょうか。早明浦ダムがつくり出した年間利水量の配分は、徳島が48%、香川が29%、愛媛が19%、高知は僅か4%であります。それでもダムの建設の見返りとして県民体育館・文化ホールなどの建築、国道55号、56号の全面改築、浦戸大橋の架橋を実現させるなど、いろいろな面で早明浦ダム建設を利用しています。 それに対し大川村では8集落、164世帯、当時土佐村では11集落、153世帯、本山町では2世帯が水没し、約2,000人の住民が移転を余儀なくされております。特に大川村はほとんどの公共施設が水没する状況でありました。当時の村人の言葉を借りれば、村の心臓部の船戸地区が水没すると、後に残る山間部の小部落だけでは村として成り立たない、ダム建設は村の壊滅を意味するとあります。こうした大きな犠牲の上に立ってダム建設がなされるわけでありますから、強烈な建設反対運動が展開されたのもうなずけるところであります。 国や県からは、国家的事業であるから理解をしてほしい、香川県が水で困っているから助けるために協力してほしい、さらには川は濁らない、流量も減らない、異常放流は起きない、ダムができたら嶺北はよくなるなど説得されたと言われております。多くの約束が取り交わされたようでありますが、きちんと書面で残されているものは多くはありません。昭和41年県議会6月定例会で、嶺北地域開発基本構想案が提案され、翌7月臨時会において、早明浦ダムの建設に関する基本計画に関する議案が同意、可決しております。そういった経過を経て早明浦ダム建設に同意し、建設されたわけでありますが、嶺北地域の住民にとって後悔の念しかありません。 起こらないと言った濁水問題はいつまでたっても解決せず、通常の河川流量は明らかに減少し、80年に1度の洪水がこれまでに4回発生し、うち2回は緊急放流が必要となるなど、建設前の説明とは明らかに違います。さらに、嶺北地域開発基本構想は具体策が全く見えず、50年以上経過した現在でも通用するのではと思われるほど、50年前から時間が止まり何ら実現されず、何ら変わったことはないように思われます。 早明浦ダムの建設に関する基本計画に関する議案審議の中で確認された早明浦ダムに関連する重点要望事項は、50年以上たっても履行されていない部分が数多く残っております。また、水源地域の周辺整備などを目的とした水源地域対策特別措置法が昭和48年10月に成立し、翌昭和49年4月から施行されておりますが、法制定前に建設されたダムに対して遡及適用はされることはありません。 四国4県は、早明浦ダムによって大きな恩恵を受けております。しかしながら、大川村をはじめとする嶺北地域は、大きな犠牲を払ったにもかかわらず、当初期待された見返りはほとんどありません。それでも嶺北4か町村は必死で頑張っております。 早明浦ダムといった国策に翻弄された、400人を切った大川村をはじめとする嶺北地域の現実にどのような御所見をお持ちなのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(濱田省司君) 早明浦ダムの建設に際しまして、お話がありましたように、多くの家屋や田畑が水没をし、多くの方が生まれ育った地から移転を強いられるといったことなど、嶺北地域が大きな犠牲を払ったということは、私自身も重く受け止めております。 また、ダムから大きな恩恵を受けましたのは嶺北地域以外であるばかりか、完成後も下流部におきます浸水被害、濁水の長期化などの問題が生じております。ダムの建設当時は、観光振興などで期待をする面もあったと思われますけれども、結果として期待されたほどの効果は見られず、地域の皆さんの心情を推しはかりますと胸が痛む思いがいたします。 加えて、嶺北地域におきましては、他の中山間地域以上に少子高齢化などに伴います人口減少が進んでおります。多くの集落は活力を失い、また農林業をはじめとした地域産業は振るわないといった状況が見られるところでございます。 こうしたことを踏まえますと、大川村をはじめといたします嶺北地域の現実は、大変厳しい状況に至っているというふうに考えているところであります。 ◆8番(金岡佳時君) いろいろな思いがありますけれども、知事がそういうふうに思っていただける、そして我々と思いを同じくするというようなことであると捉えさせていただいていいと思いますので、そういうふうに捉えさせていただきます。 県が自ら提案をして、そして議会で議決された議案の中で約束されたことについては、県は必ず履行しなければならないというのは言うまでもなく、やらないことを議会に提案することは、議会の存在を否定することにほかなりません。 県議会の議決の重みについてどのように考えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) 県民の皆さんを代表されます県議会におけます議決は、県政運営上、大変重いものであるというふうに考えます。また、議決の事項に関わりませず、県議会におきまして県の執行部が説明しました内容、あるいはお約束をいたしました事項に関しましても、相当な重みを持つというふうに受け止めているところであります。 こうしたことから、県議会におきまして議決をされました事項、そして県当局からお約束をした事項などにつきましては、その実現に向けまして県として真摯に取り組んでいく必要があると考えておりますし、また必ずしも所期の方向で進んでいないという場合には、しっかりとした説明が必要な事項であるというふうに考えております。 ◆8番(金岡佳時君) ぜひきちんと履行されるようにお願いをしたいと思います。 総論的ではありますが、当時県は嶺北地域開発基本構想を発表し、当時の溝渕知事は、これを機会とする嶺北全体の開発を促進するため、国並びに関係方面に対して強力に働きかけますことはもちろん、今後この事業の達成に全力を傾注してまいる所存でございますと答弁をしております。 この嶺北地域開発基本構想と、昭和41年7月議会で議決された早明浦ダムの建設に関する基本計画に関する議案審議の中で確認されている、早明浦ダムに関連する重点要望事項などについて、今後どのように履行していくのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) お話のございました嶺北地域開発基本構想でございますが、これは早明浦ダムの建設に際しまして、嶺北地域開発に対します県行政の基本方針として、昭和41年に策定をいたしたものであります。また、早明浦ダムに関連する重点要望事項につきましては、ダムの建設に当たり、国に対しまして補償あるいはインフラ整備の促進などを県から求めたものでございます。 これらにつきましては、直接の県議会の議決事項ではございませんが、県議会におきまして、この早明浦ダム建設への同意の可否について審議が行われました際に、県から実現に向け全力を傾けるという旨の説明がなされているということについては、御指摘があったとおりでございます。 他方で、当時から50年以上の歳月が経過をいたしております。社会情勢や嶺北地域を取り巻く状況は、当時の状況から大きく変化をしているというのもまた事実であります。こうしたことも踏まえますと、基本構想などに掲げました取組について、全てそのままでということではなく、必要なものについては現状に合わせたものに進化をさせていくといった上で取り組んでいくということが必要ではないかと考えております。 こうした考え方に立ちまして、基本構想などの趣旨、内容、こういったものを踏まえながら、一方では現在嶺北地域に住まわれておられる皆さんの思いに寄り添いながら、県で言いますと5つの基本政策、3つの横断的な政策、こういった政策に基づく取組などを進めていくということによりまして、嶺北地域の活性化につなげてまいる考えであります。あわせまして、国に対しましても政策提言などを通じて、必要なインフラ整備、また県の事業に対する支援をしっかりと求めてまいる考えであります。 ◆8番(金岡佳時君) ぜひ知事、基本構想を進化させて実現をしてほしいと思います。 県も国と一緒になって早明浦ダム建設を進めてきたわけであります。水特法が遡及適用されないからといって、何もしなくていいということではありません。適用されないからこそ、大川村の維持・存続など、早明浦ダムに起因する問題解決のために手だてを講ずるべきではないかと思いますが、知事の御所見をお聞きいたします。 ◎知事(濱田省司君) 早明浦ダムの建設に際しまして多くの犠牲を払われました嶺北地域の厳しい現実を踏まえますと、現在の人口減少に伴います様々な課題の解決に向けまして、県の様々な施策を総動員して対応していかなければいけないと考えます。 具体的には、産業振興計画の成長戦略でございますとか、地域アクションプランの取組を通じまして、地域の基幹産業であります農業、畜産業、林業の振興を図っていくということ、加えてそれらを生かしました加工品の製造・販売の取組などを強力に後押しをしてまいります。あわせまして、嶺北地域の豊かな自然を生かして、アウトドア拠点施設を核とした観光面での誘客、交流人口の拡大を図ってまいります。 また、中山間対策という観点からしますと、県内でも他地域に先駆けて取組がスタートいたしました嶺北地域の集落活動センターの活動がさらに発展をするように、積極的に後押しをしてまいります。中山間地域共通の課題解決を目指しまして、本年度から新たに取り組みますデジタル技術を活用した実証実験を嶺北の全4町村において展開をしていくというのもこの一環でございます。このほか、産業や生活の重要な基盤でありますインフラの整備、さらには地域の教育の要となります嶺北高校の魅力化なども着実に推進してまいります。 こうした県としてなし得る一連の取組を全力で進めまして、地域におけます産業の振興、生活基盤の維持・向上を図っていくということにより、嶺北地域の活性化につなげてまいりたいと思います。今後とも嶺北地域の発展に向けまして、地域に寄り添っていく、そして皆さんの声をしっかりとお聞きしながら、全力で県を挙げて取り組んでまいります。 ◆8番(金岡佳時君) どうもありがとうございます。施策の総動員ということで期待をしております。 今、早明浦ダムの再生事業が行われております。この事業は事前放流などにより治水機能を向上させる事業でありますが、最も恩恵を受けるのは徳島県であろうと思います。愛媛県と香川県は愛媛分水や香川用水で多大な恩恵を受けております。 いま一度、国と四国の3県に対し、大川村をはじめとする嶺北地域に対する理解と支援を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) 嶺北地域への支援につきましては、国が地域の観光振興や交流人口の拡大、そして地域活性化の取組を支えるために、昭和57年から早明浦ダム湖畔の公園整備などを進めてまいっております。また、昭和61年には国と四国4県で吉野川水源地域対策基金を設立いたしました。これまでにこの基金を通じまして、早明浦湖水祭あるいはダム湖の周辺整備などを支援してまいっております。このように国や四国3県で一定の支援が行われてまいりました。 その一方で、時間の経過とともに、人々の心から多くの死者を出した大洪水や、あるいは大渇水といったダム建設前の災害の記憶は風化をし、またダム建設に翻弄されました地域への感謝の気持ちは薄れてきがちであるということも現実ではないかと考えます。3県が早明浦ダムから受けております大きな恩恵は、嶺北地域の大きな犠牲の下で成り立っているということを、将来にわたってしっかりと語り継いでいかなければいけないという思いでございます。 このため、ちょうどダムの完成から50年というこの機会を捉えまして、まずは国や3県に対しまして様々な機会を通じて、嶺北地域への理解を求めてまいりたいと考えております。 ◆8番(金岡佳時君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 先ほど申し上げましたように、当該町村と県との約束、それから県と国との約束がありますね。ですから、県は国に約束をきっちり果たしていただくように申入れをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 早明浦ダムの建設に関する基本計画に関する議案についてお聞きをいたします。この中に早明浦ダムに関連する重点要望事項がございます。これはダム建設同意に当たって県から国へ要望されておりますので、確実に実行がされなければなりません。もちろん、それから国からの回答も来ておるわけでございます。 しかしながら、当時の議会でも極力努めるとか努力するとか、あるいは意向を尊重するなど、不確実な言葉で表現されているところが多いなど追及を受けており、実効性に疑問が出されております。 結局、建設電力委員会に付託され、「早明浦ダム建設に関連する重点要望事項については、知事において、なお今後とも不断の努力を払い、完全実施を期すべきである」、「地元町村と建設省との間に締結した協定事項について、県は積極的に協力指導を行い、その万全を期すべきである」、「嶺北地域開発基本構想並びに関係町村の県に対する要望等については、関係町村の要望に沿うよう可及的速やかに具体的計画の樹立、予算措置等を講じ、ダム完成までに実現するよう最善の努力を払うべきである」との3項目の希望意見を付しまして、そして同議案を可決すべきものと認めたという報告がなされております。早明浦ダムの建設に関する基本計画に関する議案は、そうした中で同意、可決されております。 このように懸念されたとおり、この要望事項は50年以上たっても十分に実行されておりません。そこで、確実に読み取れる部分についてお伺いをいたします。県道については、幅員6メートル以上とすることという要望に対し、本川大杉線に当たっては原則として幅員6メートルとする、これに要する費用については地元負担が伴わないよう努力すると確認されています。また、県が示した嶺北地域開発基本構想の中にも、主要県道本川大杉線は画期的な改築を促進するとあります。 しかし、現実には、中島地区から早明浦トンネル上流口より約100メートルの地点までは工事用道路兼用となるため設計幅6.5メーター、それより上流については在来県道の現道復元を基準に平均4.9メートルとしたとあります。そして、昭和48年3月に引渡しを受け、それから50年経過した今なお幅員6メーターの道路は実現しておりません。高知県の中で最も早く画期的な幹線道路として改良されるはずであった本川大杉線、現在の県道17号線でありますが、今や県下それぞれの市町村を結ぶ幹線道路の中でも極めて苛酷な道路の一つとなりました。 この現実をどのように捉えているのか、土木部長に御所見をお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 県道本川大杉線は、いの町、大川村、土佐町を結ぶ路線で、全延長は約34キロメートルとなってございます。 この路線は令和2年12月に大川村で発生した大規模なのり面崩壊で1年間の全面通行止めとなっており、地元の皆様には大変な御不便をおかけしたところでございます。この路線の幅員6.0メートル以上の割合は全体で約9割となってございます。しかしながら、この幅員は側溝などを含む管理幅員であるため、車両通行の幅員で見ると9割よりも少なくなっている状況でございます。 県といたしましては、幅員の確保だけではなく、線形が悪く、見通しの悪い区間もまだ残っておりますため、今後も道路改良を進めていく必要があると考えております。 ◆8番(金岡佳時君) 今後、どのようにして幅員6.0メーターを画期的な改築の実現に向けて取り組まれるのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 今年度は、大川村船戸地区で道路の拡幅工事を実施しておるところでございます。残るほかの整備につきましても、現地の状況を確認し、関係町村や地元関係者と調整を行いながら実施してまいりたいと考えてございます。
    ◆8番(金岡佳時君) この中に、県からの基本構想の中ですが、画期的ということを書いているんですね。画期的とは新しい時代を開くさま、あるいは技術や着想などがそれまでに見られないほど独特で優れているさまと、こういうふうに辞書の中では書かれております。 画期的な改築の実現というのは、先ほど土木部長の答弁された、そういうことなんですか。 ◎土木部長(荻野宏之君) ダムの建設当時の国道439号の幅員、これは本川大杉線のデータがございませんので439号を例にいたしますと、3メーターから4.5メーター程度の幅員でございました。これを幅員6メーターに改築することが当時は画期的であったというふうに理解してございます。 ◆8番(金岡佳時君) そういうふうに言っても、本川大杉線ですよ。本川大杉線は、今の国道439号の部分は御覧のとおり2車線化して一生懸命やってきたんですよ。残っているのが今の県道17号線の部分。これがどうしてそしたら幅員がそれだけのものが画期的と言えるんですか、当時から2車線化をしていましたよ。土木部長、どうなんでしょう。 ◎土木部長(荻野宏之君) 当時としては画期的であったということでございまして、その後の時代の変化により、例えば現在の439号は歩道もついておる区間もある2車線道路になってございますが、そういった路線を優先してきたことで、本川大杉線は遅れているというふうに考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) 時間がなくなりますので、これはまた次にしたいと思います。 それでは、次の質問ですが、橋梁については、将来の維持費を考慮し、極力コンクリート橋とするという要望に対し、了承するというふうな確認をされております。 このように柚ノ木橋や三ツ石橋、小金滝橋については建設当時から将来の維持費について心配をされていたわけでありますが、重点要望事項の完全実施からは程遠い状況で建設され、現在当該町村の大きな負担となってきております。この町村管理の長大橋に対してどのように考えているのか、土木部長に御所見をお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 柚ノ木橋、三ツ石橋、小金滝橋は、昭和46年から47年に早明浦ダム建設に伴い、水没する林道、農道の付け替え道路として、現在の位置に架橋されたものでございます。いずれもダム湖をまたぐ長大橋でございまして、架橋から50年を経過し老朽化も進んでおり、修繕が必要となっている橋梁もございます。このため、これら3橋を管理する土佐町、大川村の負担は大きくなっているものと認識してございます。 ◆8番(金岡佳時君) そこで、この3つの橋については、このような歴史的な背景、特に重点要望事項が完全に実施されていないこと、そしていろいろな工事に対する助言や指導にも県が関わっていたと推測されることを考えれば、この3橋を県管理にすることが妥当であると思いますが、土木部長の所見をお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) この3橋は、ダム建設により機能回復された橋梁でございまして、現在も町道、村道でございますので、一義的には町村で管理すべき橋梁であると考えてございます。しかしながら、国策として整備された早明浦ダムのダム湖に架かる長大橋を今後も当該町村のみで維持管理していくことは大きな負担を強いていくことになりますので、何らかの支援策が必要と考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) それでは、今後この3橋の管理に関してどのように取り組まれていくのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 長大橋に関します技術的な支援制度として、国土交通省による直轄診断や修繕を代行する支援制度があり、これまでもこうした制度を町村に紹介するとともに、国にも働きかけてまいりましたが、実現には至ってございません。 県といたしましては、今後も引き続き国、県、市町村等で構成する高知県道路メンテナンス会議等を通じて、国に対してこれら支援制度への働きかけを行うとともに、橋梁点検の一括発注などの制度を活用してもらうなどの支援を行ってまいりたいと考えてございます。 あわせまして、財政面におきましては、当該町村を含む県内の市町村と共に修繕予算を十分に確保できるよう、国に働きかけていくとともに、同様のダムを有する他県での支援事例を収集するなど、県としての支援策の拡充を検討してまいりたいと考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) 今までの歴史的な経過も考えられて、ぜひとも当該町村に負担のなるべくかからないように、今後3橋の管理についてはやっていっていただきたいと、このように要望をしておきます。 次に、要望されている国道と県道の整備についてお伺いいたします。国道194号や吾川本山線、主要県道高知本山線についてはかなり改良が進んでまいりました。けれども、一般県道磯谷本山線、田井大瀬線、吉野瓜生野線、これは現在の坂瀬吉野線ですが、それと東祖谷山大杉停車場線、これは現在の一部国道439号です、久生野五王堂線についてはほとんど改良が進んでおりません。 50年たっても一向に進まないこれらの道路改良についてどのように考えているのか、土木部長の御所見をお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 要望された道路の整備につきましては、議員のお話にもありましたように、広域的な幹線道路としての国道194号、439号、県道高知本山線の改良が進んでいる状態でございます。 ダム建設当時に拡幅された現在の国道439号では、先ほど少しお話しさせていただきましたが、その後の社会状況の変化により、大豊町大杉から土佐町土居までの区間などで歩道設置や道路拡幅をさらに進めてきたところでございます。また、嶺北地域は急峻な地形で地滑りを起こしやすい地質であることから、道路整備には多くの費用と時間が必要となってまいります。 以上の理由によりまして、その他の多くの県道はいまだ改良が進んでいないということであると考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) なかなか進んでいないんですよね。現実的にはほとんど変わっていないところもたくさんございます。これらの50年以上前に改良が要望された路線は、現在木材搬出輸送の中心となっている道路であります。近年の輸送トラックの大型化に全く対応ができておりませんし、生活道としても避難道としても極めて重要な道であり、命の道として改良は喫緊の課題となっております。 今後、いつまでにどのように改良を進めていくのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 当時の県道吉野瓜生野線、現在の県道坂瀬吉野線におきましては、本山町の汗見川流域にある集落活動センターの活性化を下支えするため、整備を重点的に進めてきたところでございます。また、県道磯谷本山線でも道路拡幅の事業を実施しているところでございます。その他の改良の進んでいない県道につきましても整備の優先順位を含め、地域の皆様の声を聞きながら鋭意取り組んでまいります。 ◆8番(金岡佳時君) 50年前のいわゆるダム建設のときの話の議案の中で、ここの要望をされているわけですね。それが一向に進んでいないというようなことで、今の部長の答弁では、いつまでにどういうふうにされるのかということは全く分かりませんよね。今までと同じですよ。 知事は、その約束事についての履行をすると言っていただいておるわけですから、やっぱりそこはもう少し具体的に、いつまでにどういうふうにやるのかということを聞いておるわけですから、土木部長にお答えいただきたいと思います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 現下の公共事業費につきましては、当時と比べまして非常に少なくなっていると。近年は国土強靱化の予算で若干戻している部分もございますが、こういった予算をしっかり確保しなければ、なかなかいつまでにできるということも言えませんので、私といたしましては、この国土強靱化の予算等をしっかり確保することによりまして事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) いずれにしても、早くきちんとした整備をやっていただきたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、高知分水についてでございます。 高知県の年間利水量の4%は高知分水によって高知市に送られております。土佐町で最もきれいだと言われる瀬戸川の水であります。水道用水として毎秒0.73立方メートル、工業用水として毎秒0.5立方メートルが鏡ダムへ送られ、高知市民の飲料水の約30%を賄っております。 一方、土佐町の住民はこの水を飲むことができません。土佐町の3分の2の河川は早明浦ダムと高知分水の管理流域となり、土佐町にこの水を使う権利はなくなっております。簡易水道の水源として地蔵寺川の水を日量2,500トン欲しいと要求をいたしましたが、国からの水利権の許可を受けるのに2年かかり、しかも1日1,860トンの枠しかもらえておりません。 そうした中、平成15年3月に高知分水事業の水利権更新期限を迎えました。水量の減った地蔵寺川に県が権利を持っている、使われていない工業用水、毎秒0.5立方メートルの水を返してほしいと必死の要求をするもかなわず、河川環境の維持を図るため地蔵寺川取水堰から放流量を毎秒0.06立方メートルとする、関係機関は河川環境について調査を実施する、関係機関は高知分水取水堰の魚道の有効性に関する調査について別途協議するなどの確認がなされました。残念ながら、それ以上のことは期限が来ると自動更新でありますから、望めませんでした。 そこで、河川環境調査について、どれくらいの頻度で行われておるのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) この調査につきましては、平成15年7月から平成17年6月にかけて、季節ごとに年4回を2年継続し、合計8回実施したところでございます。 ◆8番(金岡佳時君) その結果はどのようなものであったのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 調査地点は地蔵寺川で3地点、平石川で5地点、能地川で1地点の合わせて9地点で、流量、水質、付着藻類、魚類及び底生動物の調査を実施いたしました。全体的に良好な河川の状態を保っているものの、魚類のアマゴにつきましては、1地点で分水の影響がやや見られるという調査結果でございました。 ◆8番(金岡佳時君) その調査結果というのが、2か年ということですが、これやっぱり毎年行っていただきたいというふうに思います。毎年河川環境は変わります。生態の状況も変わりますので、これはぜひ毎年やっていただきたいというふうに思います。 次に、高知分水取水堰の魚道の有効性に関する調査の協議は行われたのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 魚道の有効性調査に関する協議につきましては、嶺北漁業協同組合、土佐町、独立行政法人水資源機構及び県によりまして、平成18年度に2回、平成24年度に1回協議を行ってまいりました。 ◆8番(金岡佳時君) その結果について土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 協議の結果、取水堰からの越流量が少ないことや、上下流に魚道のない農業用の取水堰などがあることから、魚道設置の効果は小さいと判断し、調査については行わないことといたしました。 ◆8番(金岡佳時君) これも継続して、やはり状況がどんどん変わりますので、また協議もしていただきたいというふうに思います。 また、あと10年余りで次の更新期限を迎えます。次回は、ぜひ毎秒0.5立方メートルの水を返していただきますよう要請をしておきます。 早明浦ダムの建設に伴い、当たり前のことでありますが、ふだんの河川水量は極端に減っております。また、支流であります汗見川の水量も導水トンネルにより多くの水が早明浦ダムに注がれておりますので、昔の面影はありません。地蔵寺川も高知分水により鏡ダムに注がれておりますので、当然のことながら水量が減っております。 そこで、顕著に見られ始めたのがヨシの繁茂であります。かつての白い河原は見る影もありません。そして、ヨシの生えていないところに見られるのは、焦げ茶色の泥が付着した砂や石であります。これでは多くの魚類が繁殖することができるわけがございません。 特に、早明浦ダム直下の支流の合流地点から山崎ダムまでの約9キロ区間は、死んだ川のようになっております。スナヤツメやアカザはほとんど見ることができません。ハヤ、オイカワ、ゴリでさえ見られなくなっております。カジカガエルの鳴き声も聞くことはありません。汗見川でいつも見られたカワセミも見られなくなりました。年を追うごとに河川環境は悪化しているように思われます。 県から平成24年1月に出された県管理区間の吉野川水系河川整備計画によりますと、動植物の生息、生育の状況について、キシツツジの植物群落が重要な植物群落に挙げられ、さらに重要種の魚類や両生類、昆虫が確認され、国内希少野生動植物の指定を受けている鳥類も確認されているとあります。そうした確認の上に立って、河川環境の整備と保全に関する目標として、水質については現況をモニタリングするとともに、関係機関と連携し、地域が一体となった河川愛護活動を通じ、良好な水質の維持に向けた取組を推進するとあります。 動植物の生息・生育・繁殖環境については、植生をはじめ生態系の現状の把握に努め、現在の多様で良好な環境を維持していくことを目標とする、また工事等を実施する際は、河川環境に与える影響を考慮することとし、水際に繁茂するヨシ原については適正に維持管理を行う、さらに関係機関と連携して、魚類などの上下流の移動の連続性を確保するように努めるとあります。 そこで、ちょっと時間がございませんので、飛ばさせていただきまして、まず生態系の現状の把握の方法についてお伺いをしたいと思いますが、生態系の現状はどのように把握しているのか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 早明浦ダム下流におきましては、魚類や鳥類、底生動物などの6つの項目で、おおむね5年に1度水資源機構により環境調査が行われております。県はこの結果について機構より情報提供を受けているところでございます。 ◆8番(金岡佳時君) その結果について土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 直近の調査では、魚類については令和3年に調査を実施し、スナヤツメやアカザなど17種の個体を確認しているところでございます。底生動物については平成29年に調査を実施し、131種の個体を確認しております。植物については平成25年に調査を実施し、キシツツジなど329種の個体を確認してございます。鳥類については平成30年に調査を実施し、47種の個体を確認してございます。両生類、爬虫類、哺乳類につきましては令和元年に調査を実施し、カジカガエルなど16種の個体を確認してございます。陸上昆虫類等につきましては平成26年に調査を実施し、269種の個体を確認しているところでございます。 ◆8番(金岡佳時君) 調査をされておると言われておりますけれども、直近の調査はないわけですよね。今どんなになっているかということについては、あまり分からないということになります。そうすると、その平成24年当時と比較してどうなのかということも、これはお聞きをしたいんですけれども、比較ができない状況ですね。 土木部長、その平成24年と現在の比較はどうだったのか、お答えいただけますか。 ◎土木部長(荻野宏之君) 先ほど申し上げましたように、5年に1度の調査になっておりますので、物によりましては5年よりも古いものがございますが、それ以外のもので申し上げますと、魚類につきましては平成23年に12種、令和3年は17種になっておりまして5種の増、それから底生動物は平成24年に128種、平成29年に131種確認しまして3種の増、それから鳥類につきましては平成20年に44種、平成30年に47種で3種の増、両生類、爬虫類、哺乳類につきましては平成21年が17種、令和元年が16種で1種の減、以上になってございます。 このように河川整備計画作成当初と比較しても、確認された種類につきましては大きな変化はないと考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) 直近の調査は恐らくされておらないということだと思いますので、比較のしようもないんだろうというふうに思います。 そこで、山崎ダムの魚道の有効性に関する調査は行われておりますか、土木部長にお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 山崎ダムにおきましては、魚道の有効性に関する調査は現在のところ実施してございません。 ◆8番(金岡佳時君) 調査は行われていないと。しかしながら、魚類などの上下流の移動の連続性を確保するということになっておりますので、これは必要であるというふうに私は思います。 早急に山崎ダムの魚道の有効性に関する調査をすべきだと思いますが、土木部長の御所見をお伺いいたします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 山崎ダムの魚道の有効性に関する調査につきましては、可能な限り早急に行いたいと考えてございます。 ◆8番(金岡佳時君) ぜひともよろしくお願いしたいと思います。 この吉野川水系の整備計画は、おおむね20年をめどにというふうな形で書かれております。もう既に10年が経過しております。あと10年で、それぞれの書かれておることについてやっていただかなければならないわけで、それについてはぜひともピッチを上げて、早急にそれぞれ取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げます。 これらのことは、全て早明浦ダムができたことで生まれた問題であります。嶺北地域の人々は四国のためであるから、そして国、県は必ず嶺北地域住民の思いを理解してくれると信じ、国や県の説得に従い早明浦ダムはできました。せめてダム建設当時の約束を果たしていただきたい。そしてさらに、少なくともダム建設直後の環境を維持し、未来に伝えられるように取り組んでいただけますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西内隆純君) 以上をもって、金岡佳時君の質問は終わりました。 ここで午後2時5分まで休憩といたします。   午後2時休憩-----------------------------------   午後2時5分再開 ○副議長(西内隆純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 桑鶴太朗君の持ち時間は40分です。 3番桑鶴太朗君。 ◆3番(桑鶴太朗君) 自由民主党の桑鶴太朗でございます。議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。 私は、昨年9月に県議会議員になり1年がたちました。見識のある先生方から御指導いただきながら、県勢浮揚のため勉強させていただいております。濱田知事の提案説明の中でもありましたが、県の財政運営において県勢浮揚と県財政の持続可能性の両立を図ることが重要だと言われていました。県民の税金を有効に活用し、県勢浮揚につながる政策を一緒に考えていくことが、私自身県議会議員としての責務であると改めて認識しながら、一県民、一事業者の視点を忘れずに、質問や提案をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まずは、関西戦略について質問させていただきます。 濱田知事は就任以来、関西戦略を掲げてこられました。私は、県議会議員になる前から、なぜ高知県のアンテナショップは銀座にあるのに、関西圏にないのかが不思議でした。銀座でのアンテナショップでの高知県としての知名度向上への寄与や、高知県産品の商品PR等の成功事例も数多くあり、また高知県出身者からの購買も相まって、現在の東京アンテナショップの成功につながっているものだと感じております。 関西圏は、高知県からでも比較的距離も近く、商品を輸送するに当たってもコストが抑えられると感じていましたし、私も、県議会議員になる前は中山間地域で家業のパン屋を営んでおりましたことから、外貨を稼がないと経営が成り行かないと思い、県外に出す商品を生み出すことに必死になって開発に取り組んできました。地域の産物を取り入れ、体にいいものをの理念で、小麦は国産、国内で製粉した小麦粉を使用し、卵や牛乳、バターといった乳製品、イーストフードなど添加物を全く使わない、こだわりを持った商品を製造してきました。 しかし、こだわりを持つと材料費が抑えられず、量販店の商品に比べると価格が上がってしまいます。ですが、近年そういったこだわりのある商品にニーズが集まり、コロナ禍においても買い求められるお客様は増えてきました。高知県の誇るおいしい食べ物や文化は、食の台所とも言われている関西圏でも受け入れていただけると思いますし、観光や物販など高知県への波及効果に期待が持てます。 そのような中、関西圏のアンテナショップは大変重要な役割があると思います。高知県の様々な情報をより多くの方に、ダイレクトかつタイムリーに提供することに期待をしております。 そこで、関西圏のアンテナショップの運営には、銀座のアンテナショップと同様、県による家賃負担、また収益のある物販や飲食ばかりでなく、移住や観光の情報発信などの機能を有するための費用など一定の公費負担が継続的に発生することが想定されます。特に、その役割の一つとして、今売れ筋の商品の販売だけでなく、小規模事業者の商品も関西で売れる商品に磨き上げながら、そうした商品を販売して、県内事業者全体の底上げをしていくことが求められており、そうした役割に公費支出の意義があるのではないでしょうか。 こうした小規模事業者の育成、県産業の底上げといった視点から、関西圏のアンテナショップの運営を行っていただきたいと考えますが、この点について知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) 議員からお話がございましたように、アンテナショップにおきましては物販も当然行うわけでございますけれども、県内事業者の方々の商品力向上という観点からの非収益事業の取組が大変重要であるというふうに考えております。 このため、例えば試験販売ですとか試食会といった県産品の磨き上げのためのテストマーケティングの実施でございますとか、地域のこだわりの逸品などを紹介する特設コーナーなどを設置するということを考えてまいりたいと思います。このような取組の中で、近年人気が高まっておりますオーガニックの食品などのように、少量でも魅力ある商品づくりに取り組む事業者の方々を支援していく考えであります。 今回、こうした形で関西へのアンテナショップ設置の方針について、私自身決断した背景には、県民座談会の「濱田が参りました」で中山間地を回っております中で、食品に関しまして地域の特産品の開発をされておられる方との意見交換の中で、現在まるごと高知・銀座には商品を置いていただいていて、さらに関西への進出も考えたいのだけれども、今関西には残念ながらアンテナショップがないですよねというようなお話をいただいたと、そういったような背景もございまして、今回こういった形での御提案をさせていただいているということもございます。 そういった趣旨から、お話にもありましたように、小規模な事業者の方々におかれましても、ぜひこのアンテナショップを活用した販売の拡大にチャレンジをしていただきたいという思いでおるところでございます。 ◆3番(桑鶴太朗君) 丁寧な御答弁をありがとうございます。 私の知り合いにも、東京のアンテナショップではハードルが高いと感じる事業者も、大阪は身近でチャンスを感じ、意欲的に外商に取り組めるのではないかと思っておりますので、ぜひとも小規模事業者、県産業の底上げもよろしくお願いいたします。 次に、県では、来年度からキッチンカーによる関西圏での売り込みを検討されています。キッチンカーは、近年のコロナ禍の影響により、1つの場所にとらわれず、ニーズがある場所で営業ができることから、飲食店事業者の参入が増加しています。また、山口県や徳島県などの自治体においても、オフィス街での地元食材を活用したランチや特産品の販売、イベント出展によるプロモーションなど、移動型アンテナショップとしての活用事例も見られます。 このように、機動性を生かした営業が最大のメリットでありますが、全国的にキッチンカーが増加している中、関西圏の方々に注目していただくためには、本県の特色を出した取組が必要であると考えます。 そこで、関西圏におけるキッチンカーの取組についてどのように展開していくお考えか、産業振興推進部長にお聞きします。 ◎産業振興推進部長(沖本健二君) キッチンカーは、本県の強みである食をより多くの方々に実際に見て知って食べていただくことで、高知の魅力を高める有力なツールになるというふうに考えております。先般、関西圏外商強化対策協議会の委員からも、食通の関西の方々に対しては、視覚、嗅覚に訴えることができるカツオのわら焼きタタキの実演は訴求力が高いといった御意見をいただいたところでございます。 このため、例えば大阪のオフィス街や食のイベント会場において、本来高知に来なければ味わえない本場の味をキッチンカーで提供いたしまして、高知の食のポテンシャルの高さを関西の皆様に実感していただきたいというふうに考えております。実際の運営方法につきましては、市町村や県内事業者にもお話をお伺いしながら、今後検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。キッチンカーには、まだまだ課題もあると思いますが、ほかの使い道も考えられると思いますので、積極的に進めていただきたいと願います。 次に、中山間対策についてお聞きします。 県がまとめた令和3年度の集落調査において、高知県内の集落のうち、19世帯以下の小規模集落が31.7%となり、記録が残る1985年、昭和60年以降で初めて3割を超えたことが明らかになりました。また、人口ゼロ集落も15集落増加し、集落の規模縮小や消滅が進行していることが改めて明らかになりました。 県では、デジタル技術の活用や移住促進などで集落支援に取り組む考えを示されていますが、さきの集落調査の結果では、集落の活性化に向けた課題として、人口減少、地域に若者がいない、集落長の成り手がいない、集落活動の担い手不足が上位を占めており、依然として担い手不足が集落の維持・活性化の大きなボトルネックであることが確認されました。 こうした中、令和3年度の本県への移住者数は過去最多の1,167組となり、長引くコロナ禍であっても本県への移住ニーズは高いことが分かりました。これは、県や市町村、関係団体の御尽力によるものも大きいですが、長引くコロナ禍で、移住に向けて行動を起こす方が増えていることも一因と聞きます。 そうしたことから、中山間地域では都市部からの移住者に集落の担い手となってもらうことへの期待感が一層高まっているところですが、受け入れる側の課題は多く、特に大きなボトルネックは、移住者向けの住宅の確保です。 そこで、県では、今年度から移住者の住宅確保につながる空き家対策を抜本強化すべく、高知県空き家相談窓口を開設していますが、具体的にどのような相談内容が多いのでしょうか、土木部長にお聞きします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 空き家相談窓口への相談内容は、不動産業者を紹介してほしいといったものや、売却金額の見込み、また立地条件の悪い空き家の活用相談など、売買や賃貸に関するものが最も多くなってございます。また、建物の解体にかかる費用や補助の有無など解体についての相談や、相続登記の方法、費用、相続に関する親族トラブルなど法律関係の相談も多くなってございます。そのほかにも、建物管理や改修など相談内容は多岐にわたっているところでございます。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 また、中山間地域の集落では、少子高齢化、人口減少により、空き家が増えていることは言うまでもなく、空き家は長年住まなくなったり手入れをしていないと、倒壊や景観を悪くしてしまう原因につながりかねません。新築を建てたくても、世界情勢悪化に伴う資材高騰により、理想の家とは程遠い家を建てなければならないこともあります。 そこで、今年度相談窓口と併せて強化した空き家の改修支援について、拡充後の活用状況はどうか、土木部長にお聞きします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 空き家を改修する所有者に対し、県内で24市町村が改修費を補助しているところでございます。県では、この市町村に対して補助を行っておりまして、補助対象の限度額を今年度185万7,000円から270万円に引き上げたところでございます。 現在、23市町村がこの補助制度を利用しておりまして、そのうち7市町村が先ほどの引き上げた限度額を活用しているところでございます。市町村での受付件数は、8月末時点で、昨年度の29件に対し今年度は36件と、1.24倍となっているところでございます。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。空き家にリフォームやリノベーションを施し、移住者やU・Iターン者に対して賃借や購入につなげていければ、リフォームやリノベーションに携わった大工さんなどの仕事にもつながっていくと考えられますので、よろしくお願いいたします。 また、本県への移住者の中には、本県で農業をしたいと希望する方もおられ、そうした方には空き家の紹介と併せて農地をセットで紹介することも、移住者のニーズを満たすものと考えます。 そこで、移住者に対する就農支援の取組の現状について農業振興部長にお聞きします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) まず、移住前の取組としましては、就農先に本県を選んでいただけますよう、移住コンシェルジュと就農コンシェルジュ、市町村などの支援機関が連携し、各種の就農相談を実施しております。その際には、新規就農者を募集する栽培品目や人材像、就農までの流れや支援体制などを産地ごとにまとめました産地提案書というものをお示しするとともに、空き家や農地、地域の生活環境などの情報も提供しているところでございます。 また、移住先の市町村や栽培する品目などを具体的にイメージし、就農に向けて一歩踏み出していただけますよう、産地ツアーや就農体験なども実施しております。さらに、移住先となる市町村が決まった後は、市町村などにおいて就農計画書の作成をサポートしております。 次に、移住後の取組としましては、作成しました就農計画の実現に向けまして、農業担い手育成センターや指導農業士などによります研修の受入れや、農業振興センターや市町村による栽培技術支援や経営支援など、就農者に寄り添ったサポートをしているところでございます。また、資金面の支援では、国の事業も活用しまして、研修期間中の2年間と経営開始後の3年間の最大5年間の給付金を支援しているところでございます。 お話にありました空き家と農地のセットで紹介することにつきましては、移住希望者の中には仕事として農業を希望しない方でも、家庭菜園を楽しみたいという方も多くいらっしゃいますので、空き家相談窓口や移住促進・人材確保センター、市町村などの関係機関と連携しまして、案件の掘り起こしと移住希望者への情報提供に一層取り組んでまいります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 中山間地域の多くに空き家とともに耕作されなくなった農地も増えているため、移住促進策、空き家対策と併せて遊休農地対策も進めていただくことを要望いたします。 次に、鳥獣被害対策についてお聞きします。中山間地域における鳥獣被害対策は平成24年度から力を入れられ、近年は対策のおかげで被害は3分の1程度まで減少傾向に向かっているものの、狩猟者の担い手不足は深刻です。狩猟者の高齢化が進み、今年度、4,501名中、60歳以上の方が3,091名、68.7%を占めており、1年前にも質問した際、新たな狩猟者の確保に向けて、狩猟フェスタの開催や狩猟免許取得への支援を行うとともに、高等学校などでも出前授業を行い、狩猟の魅力を伝え、若い世代へのアプローチを行っているとの答弁がありましたが、その後の取組状況について中山間振興・交通部長にお聞きします。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 新たな狩猟者の確保に向けましたその後の取組の状況といたしまして、狩猟の魅力を伝える狩猟フェスタ、こちらを12月に開催いたしましたところ、前身のイベントに比べまして約4倍に当たります850人に来場をいただいております。また、狩猟者を増やすための初心者講習受講料などに対する支援につきましては、昨年度延べ344名に御利用をいただいたところです。同じく、高等学校への出前授業でございますが、昨年度9校、170名の生徒さんに対して実施しまして、多くの生徒さんから、狩猟免許を取ってみたいという前向きなお言葉をいただいております。 こうした取組によりまして、昨年度新たに狩猟免許を取得した278名のうち4割、111名の方が40歳未満ということになっており、若手狩猟者の着実な増加ということを感じているところでございます。今後は、東京と大阪で開催する高知暮らしフェアなどで、高知県への移住希望者にも高知の狩猟の魅力をお伝えいたしまして、次の世代の担い手を育成する取組をさらに強化してまいりたいと考えております。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 また、先般県内において豚熱ウイルスに感染した野生イノシシが見つかりました。感染力が強く、致死率も高いウイルスです。養豚場においては、一頭でも感染が確認されると全頭殺処分となり、経営への影響は甚大であることから、豚熱のような家畜伝染病は畜産業にとって脅威であります。 そこで、家畜伝染病の予防についてどのような対策をされているのか、農業振興部長にお聞きします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 豚熱は平成30年9月に26年ぶりに岐阜県で発生して以降、17県の養豚場で約35万頭が殺処分されております。また、鳥インフルエンザは平成26年以降毎年のように発生しておりまして、令和2年度には本県を含む18県の養鶏場で計987万羽が殺処分されております。 豚熱や鳥インフルエンザなどの家畜伝染病が一旦発生すれば、農場の家畜は全て殺処分され、経済的な被害は甚大となります。一方で、家畜の伝染病は、家畜の衛生管理を適正に行えばその発生を予防できるものが多いことから、発生予防対策に重点的に取り組んでおります。 具体的な取組としましては、畜産農場の対策として消毒などの衛生管理を徹底するとともに、病原体を農場内に運ぶ可能性のある野生イノシシなどの侵入防止や消毒設備への支援などの対策を実施しております。また、ここ数年、農場以外の対策も強化しておりまして、野生イノシシなどの伝染病の感染を監視するためのモニタリング検査や、本県への家畜伝染病の侵入を防ぐ水際対策としまして、空港などにおける旅客の靴底消毒を実施するなどの取組も進めておるところでございます。 本県において家畜伝染病が発生しないよう、今後も引き続き予防対策の強化を図りながら、しっかりと取り組んでまいります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。今、重油や肥料代の高騰で困っている畜産農家さんにとって、伝染病は死活問題です。豚だけでなく、牛や鳥を飼われている畜産農家さんのためにも、しっかりと対策をしていただきますよう要望いたします。 次に、通学路の安全対策についてお聞きします。 小学生、中学生の通学路というものは、朝夕通るだけの道ではありません。友達、兄弟、親類と何度も繰り返し通る大事な道です。まだ多くの場所へ行く手段を持たない小学生にとっては、特に常にそこを通らなければならない大事な生活路となっていることは御理解いただけていることと思います。 中山間地域の道の幅や危険箇所等は、小学生、中学生にとっては命に直結することになりかねません。通学路の安全対策について、昨年6月に千葉県で起きた事故を受け、令和3年9月議会で横山県議の質問でもあり、本県においても対策を強化していくとの答弁がありましたが、対策の状況はどうか、教育長にお聞きします。 ◎教育長(長岡幹泰君) 公立小学校と小学部のある特別支援学校合わせて200校の通学路を関係機関で合同点検した結果、昨年10月末時点で対策が必要な箇所が555か所でございました。このうち、教育委員会での対策が必要な箇所は207か所ございまして、見守り活動の強化や通学路の変更などの対策を順次進め、本年3月末時点では177か所の対策が完了しております。 飛び出し防止等の注意喚起の看板の設置など、残る30か所につきましても、関係機関等と連携し、早期の完了に向けて対策を現在進めているところでございます。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 この分野につきましては、警察本部にも関係すると思いますので、警察本部長にもお聞きします。 ◎警察本部長(江口寛章君) ただいま議員から御指摘がありました通学路の安全対策につきましては、先ほど教育長が御答弁をされたとおり、関係機関が合同点検を実施した結果、県警察による対策必要箇所は115か所抽出され、令和4年3月末現在、83か所の安全対策を推進してきたところでございます。 対策の具体的な内容につきましては、通学路に横断歩道や一時停止規制、歩行者用信号灯器を整備するなどのハード面の対策に加えまして、登下校時間帯における街頭指導や、可搬式オービスを活用した速度違反取締りなどのソフト面の対策を組み合わせるなどして、地域に応じた対策を可能なものから速やかに実施しているところでございます。今後も関係機関と十分に連携しつつ、通学路における交通安全の確保に向けて取り組んでまいる所存でございます。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 中山間地域では通学路などの道幅が狭く、子供たちにとっては大変危険と感じる場所が多く見受けられます。舗装が老朽化しており、割れた砂利が飛散しているような状況が見られています。 そこで、このような老朽化した舗装への対策の状況について土木部長にお聞きします。 ◎土木部長(荻野宏之君) 県が管理する道路は現在199路線、延長2,767キロメートルあり、常に良好な状態に保つよう道路パトロールを実施してございます。パトロールによりまして、舗装の損傷などの異常箇所を発見した場合、安全な通行を確保するため、早急に舗装を修繕しているところでございます。また、地域住民や関係市町村から異常箇所の通報があった場合には、速やかに現地を確認し、必要な対策を講じております。 今後も引き続き、道路を利用される皆様の安全・安心な通行が確保できるよう、道路の維持管理に取り組んでまいります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。命を守る道、ルールやマナーを守り、住民皆様が笑顔で住み続けられるよう、引き続き対策をよろしくお願いいたします。 次に、奨学金制度についてお聞きします。 将来を担う子供たちが自分の目標のために学業に励み、日々努力されておられますが、奨学金制度は独り親世帯の子供たちにとっても、また低所得者の多い高知県の子供たちにとっても大変ありがたい制度です。しかし、この奨学金制度を活用した子供たちが、今返済に苦労されている現状があります。死んでしまえば返さなくていいとまで考える子供たちまでいるとの新聞記事も先般ありました。大学から新社会人として歩む中で奨学金の返済ができず、多くの若者に重くのしかかっている状況にあります。 そこで、大学生に対する奨学金の現状はどうなのか、文化生活スポーツ部長にお聞きします。 ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 本年3月に公表されました独立行政法人日本学生支援機構の令和2年度学生生活調査の結果によりますと、令和2年11月時点で大学生の49.6%が何らかの奨学金の給付または貸与を受けている状況となっております。この数値につきましては、平成28年11月時点の48.9%、平成30年11月時点の47.5%と比較いたしまして、ほぼ同程度で推移しているところであります。 他方、返還が困難な状況にある方という観点からは、日本学生支援機構によりますと、同機構が貸与した奨学金で返還を要する債権のうち、3か月以上の延滞となっている割合は、平成26年度末の4.64%から令和2年度末には2.88%と、1.76ポイント減少している状況となっております。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 また、返済免除や返済支援のある本県の奨学金の活用状況について文化生活スポーツ部長にお聞きします。 ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 当部におきましては、地域産業の中核的な担い手となる人材の確保を目的として、大学などを卒業後に県内で就職、定着した方を対象に、奨学金の返済を支援する産業人材定着支援事業を平成28年度から令和3年度まで実施し、154名の支援対象者を決定しております。 また、篤志家の方からの寄附金を活用いたしまして、返還の必要がない給付型の奨学金制度として、毎年度15名程度を募集する夢・志チャレンジ育英資金を平成28年度に創設し、これまでに64名を対象者として決定しております。 これらのほか、本県では医師や獣医師、看護師、介護福祉士、保育士など、特定の職業に一定期間県内で従事することなどを条件として返済が免除される、県の奨学貸付制度も活用されているところであります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 また、こういった奨学金にネガティブな報道を目にすることによって、奨学金の活用に消極的な思いを持つ保護者が出てくることも想定されます。返済に苦労している若者もいるとは思いますが、奨学金を活用することで、本県の若者が夢や希望をかなえられることもあると思います。 そこで、今後の奨学金の活用についてどう考えるか、文化生活スポーツ部長にお聞きします。 ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 先ほどお答えをいたしましたとおり、大学生の約半数は何らかの奨学金を活用している状況となっております。また、令和2年度からは国の高等教育の修学支援新制度が開始され、学ぶ意欲がありながら経済的に厳しい状況にある学生の皆さんは、給付型奨学金の支給、授業料や入学金の減免などの支援も受けられる状況となっております。 他方で、卒業後の状況によりましては、奨学金の返還が負担となっている方もいるものと承知をしております。しかしながら、例えば日本学生支援機構の奨学金につきましては、一定の条件の下、返還期限を猶予する制度や、毎月の返還額を減額する制度なども設けられているところであります。 高校生や大学生の皆さんには、経済的な理由で修学を諦めることがないよう、必要に応じ奨学金なども活用し、自らの夢や志に向かって進んでいただきたいと考えております。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。奨学金制度は、同じ大学生の子を持つ親にとって、子供たちの夢や目標に向け応援しやすくなる制度だと思いますので、この制度がなくならないようにお願いいたします。 次に、公共交通についてお聞きします。 本県のJR線は、予土線の存廃問題など利用者の減少に直面しています。土佐くろしお鉄道も含め、鉄道路線の維持は地域住民の足だけでは存続が厳しい状況にあります。無人駅が全国的にも3番目に多い159駅あり、都道府県別の無人駅の割合で見ると93.5%と全国で最も高く、寂しさを感じます。 私は高校時代の3年間、地元の斗賀野駅から後免駅まで通学にJRを活用しており、今でも大変お世話になっておりますことから、高知のJR線は単線であり、行き違いのため各駅での停車時間が長く、不便に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、郡部から市内の学校に通っている子供たちの通学、また通勤の足として大変重要な乗り物です。 しかしながら、近年では少子高齢化の波で利用者が減少しており、郡部から市内の高校に通う子供も減り、それに伴い減便ということも聞こえてきますが、減便することが本当に最善策なのでしょうか。公共交通の利用普及を促すことで、CO2削減にもつながると思います。 そこで、本県の公共交通の利用者を増加させるため、どのような取組を行っているのか、中山間振興・交通部長にお聞きします。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) お話のありました土讃線、予土線では、JR四国の利用者の減少あるいは運転士不足といった要因によりまして、やむを得ず減便に至った区間もございますが、減便は利用者の利便性低下につながりまして、それがさらなる利用の低下につながるということから、議員御提案のように、逆のスパイラル、公共交通の利便性を向上させることで利用を促す取組、これが非常に重要になってまいります。 現在、県では、鉄道とバスの接続の改善に取り組んでおりまして、例えば嶺北地域では路線バスの便数を増やし列車との接続を改善することで、利便性の向上と利用促進につなげております。また、JR四国におきましても、スマートフォンでデジタルチケットを購入できるアプリの開発や、通信事業者と連携してスマートフォンで複数の公共交通機関が利用できる実証実験も進められております。観光客のみならず、通勤や通学の利便性向上にもつながると期待しているところでございます。 県としましては、こうした動きも踏まえつつ、MaaSの実現などに向けた取組を含めまして、引き続き市町村あるいは交通事業者と連携して、さらなる利便性の向上、それによる利用者の増加に取り組んでまいります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 次に、スポーツ振興についてお聞きします。 私は、高知県のスポーツはまだまだ伸び代があると思っていますが、いずれの競技もプロチームがなく、プロを目指す子供たちの受皿がないのが現状だと思います。野球では高知ファイティングドッグスが唯一のプロチームであり、サッカーの高知ユナイテッドスポーツクラブのように、あと少しでプロチームになれるところまで行っているチームもありますが、どのスポーツでも幼少期からの基礎練習が大切です。 育成期にしっかりと基礎練習を行うことにより、成長期の技術向上につながります。そのためには、成長期ならではのけがの負担軽減、成長を止めないような、しっかりと整備された練習場や試合会場の施設が必要だと思います。競技人口増加、技術力向上を図る上でも、県の支援が必要不可欠と考えます。 そこで、まずこのような本県の地元チームに対してどのような支援があるのか、文化生活スポーツ部長にお聞きします。 ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 議員のお話にありました2つのチームに対する支援につきましては、まず高知ファイティングドッグスに対しましては、官民で構成する、高知ファイティングドッグスを応援する県民会議の設置、またホーム公式戦における県外からの観戦客への県内特産品の贈呈に要する経費の負担、さらには広告経費への助成などにより、県内外のファンの拡大などに取り組んでいるところであります。 また、高知ユナイテッドスポーツクラブに対しましては、市町村教育委員会を通じた県内の小学生へのホーム戦無料チケットの配付、またそれらの来場者の中から抽せんで特産品やサッカーボールを贈呈するための経費の負担、さらには関係機関との連携による試合会場や練習場の確保などへの協力を行いますことで、ファンの拡大を図るとともに、同クラブが目指すJリーグ入りに向けた支援も行っているところであります。 今後とも両チームや関係機関と連携し、県民に愛されるチームづくりや、県内外のファン獲得などに向けた支援を引き続き行っていく考えであります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。 県下の県立高等学校にも視察に行かせていただきました。競技人口が減少し、1つの学校だけでは大会に出られない競技があります。競技人口の減少は技術向上にもつながらず、スポーツ選手育成強化にもつながらないと思います。幼少期からの競技参加を促す点からも、施設整備が必要と感じております。競技によっては多くの方に競技人口を広めるため、県下の市町村の保育園や小学生に対してスポーツ教室などを開き、子供たちに競技の魅力を広める努力を続けられています。 そこで、ジュニアチームからの技術力向上には施設の整備は不可欠だと思われますが、県立だけでなく、県内のスポーツ施設整備に対する支援についてどのようにお考えか、文化生活スポーツ部長にお聞きします。 ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 本県の子供たちのスポーツ活動などが行われております施設につきましては、それぞれの施設の設置者が地域の実情などに応じて整備することが基本でありますが、県全体の競技力の向上に寄与し、スポーツツーリズムの推進による地域の活性化につながる施設を市町村が整備する場合には、県がスポーツ推進交付金により支援してきたところであります。 これによりまして須崎市浦ノ内の海洋スポーツパークや、土佐町さめうら湖周辺のカヌー施設が整備され、利用者の増加や競技力向上などの成果につながっているものと考えております。今後も市町村や競技団体などの御意見を丁寧にお聞きしながら、必要な支援を検討していく考えであります。 ◆3番(桑鶴太朗君) ありがとうございます。魅力ある施設の整備は県内の多くの子供たちの希望です。また、夢や目標に向かって頑張る子供たちのためにも、県全体での応援が必要不可欠だと思います。また、JR沿線上の施設を使用することにより、公共交通の利用促進にもつながると思いますので、ぜひ支援をよろしくお願いいたします。 もう一問考えておりましたが、時間がなくなりましたので、これで質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、各部局の皆様はそれぞれ丁寧な御答弁をありがとうございました。私は、これからも一県民、一事業者目線を忘れることなく、県勢浮揚に向けしっかり勉強してまいりますのでよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西内隆純君) 以上をもって、桑鶴太朗君の質問は終わりました。 ここで午後3時5分まで休憩といたします。   午後2時45分休憩-----------------------------------   午後3時5分再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 濱口涼子さんの持ち時間は50分です。 1番濱口涼子さん。 ◆1番(濱口涼子君) 1番、自由民主党の濱口涼子でございます。議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。 6月議会では、途中棄権をしてしまいそうになりまして、皆様方には大変御心配をおかけいたしました。今回はしっかりと完走を目指して取り組みたいと思っておりますし、完走しないことには地元に帰れませんので、しっかりと頑張りたいと思います。それでは、執行部の皆様、よろしくお願いいたします。私の今回の質問は、大きく4つでございます。 まずは、児童虐待防止について御質問をいたします。 これまでも多くの自民党県議の先輩方が質問をされてきております児童虐待防止について質問をいたします。児童虐待防止について、私たち自由民主党女性局が長年にわたり重要な政策として勉強を重ねてきた政策であります。厚生労働省が11月は児童虐待防止推進月間と位置づけており、11月にはハッピーオレンジ運動と題しまして、街頭で児童虐待防止の推進活動を行っております。 児童虐待の防止等に関する法律が平成12年に施行され、今まで幾度となく改正され、現在に至っております。しかしながら、その間も児童虐待は行われ、国が子供たちに対する命と人権について、より深く考え始めたと言っても過言ではない平成30年に、東京都の目黒区で起きました虐待事件、船戸結愛さん、当時5歳が亡くなった事件、また平成31年には、当時小学4年生の栗原心愛さんが、父親に夜中に何時間も立ったままいろと命令されたり様々な暴行を受け、最後は寒い寒い冬の夜、浴室で水をかけられ亡くなった事件がありました。 どちらも警察の聞き取り調査において、近所の方は大きな声や物音、どなり声、子供の泣き声を聞いたと証言しておりました。それにもかかわらず救うことができなかったこのような悲しい事件が二度と起こらないためにも、そして今も、もしかしたらどこかで両親などから虐待を受けている子供たちを救うためにも、児童虐待防止法に基づき、高知県の社会全体で子供たちを守っていかなければなりません。 皆さんは、児童相談所虐待対応ダイヤル189番を御存じでしょうか。189番は、通報者の個人情報等秘密は守られます。令和元年度からは通話料も無料化されており、児童虐待を目撃したら、また自分自身が虐待を受けている子供たちが相談できるダイヤルです。1つ目の質問は、9月10日、高知新聞に掲載されておりました児童虐待数が高止まり452件である、昨年認定されただけでも452人の子供たちが大人たちから虐待を受けている、この記事を踏まえて質問をいたします。 まず、令和3年度に県内の児童相談所が認定した児童虐待の種類別の件数を子ども・福祉政策部長に伺います。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 令和3年度に県内2か所の児童相談所で認定した児童虐待の件数は452件で、過去3番目に多くなったところです。虐待の種類別では、言葉や態度などによる心理的虐待が59%の266件と最も多く、身体的虐待は25%の111件、子供の養育を怠るネグレクトが15%の68件、性的虐待が1%の7件となっております。 ◆1番(濱口涼子君) 相談件数が655件、このうち児童相談所で認定された件数が452件というふうに伺いました。また、児童虐待と認定され、先ほどの部長の御答弁によりますと、約6割が心理的虐待ということです。 心理的虐待とは、暴力ではなく、例えば大声で子供をどなったり、机をたたいたり、物を投げたり、大きな音を立て子供を威嚇したり、無視をしたり、拒否的な態度を取ったり、著しくきょうだいでの差別をしたり、子供たちの自尊心を傷つける言葉を繰り返し使って、子供たちの心を傷つけることをいいます。また、父親が母親に対して暴力を振るうなどのドメスティックバイオレンスを子供に目撃させるなど、心理的虐待は様々ありますが、このような心理的虐待がなかなか減らない現状に大変危惧をしております。一方、ほかの数字を伺いますと、身体的虐待、ネグレクト、これは令和2年度より少し減ってはおりますが、性的虐待は令和2年度から変わっておらず、こちらも心配をしています。 さて、次の質問ですが、昨年度より児童虐待の件数が若干減少しているとはいえ、依然高止まりの状況で大幅な減少はしておらず、県はその要因をどう分析するのか、子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 本県の児童虐待の認定件数は、平成30年度が420件、令和元年度が458件、令和2年度が583件、令和3年度が452件となっております。令和2年度の大幅な増加は、コロナ禍で在宅時間が増えたことでのストレスの高まりが要因の一つと考えております。 認定件数が高止まりをしている要因としましては、1つは広報啓発によりまして、以前より児童虐待に対する県民や関係機関の関心が高まっていることで、児童相談所への速やかな虐待通報につながっていることが要因と考えております。 また、核家族化や地域のつながりの弱まりによりまして、親族や地域から子育ての支援が受けづらくなっております。子育て家庭が地域から孤立し、家庭の養育力の低下や家庭の経済状況の厳しさなどによる子育ての負担感や不安感などが要因となって、虐待に結びついているものと考えております。 ◆1番(濱口涼子君) 部長の御答弁によりますと、コロナ禍で在宅時間が長くなり、在宅する時間が増えて、それによる虐待が増えたのではないかという報告でありましたけれども、本来であれば、お父さん、お母さんと一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、家族の時間が楽しくて、家にいる時間が楽しいと思うのが子供の家庭であると思いますけれども、とても残念なことが原因であるというふうに考えられていることが分かりました。 そのほか、虐待での一時保護の件数が120件あるというふうに資料のほうで拝見いたしました。その120件のうち、職権保護で保護者に同意を得ずに安全確保のために保護をした、つまりは緊急的に保護をしなければならないと判断した件数が82件もありました。この数字を見ましても、本当にこの児童虐待というのは重要性が分かる次第です。 それでは、次の質問に移ります。令和2年に起きた児童虐待ではないかという通報に、保護者にその情報を漏えいしてしまうという事案が報告されました。この反省点を踏まえ、それ以後の対応を警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(江口寛章君) 児童虐待の疑いがある保護者等に対して、通報元の情報は通報者保護の観点から明かさないことになっております。県警察としては、児童虐待の防止等に関する法律の趣旨や警察庁からの通達などを踏まえまして、指導・教養を行ってきたところでございますけれども、結果として十分浸透していなかったという点を踏まえまして、発生直後に個別指導や巡回指導を実施したほか、児童虐待に係る通報元保護の再徹底について通達を発出して、全警察職員に指示をいたしました。 指導・教養は現在も継続的に実施をしておりまして、本年度専科などの各種教養機会に加えて、各署幹部や経験の浅い若手警察官を対象とした指導を実施しております。この点の改善を含めた児童虐待対策の一層の充実強化に努め、被害児童の安全確保に努めてまいる所存でございます。 ◆1番(濱口涼子君) 幹部から若手まで対象といたしまして、教育を徹底していくという警察本部長の御答弁がありまして、少し安心をいたしました。 児童の虐待を防止する、虐待されている子供たちの命と人権を守る上で、警察と児童相談所、また地域や行政等の連携は必須であると考えます。警察官も県警の警察官から地域におられる駐在所の警察官まで、皆さんが子供を守るために何をしなければならないのかをしっかりと理解していただきたいと思います。 虐待かな、隣の子供さんはいつも泣いていて大きな声が聞こえてくるな、たとえそう思っても、通報するか否かは、通報したことが本人に知られてしまうのではないかという不安から、通報をためらうという意見が圧倒的で、通報をできないでいます。なぜなら、特に高知県のような地方は隣近所が顔見知りでありますので、もし通報したことが知られたりしたら、今の場所で住めなくなるのではと不安から、見て見ぬふりをすることが多くなっています。 引き続き、警察のほうにおきましてもしっかりとした秘密を守る、秘密を厳守する、そういったことに取り組んでいただきまして、一人でも多くの通報者が増えますように、そして子供たちが命と人権を守られますように祈っています。 昨年は、認定されただけでも452名の子供たちの命と人権が脅かされ、理不尽な大人による虐待を受けています。認定をされたのが452名。通報していない、誰にも言っていない、まだそういった子供もいるのではないでしょうか。 児童相談所、警察、行政、そして地域等がしっかりと連携をして、高知県の子供たちの命と人権を守ってほしいと強く要望いたします。 さて、この項の最後の質問は、9月10日、高知新聞にもあったように、高知県は今年度も児童虐待防止への対応を強化するとのことですが、今後どのように強化をしていくのか、子ども・福祉政策部長に具体的にお伺いをいたします。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 児童虐待は、児童にとりまして深刻な権利の侵害であり、児童の健全な育成に重大な影響を与えることとなります。県としましては、市町村や関係機関、地域住民等と協力し、発生予防と早期発見、早期対応の視点で児童虐待防止に向けました対応を強化してまいります。 発生予防では、11月の児童虐待防止推進月間を中心に、広報啓発活動の充実強化や児童の権利擁護に関する研修等の実施、また妊娠期から保健師等が子育て家庭に寄り添い、リスクに応じた切れ目のない支援を行う高知版ネウボラの各市町村での拡充や、子育て家庭と地域の様々な方々をつなげるための地域づくりなどに取り組んでまいります。 また、早期発見、早期対応では、身近な地域で子育てに関する相談支援を行う子ども家庭総合支援拠点の市町村への設置の促進や、児童虐待を見逃さないための保健、医療、福祉、教育等の連携の強化、児童相談所や市町村における個別事案への対応力の強化などによりまして、児童虐待防止の対策にしっかりと取り組んでまいります。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。 先ほど部長の答弁にありました子ども家庭総合支援拠点の設置されておる市町村ですが、令和3年度は12市町村となっております。これ、引き続きしっかりと力を入れて、各市町村に設置できるように、お力添えをいただきたいというふうに思っております。 11月は、厚生労働省が児童虐待防止推進月間と定めております。広報などの啓発により県もしっかりと力を入れて、児童虐待防止についての啓発の推進をしていただけるというお話を伺いまして、安心をいたしました。 全国の数字を見てみますと、令和2年度、児童虐待で亡くなった子供の数は全国で77名おります。児童虐待としての対応で相談された件数は20万7,000件余りです。全国の数字を見ましても、この課題は重要な政策であると考えます。本県でもぜひとも児童虐待防止について、より一層の周知や啓発に努めていただきたいと思います。 県内で虐待されている子供、被虐待児の年齢を見てみますと、ゼロ歳から未就学までが183名も虐待されております。小学生は159名、中学生は74名、高校生以上が36名となっていて、主たる虐待者が、両親が一緒に虐待していることが半数近くを占めていると数字が出ています。改めて数字を見ても、本当に恐ろしいことでありますし、詳しい家庭内情については、コロナ禍の不安定さだったり、貧困であったり、虐待をするに至った背景など、様々なところに原因があるとは思いますが、どんな理由があるにせよ、子供たちの権利を侵害する虐待は断じて許しません。 また、私が注目した数字は、県内の虐待通告経路の中、その中の10件という数です。児童相談所が虐待と認定した452件のうち、僅か10件という数字に着目をいたしました。この10件のうち虐待と認定されたのは8件でありましたが、この10件は虐待された本人が通告しています。 本人の通告件数は平成30年から年々増えており、令和2年度から比べると、令和3年度は倍近くの数になっています。本人通告のこの数字に着目し、児童相談所虐待対応ダイヤル189番の周知を、子供たちも含め全ての県民に周知できるように、また取り組んでいただきたいと思います。例えば、9月10日の高知新聞に児童虐待の記事が出ました。その記事の下に児童相談所虐待対応ダイヤル189番を掲載するなど、目につきやすい場所で県民に周知することも重要なのではないかと考えます。 4月に子供政策の司令塔となるこども家庭庁が設置をされます。国では6月からこども家庭庁設立準備室が設けられていると伺いました。児童虐待の発生予防、発生時の迅速、的確な対応から、虐待を受けた子供たちの自立支援まで切れ目のない総合的な対策も進めなければなりません。その上でも、高知版ネウボラにも期待をしております。各市町村にこの高知県のネウボラが広まり、県民を挙げて子供たちを守り、子供たちの成長を育む優しい高知県であってほしいと願います。 今回は、児童虐待に特化をして質問をいたしましたが、子供たちを取り巻く環境には、ヤングケアラーや不登校児に対する支援など様々な子供への支援の強化を望みます。子供は高知県の宝、国の宝であります。県民を挙げて子供たちを守り育む、優しい高知県であってほしいと願います。 それでは、続いての質問に移ります。昭和35年から5年ごとに調査をされている集落調査によりますと、県全体の人口は平成27年から3万6,000人以上減少しており、過疎地域においては平成27年から1万8,000人以上が減少し、9.2%の割合で人口減少が過疎地域では進んでいます。次の質問は、中山間地域の人口減少の課題について質問をいたします。 また、県全体の高齢化率は35.5%、平成27年の調査と比べては2.7ポイント上昇し、香南市にもあります過疎地域の高齢化率は45.2%と3.5ポイントも上昇しています。全国で2番目の高齢化率となる高知県でありますが、まず中山間地域の人口減少課題について。まず、最初に香南市でも毎年のように地域のお助けマン、地域おこし協力隊が就任していることもあり、地域おこし協力隊について質問をいたします。 まず1点目は、各市町村に配置されている地域おこし協力隊について現在の総数を中山間振興・交通部長に伺います。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 県内の地域おこし協力隊の人数は、令和4年9月1日時点で225名となっております。この本県の状況を全国とで比較して見てみますと、比較可能な数字は令和3年度になりますが、人数では北海道、長野に次いで全国第3位、人口10万人当たりでは全国第1位となっております。 ◆1番(濱口涼子君) 全国第3位という225名の方が令和4年度は高知県で活躍をされているということでございますが、私の住む香南市にも地域おこし協力隊がたくさん就任しておられます。 また、この地域おこし協力隊について、実際に活動されておられる地域おこし協力隊の皆さんの主な分野を中山間振興・交通部長に伺います。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 協力隊員の主な活動分野といたしましては、農林業の振興や観光振興、地域づくりなどが多く、この3つの分野で今年度9月1日時点で225名のうち150名が割合を占めております。 ◆1番(濱口涼子君) それでは、続いてその地域おこし協力隊が高知県に定住している定住率を中山間振興・交通部長に伺います。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 国の調査では、平成21年の制度開始から令和3年度末までに、任期終了または退任した隊員の累計の県内定住率は64.6%となっております。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。64.6%、承知いたしました。 その地域おこし協力隊の皆さん、定住率が64.6%ということでありますが、具体的にお伺いしたいと思います。地域おこし協力隊の皆さんが実際に定住へとつながった事例について中山間振興・交通部長に伺います。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 県が行ったアンケートでは、協力隊員の方が定住を決断した理由として、仕事や収入、人間関係などの答えが過半数を占めている状況でございまして、実際に定住へとつながった主な事例を見てみましても、ミッションとしてお茶の生産に従事して、任期終了後も農地を引き継いで、お茶の農家となった津野町の事例、また活動期間中に地域の方々と深いつながりができて、任期終了後もその地域で活動することになりました本山町の事例など、仕事や人間関係、これが動機となった例が多くございます。この協力隊の制度が産業や地域の担い手育成、担い手確保という意味でも、非常に有効な制度であるということがうかがえるところでございます。 ◆1番(濱口涼子君) 香南市にも山北みかん農業に就農された方がおります。地域の先輩方にミカン作りを習いながら、おいしい山北みかんを生産されています。地域にとっては若い人材は重宝され、期待も大きく、何より山北みかん作りを廃業される方の山を受け継ぎ、再生し、また新しいミカン山をつくる、定住する地域おこし協力隊の存在は絶大です。 ほかの市町村でも、先ほど部長のお話にもありましたが、津野町や本山町でも定住されているということを聞き、また定住率が64.6%と私の想像の中では大変高く、安心したところでございます。地域おこし協力隊の皆さんにも、ぜひそれぞれの地域で移住促進のリーダーとしても活躍してほしいと思っています。 さて、続いての質問ですが、午前中、また先ほど自由民主党の上田県議や桑鶴県議の質問の中にもありましたが、高知県は現在、空き家率が全国1位となっています。売却、借家等の使用目的がない空き家は県内に5万戸あると言われており、10戸に1戸が空き家ということになります。また、県内でも毎年2,000戸の空き家が増加していると言われ、今後もどんどんと増えることが予想され、この空き家について質問をさせていただきます。 令和4年3月に報告されました高知県集落実態調査での集落の代表者への聞き取り調査の中で、移住者などがすぐに、または少し直せば入居できそうな空き家があると回答した集落が37.9%ありました。一方で、今住んでいる家の管理については、36.1%の住民が1年から5年、または5年から10年以内で管理できなくなる不安があると回答しています。この数字は、先ほど申し上げました、高知県内に約5万戸ある空き家、また1年間で2,000戸以上の空き家が増加していると言われる数字にも比例するものであります。また、そんな中、私が地域に伺い、様々な皆様から御意見を伺う中で、実は地域に移り住んでほしい人、それは息子さんや娘さん、Uターンの移住者を望む声が多かったです。娘さんや息子さんが実家にUターンしたくとも住む家がない、そういった御意見も多くございます。 高知県にある空き家を活用するためにも、空き家対策について本年度強化して取り組んでいることを土木部長に伺います。 ◎土木部長(荻野宏之君) 今年度から住宅課内に空き家対策チームを設置し、関係部局や市町村と連携して取組を強化しているところでございます。その取組の一つとして、所有者に空き家活用に向けて家族で使う、売る、貸すなど早期の決断を促すため、啓発リーフレット、空き家のミライ、いわゆる空き家決断シートを作成いたしまして、全市町村の窓口で無料で配布しているところでございます。 また、空き家所有者からの様々な困り事に総合的に対応するため、相談窓口を7月に開設しており、今後県内3か所で出張相談会も開催する予定でございます。引き続き、空き家所有者への新しい取組の周知と、空き家の活用に向けた県民の意識醸成を図り、空き家の掘り起こしにつなげてまいりたいと考えてございます。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。 土木部長から御説明がありました空き家のミライ、決断シートというものですが、こちらでございます。(現物を示す)県民の皆様にどれだけ周知しているのかというところが大事なところになってくると思いますけれども、具体的に見てみますと、様々な詳しく事細かく空き家に対する、どういうふうにすればいいのかということが書かれております。我が家の進む道ということで、イエスかノーかで答えながら、自分の家をどうするかということなど、詳しく書かれておりますので、ぜひとも御家族や、例えばお正月など御親戚が集まるときにこちらを利用して、今住んでいるところ、もしくは今ある御自分の空き家を今後どうしていくのかというところを話して決めていただく。まずはここからがスタートだと思いますので、県民の皆様に広く周知したいと私も思っておりますし、土木部長におかれましても、県としてもしっかりとこの空き家のミライという決断シートを一人でも多くの県民の皆様に知っていただけるように、周知活動をお願いしたいと思っております。 この空き家のミライの中にも載っておりますけれども、地域おこし協力隊の定住、移住、空き家対策に丁寧に取り組んでおられることはよく分かりました。こうした取組は中山間地域の人口減少対策にも一定の効果があると思っております。 空き家は、この決断シートの中にも載っておりますが、時間がたてばたつほど家は劣化いたします。まだ人のぬくもりがあるうちに新しい方に住んでもらうということがベストです。この決断シートの中に掲載されている中で、大月町ではカフェとして、そして我が香南市では岸本の集落活動センターの活動拠点として空き家を活用しております。 例えば、住居としてだけではなく、様々な活用方法があるのではないでしょうか。私の友人は、子供からお年寄り、ペットまでが地域で集える居場所をつくるため、空き家を使って取り組もうと活動をされている友達もおります。新型コロナウイルス禍で1つだけよかったことは、都会で働くという選択肢だけではなくなった、転職しない移住など、都会の密を避けた地方暮らしに踏み出す方が増えたということではないでしょうか。 そこで、次の質問は、今こそ高知県は各市町村と連携をし、都会にいる高知県の出身者に地元に帰るきっかけをつくり、Uターンを促す、地元に帰ろう政策を強く打ち出してはどうでしょうか、中山間振興・交通部長の御所見をお伺いいたします。 ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 移住を検討される方は、まず自分の出身地を移住候補として検討する可能性が高いと思われます。また、こうした方は地域の生活や暮らしになじみがありますことから、また地域も受け入れやすい、地域にも溶け込みやすいと考えられますことから、実際の移住、あるいはその後の定住につながりやすいと考えられます。 こうしたことも踏まえますと、御提案にありましたように、本県出身者に対し地元に帰ろうというメッセージを強く打ち出すことで、本県に帰るきっかけをつくる取組、これは中山間地域の人口減少対策あるいは活性化という点からも大変有効と考えられます。 このため、市町村や産業団体とも連携しながら、県出身者に情報を的確に届けるための新たな手法の検討、あるいは空き家のマッチングツアーや、魅力的で多様な働き方の掘り起こしといった、住まいや仕事の確保対策など施策のバージョンアップを行いまして、Uターン促進策をさらに強化してまいりたいと考えております。 ◆1番(濱口涼子君) 前向きな御答弁をありがとうございました。 令和3年度の集落調査におきまして、集落の将来像を代表者に聞き取り調査をした数字を見てみますと、10年前の調査結果と比較しますと、集落全体が10年後に衰退するという回答が圧倒的に増えています。また、9世帯以下の小さな集落においては28.1%、約3割の割合で集落の一部または全部が消滅するのではないかという危機感を持たれております。集落を引き継ぐ後継者も9世帯以下の小さな集落では54%、半数以上が地域には後継者がいないと答えています。 人口減少は中山間地域にとって喫緊の課題です。しかし、高知県の集落調査におきまして、将来の居住意思は、今住んでいる同じ集落に住みたい、住み続けたいという回答が68.2%もありました。家を継ぐ、田畑を継承する、そうしたことも含めて、やはり地元にUターンすることが一番の地域への支援につながるのではないかと期待をしています。 移住、定住の政策において、全国の皆さんに高知に来てほしい、そういう広い視野ではなくて、あなたに来てほしい、あなたに高知に住んでほしい、そういってターゲットを絞る政策も必要なのではないかと考えます。住み続けたい人と、新しい風となってくれるIターンやUターンの移住者。高齢化の一途をたどる中山間地域に抜本的な新しい支援の改革をし、再び明るい風を地域に吹き込む。引き続き県としても市町村としっかりと連携を取りまして、空き家の活用、Iターン、Uターンの御支援を要望いたします。 それでは、次の質問に移ります。次は、新型コロナウイルス感染症第7波において、福祉の現状についてお伺いをいたします。 昨今は感染者が減りつつあり、ウイズコロナからアフターコロナへの道筋も見えてまいりました。しかし、第7波においては、1日の感染者が1,800人、ついには2,000人を超える日がありました。医療の現場は逼迫し、医療従事者の皆様には本当に御苦労をおかけしました。 最前線の現場で働かれておられる若い看護師さんから多くの声を聞かせていただき、家庭内感染で日に日に現場から看護師がいなくなるという厳しさ、また福祉の現場からも大きな声をいただきました。今日は、その中で私に寄せられた地域福祉の現場をお伝えいたします。 高齢者が通うデイサービスでクラスターが起きたため、デイサービス自体が閉鎖となり、高齢者が自宅待機となり、家族が介護が必要となったため、仕事を何日も休まなければならなかった。また、家族が陽性になった高齢者は、高齢者本人が罹患していなくても通所介護事業所に行けなくなり、陽性者の家族が入院したため老老介護となった。コロナ感染拡大に伴い訪問ヘルパーが利用できなくなり、高齢者の夫婦だったので買物や通院などに困った。重度の発達障害児、認知症等の通常生活時の要支援者を持つ御家族からは、抗原検査やPCR検査の対応の難しさ、また隔離生活が不可能で、結果的に家庭内感染が広がってしまった。介護施設ではクラスターが起き職員が不足し、保健所に連絡した上で、やむを得ず軽症の陽性職員が軽症の陽性入所者を介護するという現状があった。こういったすさまじい悲惨な内容が寄せられた第7波では、高齢者の皆さんをはじめ要支援者本人も、また御家族も生活環境が変わったり、心細い不安な日々を過ごされたのではないでしょうか。 コロナ対応、老老介護、様々な問題で新型コロナウイルスが発症してから、間もなく3年がたとうとしている第7波でも混乱を来し、課題は山積みである。特に、今回は支援体制が弱いところ、高齢者を取り巻く環境に一気にしわ寄せが行ったと感じました。 そこで、1つ目の質問は、新型コロナウイルス第7波において、県は地域の在宅福祉サービスの状況を踏まえてどのような対応をしておられたのか、子ども・福祉政策部長に伺います。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 第7波の中、通所や訪問サービスを実施しています福祉事業所では、利用者や職員の感染等により、サービスの提供を一時休止する事例も多くありました。高齢者や障害のある方が、サービスが届かない不安の中で在宅で生活することになるため、通所系の事業所では休止中でも代替のサービスとして、自宅への訪問や電話連絡による安否の確認、さらには他の事業所でのサービス提供のための調整などに取り組んでおります。 県におきましては、こうした事業所の対応に対しまして、国の制度を活用して時間外手当などの人件費や、必要となる経費などの助成を実施しております。また、施設団体と連携をしまして、サービス継続のための事業所間の相互応援の仕組みづくりなどに取り組んでいるところでございます。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。よく分かりました。 また、入所施設の現場の状況を踏まえて、どういった対応をしておられたのか、子ども・福祉政策部長にお伺いいたします。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 高齢者が入所する施設等では、多くのクラスターが発生をしております。県としましては、施設の新型コロナウイルス感染症への対応力の向上を支援するため、重症化を防ぐための初期対応や施設内での適切な療養のための医療機関との連携体制の確保、感染管理の対応力の向上に取り組んでおります。 現在、感染発生に備えましたチェックリストを県所管の291施設に配布をし、各施設で自己点検を実施しております。チェックリストの提出がありました165施設のうち、感染発生時の医療機関の確保ができていない50施設につきましては、医師会などの協力も得ながら、連携体制の構築を支援しているところでございます。また、医療機関を確保している施設につきましては、各施設の課題に応じて専門家の派遣などにより、施設の対応力の向上を支援しているところでございます。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。引き続きの御支援、御対応をよろしくお願いいたします。 さて、今大切なのは、次の第8波に備えた準備です。また、もし今後冬に向け2,000人を超えるような感染が拡大した場合に、第7波の教訓を生かせるかが重要になってきます。 3つ目の質問は、県の次の第8波に備えた今後の取組についても子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 感染症対策の強化に向けましては、まずは事業所における職員の感染を早期に発見するため、国の事業を活用して、地域と期間を定めて集中的に抗原検査を実施する体制を整備してまいります。 在宅サービスの継続につきましては、市町村や居宅支援事業所に対する助言などを行いまして、通所系の事業者が休止となる場合は利用者の状況に応じて他の事業所を利用できるよう、事前の調整を行うことを徹底してまいります。 入所施設につきましては、まずは感染発生時の医療機関の確保に向け、福祉保健所が中心となって感染発生時の医療機関との連携を推進してまいります。さらに、各施設が策定をします業務継続計画、BCPと連動させまして、施設内での研修や訓練を継続的に実施することにより、感染が発生した場合でも安定的にサービスが提供できる施設の体制整備を支援してまいります。 加えて、感染時の施設内の役割分担や連絡体制を事前に定めておくことや、対応マニュアルの作成など、非常時における施設管理者等の管理能力の向上に向けた研修を施設団体と連携して実施することで、感染時の対応力の向上を支援してまいります。 ◆1番(濱口涼子君) では、次の質問に移ります。 次の質問は、私に寄せられた声の中にも多くありましたけれども、介護施設、そういった福祉施設の中でも一定の物価高騰によるしわ寄せが多くあるというふうに伺っております。 今9月議会にも補正予算が提出されておりますけれども、物価高騰緊急対策給付金について、社会福祉施設への支援を具体的に子ども・福祉政策部長にお伺いいたします。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 物価高騰の影響を受けながらも、福祉サービスの安定的な提供を継続している社会福祉施設等に対しまして、給付金を支給するものでございます。社会福祉施設におきましては、光熱費や燃料費、食事の提供に係る食材費等の支出割合が高く、物価高騰の影響を大きく受けることから、その増加負担の軽減を目的としております。 給付額は、入所系の施設は利用定員に応じて15万円から35万円、通所や訪問等を行う施設等は10万円としております。施設の安定的な事業運営を図ることによりまして、継続的な福祉サービスの提供に向け支援をしてまいります。
    ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございました。丁寧な御説明をありがとうございました。 医療・介護の現場は本当に苛酷で、今少し感染者が落ち着いてきておりますけれども、医療従事者の皆さん、特に看護師の中にはシングルマザーで働かれている女性も一定おられますし、エッセンシャルワーカーと呼ばれる皆様方には、本当に御苦労をおかけいたしまして、心からの感謝を申し上げます。引き続き新型コロナウイルス禍でありますので、我々も一定の支援をしてまいりますし、先ほど部長から伺いました、社会福祉施設などへの給付金についても、少しでも多くの該当者に周知できるように徹底してまいりたいと思います。 それでは、続いて最後の質問に移ります。農業者への支援策についてお伺いをいたします。 原油高、物価高騰はどこの業種の経営へも圧迫度が加速し、多大なる影響を受けています。今回の質問は、高知県の基幹産業であります1次産業、農業、畜産業の支援策についてお伺いをいたします。 今議会の補正予算で出されている農業者への支援として、肥料高騰緊急対策事業費補助金、この内容を具体的に農業振興部長に御説明いただきたいと思います。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 国では今回新たに肥料価格高騰対策事業を創設しまして、令和4年6月から10月までに購入した秋肥と、令和4年11月から令和5年5月までに購入した春肥の購入代金について、前年からの価格上昇分の7割相当分を支援するようにしております。今回議会に提案しております肥料高騰緊急対策事業費補助金は、国の事業スキームを活用しまして、購入した秋肥の価格上昇分の1割相当分を県として補助するものでございます。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。国は秋肥だけでなく春肥までの支援を決めていますので、ぜひとも継続的な御支援をお願いしたいと思います。 続いて、畜産業への支援として、今議会の補正予算に提出されました配合飼料高騰激変緩和対策事業委託料について農業振興部長に伺います。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 国のセーフティーネットでございます配合飼料価格安定制度が令和2年度の第4・四半期から発動しております。ただ、こちらは制度上、現状のように配合飼料価格の上昇が続いている状況では、価格上昇分を十分に補填し切れず、畜産農家の経営を圧迫している状態でございます。このため、今議会に提案しておりますのは、配合飼料高騰激変緩和対策事業委託料としまして、国の制度では補填し切れない価格上昇分の2分の1相当額を、配合飼料の購入費などに応じて緊急的に支援するものでございます。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございます。 農業を取り巻く環境は大変なものになっております。高知県農協農政会議とJA高知中央会から県知事への要請もあったと思いますが、物価の高騰に加えて、台風14号で県内での被害も大変なものとなっております。 今こそ既存の農家をしっかりとお守りいただきたい、高知県の基幹産業を守り抜いていただきたいという強い思いを込めまして、最後に既存の農家を守り抜く強いメッセージを知事の言葉でお聞かせください。 ◎知事(濱田省司君) 農業は食料を供給するという役割に加えまして、国土の保全、水源の涵養、また多面的な機能も有しております。特に本県におきまして、農業は全国トップシェア・トップクラスの農作物をはじめとして、多種多様な農作物を生産しておりまして、観光の魅力にもなります豊かな食を支えていただいている。特に、中山間地域におきましては、農業が主要な産業となっており、加工品づくりなども行われているというところでございます。 一方で、ただいまお話がございました今般の肥料、燃油などの異常な価格高騰がございまして、これが農家の経営を圧迫しております。この先行きへの不安感から生産規模の縮小、経営を断念するような農家が出てくるのではないかという懸念もされているところでございます。 このため、県におきましては、ただいま農業振興部長からも説明いたしましたような支援策を、国に呼応して実施するということにいたしております。今後も価格の動向などを注視しながら、例えば省エネルギー設備の整備ですとか、みどりの食料システム戦略への対応といった構造転換の推進に資する分も含めまして、必要な対策を速やかに講じていく考えでございます。 あわせまして、本県農業の今後の発展を考えました場合、先日本格稼働いたしましたIoPクラウド、SAWACHIを核といたしましたデータ駆動型農業などによります生産性の向上に資する施策、これも大事だと思っております。こういったものもしっかり展開をさせていただきまして、若者が夢と希望を持って働ける、地域で暮らし稼げる農業の実現に向けて全力を尽くしてまいります。 ◆1番(濱口涼子君) ありがとうございました。力強いメッセージを知事からいただきました。農業の支援策におきましては、ぜひとも長期的な支援をお願いしたいと思っております。 今、農業は新しい農業の形が生まれています。高知市から佐川町に移住し、同級生3人でニラ農家をしている若者に会いました。それぞれが個々の圃場を持ちながら、マンパワーと農機具、様々なものをシェアしております。協力はしているが、それぞれ個性を持ち、自分流でニラを作っている同士であり、ライバルでありました。そういった若い就農者のためにも、今こそしっかりと既存の農業を守り抜く強い思いで政策を進めていただきたいと思います。 本日は、執行部の皆様におかれましては大変御丁寧な御答弁をありがとうございました。これからも高知県の1次産業におきましても、また様々な業種におきましても、しっかりと力強くお支えできるように、地域の声を上げてまいりたいと思います。 以上をもちまして、私の一切の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、濱口涼子さんの質問は終わりました。 ここで午後4時まで休憩といたします。   午後3時55分休憩-----------------------------------   午後4時再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 森田英二君の持ち時間は60分です。 20番森田英二君。 ◆20番(森田英二君) 議長のお許しをいただきましたので、質問に入ります。私でとうとう最後の質問者、22番目になります。お疲れでしょうが、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、具体的な質問に入ります前に、去る7月8日、参議院議員選挙のさなか、応援演説中に凶弾に倒れられました偉大な元総理大臣、安倍晋三氏に対しまして心から哀悼の誠をささげ、御冥福をお祈り申し上げます。 知事はこのことを受け、高知県を代表して、つい先日、9月27日に行われた日本武道館での安倍元総理の国葬儀に参列をしてくださいました。誠にありがとうございました。この国葬儀については、知事は先日の今城議員の質問に対し、長年にわたり内閣総理大臣を務められた御労苦を心からねぎらい、哀悼の誠をささげたと述べられました。県民の代表として御参列をいただきましたことに対しまして、この場をお借りして改めましてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。 国葬儀というのは、国家に対して多大な功労のあった人の死に際しての礼儀であり、その儀式であります。私は、安倍元総理の実績というのは、外交面での日本国の評価や位置づけを著しく、また抜本的に高らしめたという点で、まず大いに評価をするものであります。さらには、日本人としてのアイデンティティー、つまり忘れかけていた日本人たる誇りや自信を私たち今の日本人に思い起こさせ、また奮い立たせてもくれました。こうした点で、これまでの歴代の総理にはなかった実力と存在感が安倍元総理にはありました。218の国や地域、国際機関などから、安倍元総理への数々の弔意や敬意があったことも当然の評価だと思います。 このように大きな功績のあった安倍元総理の国葬儀が厳粛な式典として執り行われたことに対して、一国民として今とても安堵し、満足感を覚えております。 そこで、濱田知事の安倍元総理の業績に対する評価についてお聞きをいたします。 ◎知事(濱田省司君) 安倍元総理は、憲政史上最長となります8年8か月にわたって総理の重責を担われまして、様々な分野で多くの功績を残されたと考えます。特に、御指摘にありましたように、外交面では「地球儀を俯瞰する外交」を掲げられまして、日米同盟の強化、そして「自由で開かれたインド太平洋」の提唱などを通じまして国際社会をリードされ、日本の存在感を大きく高めたということは言えると思います。 また、内政面では、地方創生を新たな看板政策として掲げられまして、まち・ひと・しごと創生総合戦略を導入され、また財政面での後押しも含めまして、地方の活性化に向けて全力で取り組んでいただきました。 これらは、安倍元総理の卓越したリーダーシップ、実行力のたまものでありまして、高く評価をすべきと考えております。 ◆20番(森田英二君) 地球儀を俯瞰する外交、全く同感でございまして、安倍総理で日本の存在感が一気に出た、誠に同感でございます。ありがとうございました。以下、小さなことから大きなことまで取り混ぜてお聞きをしてまいります。 まずは、関西戦略についてであります。 知事が3年前の初めての選挙で県民に対して約束をされた、濱田県政の目玉政策についてであります。この質問ですが、桑鶴議員が前の前の質問で知事とのやり取り、あるいは産業振興推進部長とのやり取りで、私の大事なエキスを全部吐き出しましたので、もう省略してもいいかなと思ったりもしますが、時間配分もありますので、桑鶴議員が自分の焼いたおいしいパンを直接関西の人に食べてもらいたい、あるいは知事が関西で見るのに何でこの大商圏の大阪へ高知は売りに来ないんだろう、あるいは産業振興推進部長がカツオのタタキのうまさを都会においてはまだまだ知らん、あの魅力を、というようなことを含めて、私の書いたとおりを先にやられました。だけど、時間配分もありますので、満を持してのこの発表となりました9月定例会での関西戦略の詳細についてお聞きをいたします。 3年間をかけて綿密な調査と構想の練り上げの上で、政策の公表となったことだろうと思います。私たち議会としましても、多くの県民が待望していた県挙げての初めての本格的な関西戦略に、今とても明るい気持ちになっております。近畿圏域に暮らす約2,000万人もの国民に向けた、初めての大型の目に見える県政策であります。意欲的で前向きな県民挙げて取り組める、とてもよい企画だと思います。 高知県民の熱い心意気と並外れた高知の食の魅力を知ってもらうのにも、絶好の大阪進出計画だと今心躍らせています。高知県の売りである新鮮野菜や魚介類についても、近年は鮮度保持輸送の技術が格段に進みました。大阪のビル街や団地を、カツオのタタキを実演販売する高知のキッチンカーが走ると思うと、思わず顔が綻びます。あわせて、高知の自然や歴史や文化も同時にアピールしてほしいとも考えていますし、高知県への移住の窓口をこのアンテナショップ内に構えるとしたのもベストだと思います。そしてさらに、この関西戦略の拠点となるアンテナショップの進出場所が、新しく躍動し始める大阪・梅田の新都心だと公表されましたので、これは銀座を超す大きな可能性を秘めていると、内心大きな期待に満ちております。 大阪は東京に比べ都心の総人口は少なくはありますが、大阪と高知県は距離的にも近く、昔から親戚や友人、知人が多く住む土地柄であります。例えば、今年春の県立・私立高校の大学合格実績表によれば、関関同立に代表される近畿圏への大学進学者の数は、関東圏の大学に比べてもはるかに多く、今も大勢の若者が関西に進学し、多分就職もしていっていることがうかがえます。 そこで、今議会中にもしっかりとこの関西戦略、議論がされることと思いますが、万全の体制を整えて、ぜひ念願の関西進出を成功させてほしいと心から願い祈っています。 まず、そこで知事に、この関西戦略について、大阪府の副知事時代からの経験も踏まえた、計画達成への県民に向けた決意をお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) 私は、大阪府の副知事勤務時代に、この大阪・関西万博の誘致がまさしく決定をしたということでもございますし、そういった意味もありまして、この万博は何としても成功してほしい、またこの経済効果は、知事となった高知にぜひ呼び込みたいと、こうした思いが強くございます。 今回発表いたしました外商強化策は、コロナ禍からの反転攻勢とすべく、こうした大阪での勤務経験も踏まえまして、県内の事業者、そして関西のアドバイザーの助言もいただきながら取りまとめたものでございます。令和6年春の開業を目指すアンテナショップをこの関西戦略の起爆剤といたしまして、その成果を県民の皆さんにぜひ実感をしていただきたい、そういった形になるように、官民で連携をして全力で取り組んでまいります。 ◆20番(森田英二君) ありがとうございました。しっかり一緒に頑張ってまいりましょう。 ところで、私はこの関西戦略についてですが、1つだけどうしても力を入れてほしいことがございます。それは、関西で暮らしている高知県出身者や高知を大好きな関西の方たちに対して、これまでのお礼と感謝から始めてほしいということです。 少し言い過ぎかもしれませんが、今回の関西での本格的な店舗展開の成否として、自慢の高知産品が単に売れたとか売れないだけではない見方を私は持っています。そして、これから長くお付き合いをする関西に高知県の拠点をつくるわけですから、大阪・関西万博も一つの通過点だと私は考えています。 自らの出身県である高知県のことを長い間思い続けて、関西で長い間暮らしてきた高知県の出身者の方たち、その中には集団就職で関西に来られた方たちもいます。また、その子孫の方々もおいでるでしょう。高知県のことを本当に大事に思い、大好きでたまらない高知ファンの人たちに対し、まず恩返しの思いを持ってスタートしていただきたい。知事は先日の答弁の中で、報恩感謝という言葉に特別な思いを持たれているとお聞きをいたしました。そうです。人の恩に報いてこそ人の道理です。 これまでは、高知に対して常に胸に熱い思いを抱いていても、身近に高知県を応援する場所も機会も少なかったことだろうと思います。知事、そうでしょう。今回こうした方々に大好きな高知を丸ごと体験もでき、自慢できる店舗がここ梅田に出店することを、しっかりと関西の方々にアナウンスをしてほしいと思います。 知事はこの関西戦略について、先日の提案説明の中で、県内の市町村はじめオール高知で頑張るとおっしゃいました。私はそれに加えて、関西に住んでいる高知県人や高知ファンの人たちの力を借りるということにも存分に心を配ってほしいと思ったことでした。大阪に出店していく高知県が頑張るのは当たり前です。買ってくれるのは関西に住んでいる方たちです。まず、そのことに心を致さないとと私は思います。 関西2,000万人商圏に暮らしている高知県の出身者をはじめ、高知ファンの多くのサイレントマジョリティーの人たちにも、関西から力強く、そして長く盛り上げてもらうことが、今目指している関西戦略の成功の鍵になると私は考えています。また、私はこの機会に、本県出身の関西の人たちに再びふるさと高知に思いを致してもらい、ふるさとの自慢もし、その上で応援もしてもらいたいんです。 関西在住の高知県関係者に真心で接することで、この関西戦略、一歩踏み出し、一層充実したものにつくり上げていきたいと考えるものですが、知事の御所見をお伺いします。 ◎知事(濱田省司君) 御指摘をいただきましたように、関西戦略の取組を進めるに当たりましては、関西在住の高知県出身者、関係者、また高知ファンの方々にお力添えをいただくと、これは大変重要な要素だと考えております。このため、関西の方々に本県の取組をまずは認知をしていただく必要があると考えまして、関西地域におきますプロモーションを抜本的に強化して、より多くの方々から協力いただけるように環境整備をしたいと考えております。 また、具体的には、今月22日の高知県人会近畿連合会総会をはじめといたしまして、京都で行われる龍馬祭など、関西の高知県関係者が多く集まる場を通じて、この関西戦略に対する県の思いを伝えまして、協力を依頼したいというふうに考えます。加えまして、アンテナショップのオープンに向けましても、高知県出身者あるいは高知ファンの方々が、自らの言わば自慢の店としてPRや利用できますように、具体的な機能、プロモーションの検討を進めてまいります。 今後も、県内は言うに及ばずでありますが、お話がありましたような関西在住の高知県出身者、また高知ファンの皆さん、こういった方々を含めた意味でのオール高知の体制を取っていくということが大事だと考えておりまして、こうした体制で関西戦略のバージョンアップを図り、成果を着実に生み出してまいりたいと考えております。 ◆20番(森田英二君) 知事から、関西在住者も含めてオール高知で一緒に頑張ると、こういうことでございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次は、来年4月から始まるNHKの朝ドラ、らんまんの件で何点かお聞きをいたします。 今から12年前の龍馬伝の放映のときには、県外からの観光客が目に見えて増え、そうした観光バスの乗り入れが沈滞していた本県の空気を一遍に変えてくれました。例えば、県外からの観光バスの車窓に向けて、多くの県民が手を振ったりもしましたし、県民全体にとても高揚感があったことを今も覚えています。その結果、年間315万人だった観光客が一気に100万人以上も増えて、435万人観光客時代へと跳ね上がりました。 今はまだコロナ禍でもあり、本県にはにぎわいも元気も失われている状況でありますが、朝昼2回、半年間もの放映はきっと再び高知ブームをつくってくれるものと大きな期待をしております。そして、地域全体が元気を取り戻すきっかけとしてほしいと思います。今こそ企画を凝らし、必要な予算をしっかりつけて、将来のリピーターや新たな高知ファンづくりに大いに知恵を絞っていただきたいと考えています。このドラマ、生き生きと暮らす高知の家族らしく、朝から元気で明るい土佐弁が飛び交う、高知らしいドラマになってくれることを期待しています。 そこで、この高知県の露出度の超高いテレビでのビジュアルチャンスを、県民の自信回復と県勢浮揚にどのようにつなげるお考えを温めておられるのか、まず知事にお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) 今回の連続テレビ小説らんまんのドラマ放送は、県民の皆さんに明るい気持ちが広がり、またコロナ禍で閉塞感が漂ってまいりました地域が元気になる絶好のチャンスになるのではないかというふうに期待をしております。この機会をフルに生かすためには、県民を挙げて盛り上げていこうという雰囲気づくり、これが何よりも大事だと考えます。 このために、各市町村長あるいは経済界の方々などの皆さんをメンバーとする、連続テレビ小説を生かした博覧会推進協議会を発足させまして、来年3月からの博覧会の開幕に向けて、官民一体となって準備を進めてまいっております。例えば、各地域で住民の皆さんに御参加をいただき、草花を育む活動、そして町を花壇でいっぱいにしていくといった運動を進めていくというようなことが、一つのイメージではないかというふうに考えております。 今後、様々な立場の皆さんからお知恵もいただきまして、広く県民を巻き込んでいけるような具体策をさらに検討してまいります。県民の皆さんお一人お一人のお力をいただきまして、こちらについてもまさしくオール高知で、この絶好のチャンスを県勢浮揚につなげてまいりたいと考えております。 ◆20番(森田英二君) ありがとうございました。露出度を知事も増やして一緒に、先頭に立って頑張ってまいりましょう。ありがとうございました。 そこで、このチャンスを生かすためには、多くの県民の皆さんが牧野博士の植物学会での偉大さやその功績、さらには彼の生きざまをどれほど知っているのか、このことはかなり重要なポイントになると私は思います。もうドラマの放映開始まであと半年、あまり時間もなくなりましたが、その意味でも博士の功績の普及や顕彰活動の役割を担っている牧野植物園の存在が大変重要となるのは当然であります。 そこで、お聞きします。高知が生んだ日本の植物分類学の父と言われる牧野博士ですが、今年は生誕160年に当たります。この節目の年に、博士の功績を県民に向けてどのように啓発されているのか、林業振興・環境部長にお聞きいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 牧野植物園では、牧野博士の生誕160年特別企画展を開催し、博士の人柄や博士の研究の集大成とも言える牧野図鑑などを紹介しています。また、牧野富太郎生誕160年記念事業実行委員会として、県内外の博士のゆかりの地での巡回展も開催しており、博士の功績などを啓発しているところでございます。 ◆20番(森田英二君) ありがとうございました。 もう既に観光面では少しずつ牧野ブームが出てき始めておりますが、このドラマが開始されると、牧野富太郎の知名度は一気に全国区になるものと思われます。 そこで、この機を捉え、この先、牧野博士の魅力をどのように広告、宣伝、顕彰していくのか、これも林業振興・環境部長にお聞きいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 牧野植物園では、来年度も継続して特別企画展などを開催し、博士の魅力や人間味あふれる人物像などを様々な角度から伝えていくということとしております。また、植物園やフラワーパークなどが加盟している日本植物園協会と連携した情報発信や、博士のゆかりの地である東京都練馬区や神戸市と連携した取組により、博士の功績を広めてまいります。 ◆20番(森田英二君) どうもありがとうございました。 そしてまた、次世代を担う子供たちに、こうした郷土の偉人たちを功績とともに伝承していくことは大変大事なことだと思います。この9月の初旬に総務委員会の県外調査で山口県を視察してまいりました。本県は、幕末から明治維新前後にかけて全国的にも名立たる偉人、例えば坂本龍馬や武市半平太、岩崎弥太郎だけでなく、多くの偉人を輩出しています。そうであるにもかかわらず、本県の場合、本県出身の偉人や史跡をもっと身近に感じられる紹介の場面が山口県に比べ少ないように感じました。 そこで、人々が行き交う町なかなどのもっと身近な場所に、先人の偉業をたたえる立像モニュメントなどをもっと多く設置して、もっと多くの人に、ロマンあふれる高知の歴史に触れてほしいと考えるものです。例えば、オーテピア高知図書館の前の本県のマルチ学者である寺田寅彦の像などは、とてもセンスのよい設置の好例だと私は大変高い評価をしています。 また、学校現場などにおいても、本県の歴史上の人物に対する学習をより多く行ってほしいと考えるところですが、小中学校では、地元出身の偉人の紹介や周知をどのように教育機会に取り入れられておられるのか、教育長にお聞きいたします。 ◎教育長(長岡幹泰君) 本県の児童生徒が使う小中学校の社会科や理科などの教科書には、坂本龍馬、板垣退助、ジョン万次郎、そしてまた牧野富太郎博士など本県が生んだ偉人が取り上げられており、子供たちはその偉業や歴史的な意義について学習を進めております。また、県教育委員会が作成します道徳教育等の副読本、そして各市町村が独自に作っている副読本などでも、本県出身の偉人を多く取り上げており、子供たちは各教科や道徳の時間、さらに総合的な学習の時間を通してその生き方や考え方を学び、深めているところでございます。 ◆20番(森田英二君) 取り組んでいただいていることは、あらかたは知っておりましたが、なおまたそういうことで子供たちにも自信を持ってもらいたいし、先人に。 そこで、来年4月からのらんまんにおいては、牧野博士の功績を県民が少しでも詳しく知っていて、観光客に一言でも物が言えれば、遠来のお客さんの満足度も高くなろうと思います。ボランティアガイドには劣るとしても、観光客に何かを教えてあげられたら、高知県の好感度もまた上がるでしょう。 そこで、県民の誰もがほんの少しでもガイドができるよう、県として後押しをすべきだと考えますが、このことはどのように取り組んでおられるのか、観光振興部長にお伺いいたします。 ◎観光振興部長(山脇深君) 県民の方が直接案内役となって観光客に接していただけるのは、観光客にとりましても大変うれしいことだと思います。そのためにも、まずは県民の方々に牧野博士や草花のことをより知っていただくことが重要だと思います。県民の誰でも参加できる草花を楽しむ講座など、県では新たな学習機会を設けておりまして、こうした場を通じて参加者の輪が県民に広がっていくよう、周知の徹底を図ってまいります。 ◆20番(森田英二君) ありがとうございます。私も花のことはあまりよう知りませんけれど。 さてそこで、観光も含めた高知県の売りの一つは、開けっ広げでおおらかな土佐人の気質だと思います。牧野富太郎というこのらんまんの主人公も、この点では地道でいちずな研究者の一方、放蕩な人間性も併せ持つ豪快な人間だったと、朝井まかての「ボタニカ」を読みながら大方理解したつもりです。 こうした意味でも、牧野博士の朝ドラを通じて高知県人の人間性に共鳴してもらえたら、息の長い高知ファンになってくれるかもしれないと私は思います。牧野富太郎という、あけすけでいちずな県民性を持つ主人公を描いたこのドラマをうまく使って、私たち県民もこの牧野ブームに相乗りをして、来年3月から開催される観光博覧会「牧野博士の新休日~らんまんの舞台・高知~」をどうしても成功させたいと私も考えております。 そのためにも、今回の牧野博覧会の広がりを牧野植物園や越知・佐川周辺だけでなく、神戸や練馬区との連携も含めてもっと広く、もっと力強く宣伝、周知することはとても大事なことだと考えています。このような絶好の機会なのに、予算や企画が貧弱ではもったいないことこの上ありません。そこで、県外からの大勢のお客さんが高知にやってくるこの機会に、高知の県民性などもうまく生かして、龍馬伝のときにも負けない県民総参加のおもてなしをすべきだと考えています。 そこで、どのような仕掛けや工夫をされているのか、観光振興部長にお聞きをいたします。 ◎観光振興部長(山脇深君) わざわざ県外から来た方に喜んでいただきたいというサービス精神旺盛な県民性も生かしまして、県民それぞれのお立場でおもてなしに関わっていただきたいなと思っています。そのためにも本県の観光振興の取組や博覧会の情報などについて、あらゆる機会を捉えて、また様々な媒体を使ってしっかりと県民の皆様に伝えていきたいと思います。 また、観光客の受入れという面だけではなくて、誘客促進の面からも県民の方に参画していただけると、さらなる県民の盛り上がりにもつながると思います。例えば、県外のお知り合いの方にSNSなどで声がけをしていただくといった、誰でもが気軽に博覧会に関わっていけるような、そういった仕組み、仕掛けを検討していきたいと思います。 ◆20番(森田英二君) よろしくお願いします。 次に、南海トラフ地震の揺れの直後に津波から逃げるために駆け上がる一次避難場所の整備のことでお聞きをいたします。県下には、避難タワーが今117基設置されているほか、山にも斜面を利用した津波避難場所が海岸沿いの集落を中心に2,152か所整備されています。このほかにも津波避難ビルの指定などで避難場所が県下くまなく整備されてきたことで、津波から命を守る対策は格段に進みました。そして、今年の4月からは第5期南海トラフ地震対策行動計画もスタートし、今後3年間で想定死亡者数は今の8,800人から4,300人へと半減させる計画も立ててくれています。 しかしながら、地域の避難場所を見て回っていますと、避難場所が山の斜面にあることから、辛うじて山に逃げ上がったとしても、腰を下ろすところも雨宿りをするところも何もない避難場所が多くあります。このため、もう少し手を入れてほしいというお年寄りの声を多く聞きます。いわゆる避難弱者の声です。 また、さらにその逃げ上がった山の斜面は、木々が鬱蒼と茂っており、昼間でも薄暗く、周囲は刈り開けられていないままですから、足元の集落の様子が見えないばかりか、津波の状況なども全く確認できない、とても不安な雑木林の中にあります。津波が収まるまで最低でも約半日をそこで過ごさなければなりません。津波が引いた後、下に降りて二次避難のために横に移動しようとしても、山の下は瓦礫が山のように押し寄せてきていることは容易に想像できます。このため、津波警報が解除されても、山の斜面の一次避難場所からはしばらくは移動すらできずに、さらにそこで一定時間を過ごすことになりそうです。 このため、こうした場所のためにもWi-Fiを早急に整備して、互いの居場所の確認情報を交換することは大いに意義があることだと、私は前回の質問の際にも御提案をしたことでした。特に、新居や宇佐はそうなる可能性が非常に高い地域です。 令和3年2月の議会において、私はこういった山の斜面の避難場所について、こうした視点から、もう少しきめ細やかな再点検をしてくださるようお願いもしました。避難場所として、ある程度の水平部も取れるよう、もう一段の取組を進めてほしいと申しました。すると、危機管理部長からは、そうした一次避難場所において避難者が体調を崩してはいけないから、一定時間滞在できることは大変重要なことだと御答弁をいただいております。 その後のこうした避難場所の点検や整備は一体どうなっているのか、危機管理部長にお聞きをいたします。 ◎危機管理部長(中岡誠二君) 市町村が指定する津波からの避難場所2,698か所でございますが、再確認しましたところ、孤立が想定され、かつ一定時間を過ごさなければならない可能性のある避難場所は1,559か所でございました。このうち352か所につきましては備蓄スペースがあり、避難場所で過ごすために必要な資機材を保管してございます。1,007か所につきましては、急峻な地形などの理由によりスペースの確保が難しく、現在のところ資機材が整備されていないという状況でございます。 ◆20番(森田英二君) あと残りの場所につきましても、現地を見て手を入れていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 ところで、私の避難場所でございます新居・宇佐地区などは背後の山が急峻なんです。非常物資の入った備蓄倉庫だけは何とか置かれていますが、平場や人の入れる建物はもちろん、座って休むベンチさえない斜面の避難場所です。全ての避難場所を平場に整地して建物を建ててとは言いませんが、私たちの今の逃げ場所はあまりにも足場が悪く、避難後は山の斜面で立木に抱きついて津波の去る時間を待たなければならない、そんな環境です。辛うじて逃げ上がったその場所には、せめてベンチのような腰を下ろせるものを作ってほしいという切なる地区民のお願いです。 お年寄りにとっては、とても気の毒な避難場所となっています。くいを2本打ち込んだ上に水平な板を乗せるだけの腰かけでもいいんです。それがあれば、お年寄りはその長椅子に腰を下ろすこともできますし、その上に横たわることもできます。今は、避難訓練に参加したお年寄りたち、斜面の上まで避難した後、少し下に下がって避難階段に腰をかけて休めています。 この件は、訓練のたびにいつもお年寄りらから悲痛なお願いとして上がってきています。危機管理部長はこの話、どのように聞かれましたでしょうか。 ◎危機管理部長(中岡誠二君) お話のありましたように、避難場所では津波警報が解除され、安全が確認できるまでの間、一定時間を過ごさなければならないということになります。高齢者の方でも、体調を崩さないように過ごせる環境としておくことが必要と考えております。このため市町村には、お話もありましたけれども、腰を下ろせるような簡易なベンチやシートなどを備蓄できるよう、県の補助金による支援を行ってございます。 一方、避難場所が狭く、資機材の保管場所がない場合でも、避難路の安全なスペースに腰を下ろせる場所を確保することは可能な場合もあるというふうに考えます。このため、地域の皆さんや市町村と共に現地も確認いたしまして、どのような対応ができるのかを検討した上で、必要な支援を行っていきたいと思います。 ◆20番(森田英二君) どうもありがとうございます。どうぞ、ぜひ市町村と一緒に現地を1回見て、ベターな対応を考えてみてください。 この項の最後に、こうした避難場所の維持管理について、もう一点お聞きをいたします。私の地区では、定期的に地域挙げて避難訓練をやっています。その訓練に先立ち、避難場所への経路の啓開や清掃などもできる範囲で行っております。しかし、その逃げ道となる坂道や階段にはそのたびに大きな木や竹が倒れかかってきていて、道を塞いだりしています。さらに、茂ったツタが一面に逃げ道を覆っていたりして、高齢者主体の自主防災会では手に負えない状況となっていることが多いんです。設置時点では、行政から委託された業者によって整然と整備はしていただきましたが、その後は、避難場所は山ですし、お年寄りの多い地区ですから、いつも美しく保ち続けていくことはかなり無理な状況となっています。 このように、避難場所をこの先何年も何十年もどのようにして適正に維持していくのか、また県はどのような支援をしてくれるのか。今はもうどの地区もお年寄りばかりの地区になっています。多額の事業費を投入してつくったせっかくの一次避難場所です。 県と市で十分な連携を取り合って、いつでもその使命が十分に果たせるよう、命を守るこの一次避難施設の維持管理にもどうかお手伝いをお願いしたいと思うんですが、危機管理部長に再度お聞きをいたします。 ◎危機管理部長(中岡誠二君) 県では、地域の方々が避難場所の維持管理を行うために必要となる草刈り機や、落ち葉を飛ばすエアブローなどの資機材整備、また避難路の舗装や防草シートの施工について、補助金による支援を行ってまいりました。しかしながら、倒木や土砂の堆積の処理など、比較的規模の小さな復旧作業についても、高齢化やマンパワー不足により地域で対応していくことが難しくなってきており、市町村長からも県に対して支援の要望もいただいております。 維持管理につきましては、基本的に市町村や自主防災組織の役割というふうに考えてございますけれども、今後さらに高齢化が進む中、2,700か所の避難場所の維持管理というのは非常に大きな課題というふうに考えております。このため、地域の皆さんのお声もお聞きしながら、市町村と共に対策を検討してまいりたいと思っております。 ◆20番(森田英二君) ありがとうございました。同じ維持管理は大変だろうなという御認識をいただいておりまして、感謝申し上げます。よろしくお願いします。 次は、ロシアのウクライナへの突然の侵攻で、食料とエネルギーは、どの国も特に重要な国家的なライフラインであることを改めて知りました。今の時代、食料とエネルギーを自国内で幾らしっかり確保していたとしても、一国だけでは生き残れません。ですから、グローバル社会の全てを否定するものではありませんが、命に直結するものの、その多くを海外に委ねることにつきましては大きな不安があります。 当然、いろんな面で他国との連携や協調は必要でありますが、でもまたその一方で、サプライチェーンが切れたときの不安も付きまといます。だからこそ、食料やエネルギーといった国民生活に直結する特に重要なものについては、国産をするのだという基本を国も県も断固として貫いてほしいと思います。 そこで、知事に、最大の生活必需品である食料の自国内調達の考え方について順次お聞きいたします。今、私たちはロシアのウクライナ侵攻によって、県内でも身近な生活からいろいろとその影響が出始めています。 知事は今、自らの生活実感として何にどのような影響が出ているとお感じでしょうか、知事の個人的な感覚で結構ですが、お聞かせいただけたらと思います。 ◎知事(濱田省司君) 最近、我が家でも食事の際に妻と買物の際の話などいたします。例えば、食用油ですとか調味料、ハム、チーズといった食材、食品が多く値上がりしているということが話題になることが多うございます。また、食パン、パスタなども小麦価格の高騰によりまして既に値上がりをしておりますけれども、これが2回目、3回目という形での値上げが続くというような商品もあるということではないかと思います。さらに、ガソリン価格も政府のほうの支援はありますけれども、相当高止まりをしているというのは給油のたびに感じるというようなところがございます。 こうした点も、元はといえばロシアのウクライナ侵攻の影響という面もあるという意味で、生活実感の中に感じているところでございます。 ◆20番(森田英二君) 知事も小麦をベースにした、そういった生活体験をしっかり感じておられるようで、ここにもしっかり取り組んでまいりたいと思います。 さて、今の物価高やエネルギー不安の直接的な原因が、ロシアが仕掛けたウクライナ戦争に始まることは間違いありません。しかし、まさにそのことで、我が国の食料やエネルギーの外国への異常なまでの依存度の高さを国民が知るきっかけとなりました。私たちは以前からこのことを懸念し、国政マターとは承知しながらも、県議会でも食料の自給率を早く上げるべきだとの議論をしてきました。 その、私たちが低い低いとずっと言い続けてきた我が国の食料の今の自給率は38%程度であり、これは今やどこの国と比べても異常なまでの低さであります。このことは、我が国が万が一戦争に巻き込まれた場合、あまりにも危険極まりない食料の国産状況と言わざるを得ません。これがいわゆる食料安保論につながるものです。しかし、国のこのことに対する反応はあまりにも鈍感で、また取組も鈍重としか思えません。 こうした中、農政の憲法ともされる食料・農業・農村基本法を政府はやっと見直す作業を始めたようです。その背景には、もちろん制定から20年以上たったことに加え、とうとう見直すに至った理由は、この基本法が掲げてきた農業が果たす4つの理念、食料の安定供給の確保と多面的機能の発揮と農業の持続的な発展と、もう一つの農村の振興という、そのどれもが達成できずに、20年以上も経過をしてきたという事実です。そこで、ウクライナ戦争によって、やっと今年の9月9日に食料安定供給・農林水産業基盤強化本部において、岸田総理から検証するようにとの指示が出ました。 ここに来てやっと動き始めた国の食料安全保障の強化に向けた食料・農業・農村基本法の見直しの動きについて、知事はどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いします。 ◎知事(濱田省司君) 議員から御紹介がございましたように、国におきましては、農業政策の指針となります食料・農業・農村基本法につきまして、改正を視野に入れた検証が始まったところであります。この背景には、ウクライナ情勢などの食料供給をめぐるリスクの高まりがございますが、さらに申しますと、農家、農地の減少、農産物輸出の進展、さらには気候変動を背景としました環境負荷低減の必要性、こういった基本法制定から20年以上経過をして、様々な情勢が変化をしたということがこの背景にあるというふうに考えます。 この議論は1年程度かけまして、農業関係者だけでなく、幅広い層の意見を聞いて丁寧な検証を行った上で、見直しの方向性が示されるというふうにお聞きをいたしております。その際には、この食料安全保障の強化はもとよりでありますけれども、農産物輸出をさらに進めていく、これは我が県で言えばグローバル化の文脈の話だと思います。また、環境負荷の少ない農業の持続的な成長に向けて、いわゆるグリーン化、そしてさらにデジタル化によります成長産業化と、こういったものも含めました今後の農政の基本方向が示されるということを、私としては望んでおるところでございます。 さらには、基本法改正に伴います総合的な施策の展開により、農林水産業の生産基盤が強化をされまして、お話がありましたように38%という伸び悩んでいる食料自給率が向上し、食料安全保障の強化につながるということを期待いたしております。 ◆20番(森田英二君) ありがとうございました。 さて、農林水産省が公表している統計によれば、農産物の輸入総額は年々増加傾向にあり、令和3年には約7兆円の輸入額となっています。そこで、輸入依存度を下げるには、今の輸入品目を国内で栽培することに尽きると思うんです。例えば全国ベースで見れば、小麦や大豆、畜産物や畜産用の飼料、ほかにも輸入量の多いタマネギ等が集中的に国産化することがいいと思います。しかし、農産物は適地適作がありますので、本県では小麦を大規模に栽培することは難しく、主食用の米から飼料米に転換することで、畜産用の飼料自給率を上げて輸入量を減らす取組をしてきました。 また、パプリカの輸入額は今、年間130億円もありますが、国内の自給率は2割に満たない商品です。そこで、県内でもこのパプリカを次世代型ハウスでIoP技術を取り入れた高い生産性の下、栽培するなど、輸入量の削減も兼ねた新しい県産品の取組も始めております。 そこで、食料の自給率を上げるため、つまり輸入農産物を少しでも国産化するため、本県として今後どのように取り組んでいくのか、農業振興部長にお聞きをいたします。 ◎農業振興部長(杉村充孝君) 本県は、これまで主食用米から飼料用米やWCS用稲への転換など、畜産飼料の自給率向上にも努めてまいりました。さらなる作付面積の拡大に取り組んでいきます。 お話にありましたパプリカにつきましては、国産化のニーズが高く、県内でも生産の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。また、新たな取組としまして、生鮮野菜で輸入量が最も多いタマネギの産地化に向け、日本各地で輸入農産物の国産化に取り組んでおられます企業と連携しまして、来月から栽培実証を開始する予定でございます。 ◆20番(森田英二君) どうもありがとうございました。 次は、食料危機に続いて、エネルギー危機に対しての我が国の備え方についてお聞きをいたします。資源に乏しい我が国が、エネルギーを外国に頼らずに今の生活や産業を本当に維持できるのか、またエネルギー小国の我が国がこの先、国際公約として表明している2050年カーボンニュートラルの実現を目指しながら、ではどのような存続と繁栄の活路を見いだしていくのか、またそのときには再エネにどのように取り組んでいくのかについて順次お聞きをしていきます。 そこで、現在の我が国のエネルギー事情はどうなっているのかといえば、令和2年度の我が国のエネルギー自給率は11%となっています。ということは、エネルギーのほとんどに当たる89%を海外に依存しているということです。 外国から輸入されるエネルギーの内訳は、石油が36%、石炭が25%、LNGが24%となっていて、その化石燃料の代償として、国内から多額の資金が海外へ流出していっているという現実があります。その額は、先月行われた高知追手前高等学校での脱炭素シンポジウムの中で、元環境大臣の小泉進次郎衆議院議員が、年間15兆円ないし20兆円にも上っていると話されました。日本の1年間の食料の全輸入額でさえ7兆円なんです。それに対して、エネルギーだけで年間20兆円もが海外に流れています。 エネルギーの問題は、単なるエネルギー安全保障というだけでなく、ここまでも多額の国家の富が毎年海外に流出していっているという重大な事実が隠れています。こうした状況の改善のためにも、一日でも早く国内で使えるエネルギーは何とかして自国内で確保すべきだと私は考えるようになりました。 国は昨年10月に、2050年までのカーボンニュートラルを目指して、第6次エネルギー基本計画を策定しました。その柱は、再生可能エネルギーを主力電源にすることとし、それに向けて最大限の導入努力に取り組むこととしています。 そこで、お聞きします。ここまで述べてきたように、日本は現在外国の化石燃料にこれほどまでも依存している状況なんですが、その化石燃料の主な輸入先について、ロシアからの輸入状況も含めて林業振興・環境部長にお聞きをいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) エネルギー白書によりますと、令和2年度の化石燃料の主な輸入先は、原油はサウジアラビアが最も多く約43%、アラブ首長国連邦が2位で約30%、ロシアは約4%で5位、石炭はオーストラリアが最も多く約68%、ロシアは約15%で2位、LNG--液化天然ガスですけれども、オーストラリアが最も多く約37%、マレーシアが2位で約14%、ロシアは約8%で3位となっております。 ◆20番(森田英二君) 今お聞きしましたが、ロシアからの輸入はあまりないようですが、このロシアのウクライナ侵攻以来、サハリン2も大きなリスクがありますし、オーストラリアのLNGも各国の争奪競争が激しくなっているといいます。また、アメリカのLNGも火災の影響で長期間にわたる操業停止の影響が出てきております。また、つい先日もロシアからドイツへのLNGの輸送パイプラインのノルドストリームでも大規模な破壊工作がありました。こうした背景などにより、LNGや原油価格が大変高騰してきました。このため、このことに起因した物価の高騰対策として、本県でも13億円余りの補正予算が今議会に提出をされております。 このように、世界のエネルギー事情の変化は、私たちの生活に直結しており、それもすぐに影響が及ぶ時代となっています。国は、そうした危機の中にあっても、化石燃料の価格を抑えて、私たちの生活を守ろうとしてくれてはいますが、一方で世界のグリーン化の流れにも乗り遅れるわけにはいきません。つまり、国際公約である2050年カーボンニュートラルの実現に向けての脱炭素化の取組も、もう決して後回しにはできません。 さきにも述べたように、先月の県主催のシンポジウムで小泉進次郎元環境大臣は、次の時代は環境関連産業が経済を牽引することになる、また車も化石燃料の車ではなく、再エネを電源とした電気自動車が主役となることは間違いないとも断言されました。これから先の時代は、環境に配慮した製品でなければ世界との競争には勝てない、この脱炭素の取組は単に環境への取組というだけでなく、経済と密接な関係になっていくと話され、私も深い感銘を受けました。 ぬれ手で粟の産油国でさえ、今は次の時代のエネルギーに備えて、再エネから生み出す電気や水素になることを知っており、もう既にそれに向けた取組を進めております。 さて、そこで濱田知事にお聞きをいたします。知事は2年前の県議会で、本県のカーボンニュートラルを宣言し、政府と足並みをそろえることで、私がその先頭に立って頑張りたいと御挨拶されました。そしてまた、先日も同じ答弁をされました。でも、その約束のCO2ゼロ社会はもう目前です。将来のことではなくなりました。 そこで、小泉元環境大臣との意見交換や、経済と環境はもう一体として考えるべきだという先日のお話等を踏まえ、本県はこの先どのように脱炭素化に取り組もうとされているのか、知事のお考えとその意気込みをお聞きいたします。 ◎知事(濱田省司君) 御紹介をいただきました先日のシンポジウムにおきましては、小泉元環境大臣と共に、脱炭素の取組をイノベーションを通じまして経済を成長させると、そうした好循環につなげるということについても議論をいたしました。 その中で、脱炭素に向けましては、高知県の強みを生かしていくということがポイントだと思っておりまして、具体的には、土佐和紙の伝統に基づく製紙業の技術をプラスチックの代替素材として活用するということ、あるいはグリーンLPガス、いわゆるプロパンガスのグリーン化、そして地産地消といった形のプロジェクトを推進していきたいというふうに考えております。 今後はこうした取組に加えまして、公営企業局におきまして海洋温度差発電の導入可能性調査などに取り組んでいただくということも含め、グリーン化によります新たな産業の創出を図りながら、この脱炭素化に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆20番(森田英二君) さて、経済と環境の問題を語るときに、エネルギー問題と脱炭素化のテーマは、もはや切り離すことができません。このため、現在再エネや原子力についての議論が活発化してきており、政府は原子力発電所の稼働の前倒しや、さらなる再稼働の早期実現に取り組むこととしています。そして、現在再稼働中の10基に加え、追加で7基を前倒しさせる再稼働を目指そうともしています。 そして、さらに脱炭素化に加え、国産エネルギー率を高める意味もあって、新たな原子力発電技術の開発や建設の検討も始まりました。電力の安定供給のためにはこうして原発、火力、再エネのバランスを取るとともに、この先の主力電源となる再エネを調整するための調整機能が重要となってきます。 再生可能エネルギーは、必要なときに必要に応じて発電することができない電力なんです。そのため、現在の調整電源は出力調整が容易な火力発電を中心としていますが、将来は蓄電池による調整が大きな役割を果たすことになります。私は、国産によるエネルギーの安定供給と、海外へ流出し続ける国の富の問題を同時に解決するためには、やはり国が新たな電源開発と、この調整力の確保を国家的な課題として早急に取り組まなければならないと考えています。 そこで、特に必要と考えられるのは、この調整力の確保でありますが、これについて林業振興・環境部長はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞きいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 議員御指摘のとおり、再生可能エネルギーの主力電源化を進めていく際には調整力の確保が必要です。蓄電池は、必要に応じて充電、放電が可能なことから、再エネをより効率的に活用するための重要な技術であるというふうに考えております。 ◆20番(森田英二君) そこで、こうした課題の解決の一助になるかもしれないと思える新たな技術についてここで御紹介し、皆さんと共にその取り組み方について考えてみたいと思います。 今年の8月、フィンランドの企業が砂に熱エネルギーを貯蔵するという世界初の商用システム、砂電池の運用を開始したというニュースです。この砂電池は、安くて豊富な砂を保温材料として、無尽蔵にある太陽光や風力から取り出した、いわゆる再エネ電力を使って、砂を約500度から600度の状態まで温めます。そして、今その砂電池システムは、その備蓄した熱エネルギーをそのまま建物の暖房や温水プールなどに熱のまま地域で活用する、とてもシンプルな蓄熱システムなんです。 これは用途に応じて規模も変えられるし、設置場所は地上だけでなく地下にも設置できるんですが、知事はこの砂電池を御存じでしたでしょうか、お聞きをいたします。 ◎知事(濱田省司君) 率直なところ、不明にしてこれは存じませんで、今回初めて知ったところでございます。 ◆20番(森田英二君) では、これから御紹介しますので、一緒に見に行きましょう。 そこで、本県は園芸産地であることもあって、日照時間が全国一だとよく自慢をします。無尽蔵な太陽光のエネルギーを考えたとき、本県は再エネ資源が大変豊富なことからも、この点では将来とても有望な県だと言うことができます。この砂電池、必要に応じて規模も調整できますし、様々な場所にユニットとして導入することもできそうです。また、再び熱から発電することもできるんではないかと思います。フィンランドで実証実験したこの砂の入れ物としてのタンクは、直径が4メートル、高さは7メートル1基でした。今、実用段階として造ったのは、直径7メートル、高さ10メートル、それを100基造っています。いよいよ本格導入を始めたようです。 例えばこの砂電池を太陽光発電とセットで施設園芸用のハウスに導入すれば、電気としても使えるし、蓄熱した熱で加温もできます。さらには、公共施設や学校、高齢者施設などへの利用も考えられます。また、この砂電池は再エネと砂を活用するという大変シンプルなシステムであり、安全性も高く、また砂は交換する必要もなく、メンテナンスもあまり要らないといった多くのメリットがあります。さらに、この砂電池は、再エネ電力が余った際の新たな調整機能としても活用することができます。 このように、フィンランドで実用段階に入った砂電池は本県の特性にも合っており、また再エネ電力の自給自足を進めていくための一つの強力な手法にもなるんではないかと私は考えています。 以前、高軒高ハウスの効用を先進地のオランダに県を挙げて視察し、導入のために前向きに取り組みました。今やその成果は着実に県内の園芸ハウスに定着してきています。この砂電池についても、私はフィンランドに出向いて、実用段階に入ったと言われるその熱利用のシステムを現地に研修することの意義は十分にあると考えます。これはまさに高知県からのエネルギーの国産化と、その活用の好事例となるものと思うんですが、どうでしょう。 この砂電池について濱田知事はどのような御感想をお持ちになられましたでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(濱田省司君) この砂電池のお話でありますが、非常に興味深いお話として伺いました。御指摘ありましたように、本県は再生可能エネルギーが非常に豊富でございますので、こうした再エネを生かしました新しい技術の導入可能性を探っていくということは大変大事なことだと思っております。この砂電池も、こうした本県の強みを生かす可能性を持った技術というふうに受け止めましたので、まずは情報収集をしっかりしてまいりたいと考えております。 ◆20番(森田英二君) 情報収集からで結構ですが、どんどん前向きに取り組んで、ぜひまた一緒にフィンランドに行くような機会がありましたらと思います。 では次、最後になりますが、ウクライナの戦争の様子をテレビで見ておりますと、侵略をされているウクライナには、製鉄所の下に5,000人もの人が数か月間も生活ができるという大規模な地下シェルターがあることを知りました。また、個人の家にさえ地下室があります。一方、日本は今、ウクライナよりももっと厳しい隣国環境の中にありますので、果たして備えは大丈夫なのかと大変心配をしています。 そこで私は、他国の武力攻撃から国民を守るためのシェルターの普及率を各国調べてみました。世界の各国には、核兵器から国民を守るための核シェルターがもう既に非常に高い割合で整備をされています。参考までに申しますと、スイスとイスラエルは100%、アメリカは82%、ロシアは78%、イギリスは67%であるのに対し、日本は僅か0.02%ということです。 ウクライナ戦争を契機に、ここに来てやっと我が国においても、都市部では地下鉄の駅や地下街をシェルターに見立てて、国民を保護する検討を政府は始めたようです。翻って、本県はどうでしょう。地下鉄も地下街もありませんし、ましてや個人の家に頑丈な地下室などあるはずもありません。危機管理はもはや南海トラフ地震だけではなくなりました。 そこで、危機管理部長は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律を所管するというお立場ですから、シェルターの整備についてどのようなお考えを持っているのか、お聞きをいたします。 ◎危機管理部長(中岡誠二君) 本県では、国民保護法に基づきまして、堅牢な建物などを中心に、地下駐車場や地下道を含む施設を緊急一時避難施設として指定をしております。こうした施設は、弾道ミサイル攻撃の爆風などによる被害を軽減するためのもので、規模、構造、設備、立地などの基準が国から示されているところでございます。今後、核シェルターの整備を図っていくということでございましたら、まずは国がその整備方針や基準というものを示していただきたいというふうに考えております。 ◆20番(森田英二君) 御認識をされているようでありがとうございます。このことは国防のことですから国マターではありますが、私は県といえども、もっと意識をしっかり高く持って、これからの取組に期待をしているところでございます。日本国民全員が入れる核シェルターを今すぐに整備するとなると、一朝一夕にはいきませんが、とにかく急いで整備をしていくように、国と共に計画を立てるべきだと思います。 私たち県議会では、今年4月に高知工科大学で経済学を研究しているウクライナの男性の方に、戦時下である母国ウクライナの苦境について、その心境を議会で聞く機会がございました。その中で一番心に残った言葉が、平和な今だからこそしっかり考えて、いつどこで起きるかもしれない国際紛争事態に備えておかなければなりませんよという彼からのアドバイスでした。備えあれば憂いなしというように、今からでもしっかり備えないと、大きな後悔をすることになりますよという、とても含蓄のある言葉でした。 もう一度申しますと、シェルターの整備率、アメリカ、ロシアは82、78%です。イギリスは67%、日本はもっと厳しい環境下にありながら、たった0.02%です。備えあれば憂いなしです。 そこで、ウクライナとロシアとの現状を我が国に照らして見てみますと、大変危険な国々が我が国を取り巻いていることに改めて気づきます。まず、北のほうで隣接しているロシアは、現に今、平和なウクライナに戦争を仕掛けています。そして、北朝鮮は、我が国の国民を拉致しているばかりか、弾道ミサイルを日本海に撃ち続けていますし、昨日の朝は日本領土上空を飛び越える形で弾道ミサイルを発射しました。そして、中国は、日本固有の領土の尖閣を威嚇し、台湾侵略、台湾奪取を視野に入れ、今年8月には我が国の排他的経済水域にまで弾道ミサイルを5発も打ち込んできました。 最近の新聞は毎日のように、中国が台湾に対して異常なまでも圧力を強めていることを報道しています。そればかりか、日本に対しても尖閣だけではなく、ロシア軍と共に日本列島を戦艦や爆撃機で日常的に周回するなど、威圧を次第にエスカレートさせています。このように尖閣の有事はもちろん日本の有事ですが、もし台湾有事となれば、それももう沖縄にすぐ飛び火することは明白です。 先島諸島周辺だけでなく、その戦火はそこだけでは済みません。ですから、最近住民保護と称して、沖縄県の島嶼部の県民を島外へ退去させるシミュレーションも政府は行っています。つまり、もう既にいつ国内でも戦争状態になり得るかもしれないという危機的状況にあるということなんです。戦争はもはや他人事ではないと考えておかなければなりません。 そして、これらの国々は3国とも核兵器の保有国です。台湾のすぐ隣は沖縄県ですが、近年の戦略的武器の能力からすれば、沖縄も九州も四国も一体と考えてよいでしょう。知事には平時も有事も県民を守る責務があります。有事の際の国民保護は、まずは自治体が大きな役割を担っています。国民保護法は都道府県の役目として、県民の避難や救援活動を定めているんです。 そこで、最後はこうした県政運営の責任者である知事にお聞きをいたします。私たち高知県民は、核シェルターも考慮に入れた危機的な状況を想定しておくべきだと考えます。昨日の朝は、北朝鮮の弾道ミサイルの発射を受けて、ほぼ同時にJアラートで関係地区の国民に対して、地下室に入るようにとの呼びかけもありました。 このように突発的な危機に対して、平和な今から国と一緒になってしっかり備えなくてはならないと考えるんですが、知事は本県の備え方をどのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。 ◎知事(濱田省司君) 御指摘ありましたように、国民保護法におきましては、県民の皆さんの生命、身体、財産を守るということは県の責務とされており、この法律に基づきまして、県としても国民保護計画を策定しております。そして、この計画を実効性あるものにするために、各種の訓練も実施をしてまいっております。本年1月には、他国からの武力攻撃事態を想定いたしまして、愛媛県、山口県、市町村、警察、自衛隊などと連携をして、住民避難の手順を確認する国主導の訓練を実施いたしました。1か月かけて全県民を県外避難させると、こういうような想定でございました。また、来月には弾道ミサイルを想定しました住民避難訓練を、国や梼原町と連携をして行う予定といたしております。 我が国の安全保障環境は、年々緊張感を増しているというのは御指摘のとおりだと考えます。国や関係機関と連携をし、有事に備えておくということがぜひとも必要だと考えます。今後も高い危機意識を持ちまして、平時からこうした備えに取り組んでまいります。 ◆20番(森田英二君) 知事、どうもありがとうございました。もうほとんどの部長からもほぼ同じ思いで、この質問を皆さん考えてくれているようで、心から感謝申し上げます。 これは質問ではございませんが、うちのこの議会の閉会日の翌日、15日ですが、全国から都道府県議会議員を中心に集まっていただいて、第8回日台交流サミットin高知という500人規模の大きな会をやります。国からも来られます。台湾政府からも来られます。県行政からも随分応援をしていただいております。県議会の36人全員が入った高知県日台議員連盟が主催者になってやっている大会でございますが、観光の側面もありますし、どうか成功させたいと思いますので、どうか御協力をお願いしたいと思います。15日、16日が大会でございます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、森田英二君の質問は終わりました。 以上で、議案に対する質疑並びに一般質問を終結いたします。----------------------------------- △決算特別委員会の設置 ○議長(明神健夫君) 日程第3、決算特別委員会設置の件を議題といたします。 お諮りいたします。令和3年度の決算を審査するため、この際、9名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、第21号及び第22号並びに報第1号から報第23号まで、以上25件の議案を付託の上、この審査が終了するまで議会の閉会中も継続審査することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(明神健夫君) 御異議ないものと認めます。よって、9名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、第21号及び第22号並びに報第1号から報第23号まで、以上25件の議案を付託の上、審査が終了するまで議会の閉会中も継続審査することに決しました。 なお、お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条の規定により、3番桑鶴太朗君、12番野町雅樹君、15番加藤漠君、20番森田英二君、21番三石文隆君、24番黒岩正好君、26番大石宗君、31番上田周五君、36番米田稔君、以上の諸君を指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(明神健夫君) 御異議ないものと認めます。よって、ただいま指名いたしました9名の諸君を決算特別委員に選任することに決しました。----------------------------------- △議案の付託 ○議長(明神健夫君) これより議案の付託をいたします。   (議案付託表配付) ○議長(明神健夫君) ただいま議題となっている議案のうち、第1号から第20号まで、以上20件の議案を、お手元にお配りいたしてあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   〔議案付託表 巻末379ページに掲載〕----------------------------------- △議員派遣に関する件、採決(議発第1号) ○議長(明神健夫君) 御報告いたします。 議員から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。   (書記朗読)   〔議発第1号 巻末383ページに掲載〕 ○議長(明神健夫君) 日程第4、議発第1号「議員を派遣することについて議会の決定を求める議案」を議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となりました議案については、提出者の説明、質疑、委員会への付託、討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(明神健夫君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決に入ります。 議発第1号「議員を派遣することについて議会の決定を求める議案」を採決いたします。 本議案を原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(明神健夫君) 全員起立であります。よって、本議案は原案のとおり可決されました。----------------------------------- ○議長(明神健夫君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 お諮りいたします。明6日から13日までの8日間は委員会審査等のため本会議を休会し、10月14日に会議を開きたいと存じますが御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(明神健夫君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 10月14日の議事日程は、議案の審議であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後5時6分散会...